
モペットは見た目が自転車に近いものの、法律上は「ペダル付き原動機付自転車」として扱われます。
そのため、交通事故が起きたときは自動車やバイクと同じように対応しないといけません。
近年は無免許運転や信号無視などの違反が問題となっており、モペットによる交通事故も発生しています。
交通ルールを十分に理解しないまま運転すると、事故の加害者になる可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、モペットの特徴や交通ルール、交通事故や交通違反の現状を解説します。
また、モペットで交通事故が起きた場合の対応や、実際に発生した事故・違反事例についても紹介しますので、参考にしてください。
・モペットを運転する際に守るべき交通ルールは、運転免許証を取得する、ナンバープレートを取り付ける、自賠責保険へ加入する、ヘルメットを着用するなど
・モペットで交通事故が起きた場合の対応は、けが人がいないか確かめる、警察に報告する、相手方と連絡先を交換する、事故現場の状況を記録する、保険会社へ連絡する
・モペットで交通事故にあったときに請求できる補償は、治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害慰謝料や逸失利益
モペットとはペダル付き原動機付自転車のこと
モペットとは、ペダルとモーターの両方を備えた乗り物です。
見た目は自転車に似ていますが、法律上は「ペダル付き原動機付自転車」として扱われます。
そのため、自転車とは適用されるルールが大きく異なります。
まずは、自転車や特定小型原動機付自転車との違いを確認していきましょう。
- 自転車との違い
- 特定小型原動機付自転車との違い
自転車との違い
モペットと自転車の大きな違いは、モーターだけで走行できるかどうかです。
一般的な自転車は人の力でペダルをこいで走行します。
一方で、モペットはアクセル操作によってモーターのみで走行可能です。
そのため、道路交通法上は自転車ではなく原動機付自転車として扱われます。
また、自転車は運転免許証やナンバープレート、自賠責保険が不要ですが、モペットは必要です。
ヘルメットの着用義務や通行ルールについても原付バイクと同様のルールが適用されます。
見た目だけで自転車と判断してしまうと、無免許運転や無保険運転になるおそれがあるため注意しましょう。
関連記事:自転車同士の事故に遭ったら|過失割合・損害賠償・判例を徹底解説
特定小型原動機付自転車との違い
特定小型原動機付自転車とは、最高速度20km/h以下などの基準を満たした電動キックボードなどを指します。16歳以上であれば運転免許証は不要です。
一方で、モペットは原動機付自転車に分類されるため、原付免許以上の運転免許証が必要です。
また、ヘルメットの着用義務や二段階右折など、原付バイクと同様の交通ルールが適用されます。
どちらも電動で走行する乗り物ですが、必要な免許や適用される交通ルールは大きく異なるため、混同しないよう注意しましょう。
関連記事:LUUPで事故を起こしたらどうする?直後の対応や保険の範囲、罰則などを解説
【2026年】モペットによる交通事故や交通違反の現状
近年はモペットの利用者が増える一方で、無免許運転や信号無視、通行区分違反などの交通違反も問題となっています。
警察庁もペダル付き電動バイク(モペット)の危険運転を課題として挙げており、悪質・危険な違反に対する取締りの強化や周知啓発を進めています。
警察庁が公表している「事務局説明資料」のデータをもとに、モペットによる交通事故や交通違反の現状を見ていきましょう。
- モペットによる交通事故件数
- モペットに対する取締り状況
モペットによる交通事故件数
警察庁の資料によると、モペット(ペダル付き電動バイク)が関係する交通事故は毎年発生しています。
| 年 | 事故件数 |
|---|---|
| 2022年 | 25件 |
| 2023年 | 52件 |
| 2024年 | 59件 |
| 2025年(11月末時点) | 47件 |
令和2025年11月末時点の事故件数は47件で、前年同期と比べると減少しています。ただし、依然として毎年一定数の事故が発生している状況です。
また、令和2025年11月末時点では、全国47件のうち東京都と大阪府で30件発生しており、事故が都市部に集中していることが分かります。
なお、死亡事故は令和2025年11月末時点で1件です。
死亡事故は多くありませんが、けがを伴う事故は発生しているため、交通ルールを守って運転することが大切です。
モペットに対する取締り状況
近年はモペットによる交通違反が問題となっており、警察による取締りも強化されています。
特に2024年11月に施行された改正道路交通法では、モペットはペダルだけで走行している場合でも原動機付自転車として扱われることが明確化されました。
これにより、ペダルをこいでいたから自転車だと思ったという主張は認められません。
実際に、モペットに関する検挙件数は大幅に増加しています。
| 年 | 検挙件数 |
|---|---|
| 2022年 | 91件 |
| 2023年 | 291件 |
| 2024年 | 2,200件 |
| 2025年(11月末時点) | 2,372件 |
2025年11月末時点の検挙件数は2,372件となっており、2022年と比べると大幅に増加しています。
違反内容では、無免許運転や通行区分違反などの危険な違反も少なくありません。
無免許運転の検挙件数は2024年の440件から2025年には727件へ増加しました。通行区分違反も304件から346件へ増加しています。
モペットを運転する際に守るべき6つの交通ルール
モペットは比較的新しい乗り物ということもあり、交通ルールを正しく理解していない人も少なくありません。
実際、自転車にも意外と知られていない交通ルールがあります。
交通違反や交通事故を防ぐためにも、運転前に基本的な交通ルールを確認しておきましょう。
モペットを運転する際に守るべき6つの交通ルールを紹介します。
- 1.運転免許証を取得する
- 2.ナンバープレートを取り付ける
- 3.自賠責保険へ加入する
- 4.ヘルメットを着用する
- 5.保安基準を満たした装置を備える
- 6.通行区分を守る
1.運転免許証を取得する
モペットを運転するためには、原付免許以上の運転免許証が必要です。
モペットにはペダルが付いているため、自転車だと思ってしまう人も少なくありません。
しかし、法律上は原動機付自転車として扱われるため、ペダルの有無は関係ありません。
また、ペダルをこいで走っているなら免許は不要という認識も誤りです。
モペットはペダルのみで走行している場合でも原動機付自転車として扱われます。
実際に、モペットに関する交通違反では無免許運転の検挙件数が多くなっています。見た目から自転車と勘違いしやすいため、特に注意したいポイントです。
なお、無免許でモペットを運転した場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
違反点数25点が付され、免許取消しや欠格期間の対象にもなりますので、気を付けましょう。
2.ナンバープレートを取り付ける
モペットを公道で運転するためには、ナンバープレートを取り付けなければなりません。
モペットは原動機付自転車に分類されるため、市区町村で登録手続きを行い、交付されたナンバープレートを車体に取り付ける必要があります。
インターネット通販などで購入した場合、届いたらそのまま乗れると思ってしまう人もいます。
しかし、登録手続きをしないまま公道を走行することは認められていません。
また、ナンバープレートを取得していなければ、自賠責保険への加入手続きもできません。
そのため、無登録で走行すると、ナンバープレートに関する違反(道路運送車両法違反)だけでなく、自賠責保険未加入の状態で公道を走行することにもなります。
3.自賠責保険へ加入する
モペットを公道で運転するためには、自賠責保険への加入が義務付けられています。
自賠責保険とは、交通事故の被害者を救済するための強制保険です。
モペットも原動機付自転車に分類されるため、自動車や原付バイクと同じように加入しなければなりません。
自賠責保険に加入せずに公道を走行した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
また、違反点数6点が付されるため、一発で免許停止の対象になります。
なお、自賠責保険は相手方の人身損害を補償する保険です。自身のけがや相手の車両・物の損害は補償されません。
4.ヘルメットを着用する
モペットを運転する際は、ヘルメットを着用しなければなりません。
自転車についてはヘルメットの着用が努力義務となっているため、着用していなくても違反にはなりません。
一方で、モペットは原動機付自転車に分類されるため、ヘルメットの着用が義務付けられています。
ヘルメットを着用せずに運転した場合は、乗車用ヘルメット着用義務違反となり、違反点数1点が加算されます。
反則金はありませんが、交通違反であることに変わりはありません。
また、モペットは自転車よりも高い速度で走行できます。そのため、転倒や衝突が発生した際は頭部に大きな衝撃を受けるおそれがあります。
交通違反を避けるためだけでなく、自分の命や身体を守るためにも、モペットを運転する際は必ずヘルメットを着用しましょう。
5.保安基準を満たした装置を備える
モペットを公道で運転するためには、保安基準を満たした状態でなければなりません。
モペットは原動機付自転車として扱われるため、前照灯(ヘッドライト)や尾灯(テールランプ)、方向指示器(ウインカー)、後写鏡(バックミラー)、警音器(クラクション)などの装置を備える必要があります。
これらの装置は利便性のために付いているわけではありません。安全に走行するために必要な装置として法律で定められています。
そのため、装置が故障している状態や取り外された状態で公道を走行すると、整備不良になるため違反です。
モペットを運転する際は、必要な装置が付いているかだけでなく、正常に作動する状態かも確認しておきましょう。
6.通行区分を守る
モペットが走行してよいのは車道です。歩道を走行することは原則として認められていません。
モペットは見た目が自転車に似ていますが、法律上は原動機付自転車として扱われます。そのため、自転車のように歩道は走行できません。
また、ペダルのみで走行している場合も同様です。
エンジンやモーターを使っていないからといって自転車扱いになるわけではないため、車道を走行する必要があります。
歩道走行などの通行区分違反をした場合は、交通違反として取締りの対象です。
実際に、モペットに関する交通違反では通行区分違反の検挙も行われています。
モペットを運転する際は、自転車ではなく原付バイクを運転しているという意識を持ち、適切な通行区分を守りましょう。
モペットで交通事故が起きた場合の対応
モペットも原動機付自転車として扱われるため、交通事故が起きた場合の対応は原付バイクや自動車と基本的に同じです。
モペットで交通事故が起きた場合に取るべき対応を順番に解説します。
- けが人がいないか確かめる(救護義務)
- 警察に交通事故を報告する(報告義務)
- 相手方と連絡先を交換する
- 事故現場の状況を記録する
- 保険会社へ連絡する
- 病院の受診を検討する
けが人がいないか確かめる(救護義務)
交通事故が起きたら、まずはけが人がいないか確認しましょう。
道路交通法では、事故を起こした運転者に救護義務が課されています。
相手がけがをしている場合はもちろん、自分自身や同乗者の状態も確認することが大切です。
けが人がいる場合は119番通報を行い、必要に応じて応急処置をします。また、後続車との二次事故を防ぐため、安全な場所へ移動することも重要です。
なお、救護義務を果たさずにその場を立ち去ると、いわゆるひき逃げとして重い処分を受ける可能性があります。まずは人命を最優先に行動しましょう。
関連記事:交通事故でその場で示談(和解)するのは危険?示談された・してしまったときの対処法
警察に交通事故を報告する(報告義務)
交通事故が起きたら、必ず警察へ連絡しましょう。
道路交通法では、交通事故を起こした場合に警察へ報告する義務が定められています。
モペットも原動機付自転車であるため、この義務の対象です。
相手から大した事故ではないから警察は呼ばなくていいと言われることもあるかもしれません。
しかし、事故の規模にかかわらず報告しなければ違反になります。
また、警察へ届け出ないと交通事故証明書が発行されません。交通事故証明書は保険金の請求や示談交渉などで必要になるため、後から困る可能性があります。
その場で相手と話し合って解決したつもりでも、後からけがが見つかったり、損害を巡ってトラブルになったりするケースもあります。
事故が発生したら必ず110番通報を行い、警察へ状況を報告しましょう。
関連記事:交通事故の報告(通報)義務とは?必要なケースや違反の点数・リスクを解説
相手方と連絡先を交換する
警察への連絡が終わったら、相手方と連絡先を交換しましょう。
氏名や住所、電話番号のほか、車両のナンバーや加入している保険会社なども確認しておくと安心です。
相手がモペットを運転していた場合は、ナンバープレートの番号も記録しておきましょう。
連絡先を交換していないと、後から相手方と連絡を取ることが難しくなります。
また、保険会社へ事故を報告する際は、相手方の氏名や連絡先、車両情報などを伝える必要があります。
相手の情報が分からなければ、保険会社も対応を進められません。
関連記事:交通事故で連絡先の交換は必要?交換する情報や教えたくないときの対処法を解説
事故現場の状況を記録する
通事故では、事故現場の状況を巡って争いになることが少なくありません。
特に争いになりやすいのが過失割合です。
過失割合によって損害賠償額や示談金などが変わるため、相手方と認識が食い違うケースもあります。
そのため、事故直後の状況を証拠として残しておくことが大切です。
例えば、車両の損傷箇所や事故現場の全体状況、ブレーキ痕、信号機や道路標識などをスマートフォンで撮影しておきましょう。
ドライブレコーダーや防犯カメラの有無も確認しておくと役立ちます。
また、事故が発生した日時や場所、相手方の説明内容などもメモしておくと安心です。
事故から時間が経つと記憶は曖昧になります。
後の保険手続きや示談交渉で不利にならないためにも、できるだけ多くの証拠を残しておきましょう。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
保険会社へ連絡する
事故現場の処理が終わった後でも構いませんので、保険会社へ事故を報告しましょう。
保険会社には、事故の発生日時や場所、相手方の情報、けがの有無などを伝えてください。事故を報告しなければ、保険を利用できません。
また、一般的には保険会社が相手方や相手方の保険会社と連絡を取り、その後の手続きを進めます。
そのため、保険会社へ報告していないと、示談交渉や補償手続きが進まなくなる可能性があります。
保険は使わずに自分で修理代を支払うつもりでも、保険会社への連絡はしておいた方が安心です。
交通事故では、当初は物損事故として扱われていても、後から痛みが出て人身事故へ切り替わるケースがあります。
人身事故になると、治療費や慰謝料などの支払いが発生し、負担額が大きくなる可能性があります。
後からトラブルになったときに備えるためにも、保険を使う予定がなくても事故が発生したことは保険会社へ報告しておきましょう。
関連記事:保険会社の対応が悪いときの対処法|相談先やNG対応を実態とともに解説
病院の受診を検討する
交通事故の後は、目立ったけががなくても病院の受診を検討しましょう。
例えば、衝突の勢いで首が大きく前後に振られた場合や、身体へ強い衝撃を受けた場合、モペットから転倒などは受診しておく方が良いでしょう。
事故直後に症状がなくても後からむちうちなどの症状が現れることがあります。
診察の結果、異常がなければ経過観察となることもありますが、その後に症状が出た場合でも交通事故との関係を説明しやすくなります。
一方で、事故後しばらく経ってから初めて受診すると、その症状が本当に交通事故によるものなのか判断できません。
保険会社とのやり取りでも、事故との因果関係が争いになる可能性があります。
関連記事:交通事故で整骨院に通院してもいい?メリットやリスク、通院の流れを解説
実際に発生したモペットによる交通事故の事例
実際に発生したモペットに関する交通事故や違反事例を紹介します。
これからモペットを利用する人は、どのような事故やトラブルが起きているのか確認しておきましょう。
- 無免許運転のモペットが自転車と衝突し後遺障害が残った事例
- 無免許運転と無保険でモペットを運転し書類送検された事例
- 信号無視を繰り返し歩行者と衝突した事例
無免許運転のモペットが自転車と衝突し後遺障害が残った事例
東京都内で、無免許でモペットを運転していた男性が自転車と衝突し、被害者に重い後遺障害が残った事故です。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事故では、無免許運転だけでなく、二人乗りや逆走など複数の交通ルール違反が重なっていました。
また、加害者は「モペットなら無免許でも問題ないと思っていた」といった趣旨の説明をしていたと報じられています。
しかし、モペットは原動機付自転車であり、運転には免許が必要です。
モペットは見た目が自転車に似ていますが、交通ルールを守らなければ重大な人身事故につながる可能性があります。
この事例は、無免許運転や危険な運転が被害者の人生を大きく変えてしまうことを示す事例といえるでしょう。
無免許運転と無保険でモペットを運転し書類送検された事例
山形県で、モペットの運転に免許が必要だと知らずに運転し、無免許運転と無保険車両運行の疑いで書類送検された事例です。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例では交通事故は発生していません。しかし、モペットに関する誤った認識によって交通違反となったケースです。
モペットは見た目が自転車に似ているため、「電動アシスト自転車のようなもの」「免許は不要」と考えてしまう人もいます。
しかし、法律上は原動機付自転車に分類されるため、運転免許証の取得や自賠責保険への加入が必要です。
実際に、警察庁の統計でもモペットに関する違反では無免許運転の検挙件数が多くなっています。
信号無視を繰り返し歩行者と衝突した事例
東京都内で、モペットを運転していた男性が信号無視を繰り返した末に歩行者と衝突し、危険運転致傷容疑で逮捕された事例です。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例では、単なる信号無視だけでなく、逆走やヘルメット未着用、ナンバープレート未装着など複数の問題が確認されています。
また、モペットは見た目が自転車に似ていますが、法律上は原動機付自転車です。
そのため、自転車感覚で信号を無視したり、一方通行を逆走したりすると重大な事故につながるおそれがあります。
事故の被害は比較的軽傷でしたが、衝突する相手や速度によってはより大きな事故になっていた可能性もあります。
モペットで交通事故にあったときに請求できる補償
モペットによる交通事故でけがをした場合は、加害者に対して損害賠償を請求できます。
請求できる金額は事故の状況やけがの程度によって異なりますが、治療費や休業損害、慰謝料などが補償対象になります。
- 治療費
- 休業損害
- 慰謝料
- 後遺障害慰謝料や逸失利益
- その他の費用
治療費
治療費には、診察料や検査費用、入院費、手術費、薬代などが含まれます。
また、医師が必要と判断した場合は、通院のための交通費やコルセットなどの装具費用が認められることもあります。
交通事故によるけがの治療で必要かつ相当な範囲の費用であれば、原則として加害者側へ請求可能です。
ただし、事故との関係が認められない治療や、症状に対して必要性が低いと判断された治療については補償対象にならない場合があります。
適切な補償を受けるためにも、事故後は早めに病院を受診し、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
休業損害
休業損害とは、交通事故によるけがが原因で仕事を休み、減少した収入に対する補償です。
会社員だけでなく、自営業者やパート・アルバイトなども対象になります。
例えば、入院や通院のために仕事を休んだ場合や、けがの影響で以前と同じように働けなくなった場合などが該当します。
休業損害の金額は、事故前の収入や休業日数などをもとに計算されます。
関連記事:自営業で交通事故をしても休業損害はもらえる?請求する流れや計算方法を解説
慰謝料
慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的苦痛に対する補償です。
交通事故でけがをすると、通院や入院による身体的な負担だけでなく、日常生活にもさまざまな支障が生じます。
慰謝料は、このような精神的苦痛を金銭で補償するために支払われるものです。
慰謝料の金額は、けがの内容や治療期間、通院日数などをもとに算定されます。
モペットによる交通事故であっても、自動車やバイクの交通事故と同様に慰謝料を請求できます。
なお、加害者側との示談交渉では慰謝料額が争いになるケースも少なくありません。
後遺障害慰謝料や逸失利益
後遺障害慰謝料とは、交通事故によって後遺障害が残った場合に支払われる慰謝料です。
むちうちによる神経症状が残った場合や、手足の機能に障害が残った場合などが該当します。
ただし、後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
また、逸失利益とは、後遺障害によって将来得られるはずだった収入が減少したことに対する補償です。
後遺障害の影響で仕事内容が制限されたり、以前と同じように働けなくなったりした場合は、将来の収入減少分について逸失利益を請求できます。
後遺障害が残った場合は、治療費や慰謝料だけでなく、後遺障害慰謝料や逸失利益も含めて請求を検討しましょう。
その他の費用
交通事故では、治療費や慰謝料以外の費用が認められることもあります。
代表的なものとして、通院交通費や入院中の雑費、診断書作成費用などです。
また、事故によって眼鏡やスマートフォン、衣類などの持ち物が破損した場合は、その損害について請求できます。
自動車やモペット、自転車などが壊れた場合は、修理費や買い替えに必要な費用の一部が認められることがあります。
どのような費用が補償対象になるかは事故の状況によって異なるため、事故によって支出した費用は領収書などを保管しておくことが大切です。
モペットで交通事故を起こしたときに負う責任
モペットで交通事故を起こした場合は、被害者への補償だけでなく、自身もさまざまな責任を負う可能性があります。
モペットで交通事故を起こした場合に発生する主な責任について解説します。
- 刑事上の責任
- 行政上の責任
- 民事上の責任
刑事上の責任
刑事上の責任とは、交通事故を起こした運転者に対して科される刑罰のことです。
モペットで交通事故を起こし、相手を死傷させた場合は、過失運転致死傷罪などに問われる可能性があります。
また、無免許運転や信号無視、酒気帯び運転などの悪質な違反があった場合は、より重い罪に問われることもあるでしょう。
特に死亡事故や重傷事故では刑事責任が問題になりやすいため、モペットだから軽い処分で済むとは限りません。
交通ルールを守り、安全運転を心掛けることが大切です。
行政上の責任
行政上の責任とは、運転免許に対して科される処分のことです。
交通事故を起こした場合は、事故の内容や交通違反の有無に応じて違反点数が加算されます。
一定以上の点数になると、免許停止や免許取消しなどの処分を受ける可能性があります。
また、無免許運転や信号無視、酒気帯び運転などの違反がある場合は、事故を起こしていなくても行政処分の対象です。
モペットは原動機付自転車として扱われるため、一般的な原付バイクと同じ基準で行政処分が行われます。
交通事故の被害者への補償とは別に、運転免許に対する処分を受ける可能性があることも理解しておきましょう。
民事上の責任
民事上の責任とは、交通事故によって発生した損害を被害者へ賠償する責任です。
交通事故を起こした場合は、治療費や休業損害、慰謝料、後遺障害慰謝料などを支払わなければならない可能性があります。
また、自動車や自転車、スマートフォンなどの物が壊れた場合は、その修理費や買い替え費用なども賠償の対象です。
特に重い後遺障害が残った事故や死亡事故では、賠償額が数千万円から1億円を超えるケースもあります。
実際に紹介した事例でも、無免許運転のモペットが自転車と衝突し、被害者に重い後遺障害が残ったことで高額な損害賠償が問題となりました。
モペットだから賠償額が低くなるわけではありません。
交通事故を起こした場合は、自動車やバイクの事故と同様に高額な賠償責任を負う可能性があります。
モペットの交通事故に関するよくある質問
モペットの交通事故に関するよくある質問を紹介します。
モペットで死亡事故を起こした場合はどうなる?
モペットで死亡事故を起こした場合は、刑事上・行政上・民事上の責任を負う可能性があります。
また、被害者の遺族に対する損害賠償責任も発生します。
死亡事故では賠償額が高額になるケースが多く、場合によっては数千万円以上の支払いを求められることも少なくありません。
ただし、モペットによる交通事故の中で死亡事故まで発展するケースは多くありません。警察庁の資料でも、死亡事故の発生件数は限られています。
モペットの交通事故の過失割合はどのように決まる?
モペットの交通事故でも、基本的な過失割合の考え方は自動車やバイクの事故と変わりません。
過失割合とは、交通事故の発生について当事者それぞれにどの程度の責任があったのかを割合で示したものです。
過失割合を判断する際は、信号の有無や道路状況、双方の走行状況、交通違反の有無などが考慮されます。
また、当事者同士の話し合いだけで決まるものではなく、過去の裁判例や事故の状況などを参考にしながら保険会社が交渉を進めるのが一般的です。
モペットはなぜ取り締まりがされていないのか?
モペットは取り締まりがされていないわけではありません。
実際に警察庁の資料を見ると、モペットに関する検挙件数は年々増加しています。無免許運転や通行区分違反などで摘発されるケースも少なくありません。
それでも取り締まりがされていないと言われる理由は主に二つあります。
一つ目は、自転車との見分けが難しいことです。
モペットは電動アシスト自転車に似た見た目の車種も多く、警察官が一瞬見ただけでは判断しにくい場合があります。
二つ目は、警察の人員や時間には限りがあることです。
警察は交通違反だけでなく、事件や事故への対応も行っています。
そのため、目の前で危険な運転をしている場合は別ですが、モペットの取締りだけを常に行うことは現実的ではありません。
モペットの違反がバレたらどうなる?
モペットの違反が発覚した場合は、違反内容に応じて刑事処分や行政処分を受ける可能性があります。
例えば、無免許運転であれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
また、違反点数25点が付され、免許取消しや欠格期間の対象です。
このほかにも、自賠責保険未加入やナンバープレート未装着、信号無視、通行区分違反などについても、それぞれ処分が定められています。
まとめ
モペットは見た目が自転車に似ていますが、法律上は原動機付自転車として扱われる乗り物です。
そのため、運転免許証の取得やナンバープレートの装着、自賠責保険への加入などが必要です。
近年はモペットによる交通事故や交通違反が問題となっており、警察による取締りも強化されています。
交通事故が起きた場合は、救護や警察への報告、保険会社への連絡など適切な対応を取ることが重要です。
被害者になった場合は治療費や休業損害、慰謝料などを請求できます。
モペットを利用する際は、自転車ではなく原付バイクであることを意識し、交通ルールを守って安全に運転しましょう。
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