
バスは座席に座るだけでなく、立った状態で乗車することもあります。
走行中は予想以上に車内が揺れることもあり、急ブレーキやカーブなどによって転倒し、怪我をすることもあるでしょう。
バス乗車中に怪我をした場合は、一般的にバス会社へ損害賠償を請求可能です。
ただし、事故の原因によっては相手車両が責任を負ったり、乗客自身にも一定の過失が認められたりする場合があります。
本記事では、バス乗車中に怪我をした場合に誰が責任を負うのか、請求できる治療費や慰謝料などについて解説します。
怪我をしてから解決するまでの流れや実際の事例、弁護士へ相談するメリットも紹介しますので、参考にしてください。
・バスの乗車中に怪我をした場合の責任と請求先は、バス会社・運転手、事故を起こした相手車両、バス側と相手車両の双方(乗客自身にも過失が認められる場合もある)
・バスの乗車中の怪我で請求できる損害賠償は、治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益
・バス乗車中に怪我をしてから解決するまでの流れは、怪我に気づいたら運転手やバス会社へ申告する、バス会社と事故処理を進める、完治または症状固定まで治療する、損害額が確定したら示談交渉を始める
・バス乗車中の怪我を弁護士に相談するメリットは、適切な過失割合になるよう交渉してもらえる、弁護士基準で慰謝料を請求できる、手続きや示談交渉を任せて負担を軽減できる
バスの乗車中に怪我をした場合の責任と請求先
バス乗車中に怪我をした場合、誰に損害賠償を請求するのかは事故の原因によって異なります。
また、事故の状況によっては乗客自身にも過失が認められる場合があるでしょう。
誰が事故の責任を負い、どこへ損害賠償を請求するのかを状況別に解説します。
- バス会社・運転手に責任がある場合
- 事故を起こした相手車両に責任がある場合
- バス側と相手車両の双方に責任がある場合
- 乗客自身にも過失が認められる場合
バス会社・運転手に責任がある場合
バスの運転手には、乗客が安全に乗車できるよう配慮しながら運転することが求められます。
例えば、乗客がまだ着席していない状態で急発進したり、必要以上に急ブレーキをかけたりした結果、乗客が転倒すれば、バス会社や運転手に責任が認められます。
運転手の過失によって怪我をした場合、乗客は治療費や慰謝料などの損害賠償を請求可能です。
実際の賠償については、一般的にバス会社が加入している保険などを通じて対応が進められます。
事故を起こした相手車両に責任がある場合
バスとほかの車両との交通事故によって怪我をした場合は、事故を起こした相手車両の運転者などに損害賠償を請求できます。
例えば、信号待ちをしているバスに後続車が追突し、その衝撃で乗客が転倒して怪我をした場合です。
バス側に事故を回避する余地がなく、相手車両に全面的な過失があれば、基本的には相手側が事故による損害を賠償します。
乗客は事故を起こした相手側に対して、治療費や通院交通費、休業損害、慰謝料などを請求できます。
相手が任意保険に加入していれば、実際の示談交渉や賠償金の支払いは相手側の保険会社を通じて進めるのが一般的です。
バス側と相手車両の双方に責任がある場合
バスとほかの車両が衝突した事故では、どちらか一方だけではなく、双方に過失が認められる場合があります。
例えば、交差点でバスと乗用車が衝突し、バスの運転手にも相手車両の運転者にも前方不注意などがあった場合です。
このように複数の加害者によって損害が発生した場合、共同不法行為が成立すれば、乗客は各加害者に損害賠償を請求できます。
加害者同士に過失割合があるからといって、乗客がそれぞれの過失分を細かく分けて請求しなければならないとは限りません。
乗客自身にも過失が認められる場合
バス乗車中に怪我をしても、事故の状況によっては乗客自身にも過失が認められる場合があります。
バスは走行中に揺れたり、交通状況によってブレーキをかけたりする乗り物です。
そのため、立って乗車する場合は、つり革や手すりにつかまるなど、自分自身でも転倒を防ぐための行動が求められます。
走行中につり革や手すりにつかまらず車内を移動していたなど、乗客側の行動が怪我の発生や被害の拡大につながった場合は、一定の過失が認められるでしょう。
乗客にも過失があると判断されれば、過失相殺によって受け取れる損害賠償額が減額します。
バスの乗車中の怪我で請求できる損害賠償
バス乗車中の事故で怪我をした場合は、事故によって生じた損害について賠償を請求できます。
バス乗車中の怪我で請求できる主な損害賠償について紹介します。
- 治療費
- 通院交通費
- 休業損害
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 後遺障害逸失利益
治療費
バス乗車中の事故で怪我をした場合は、治療にかかった費用を損害として請求できます。
例えば、診察料や検査費用、手術費、入院費、薬代など、事故による怪我の治療に必要となった費用が対象です。
骨折などで装具が必要になった場合は、その費用が認められることもあります。
ただし、治療にかかった費用ならすべて認められるわけではありません。
事故による怪我の治療として必要性や相当性が認められる範囲が基本です。
医師の指示なく長期間通院した場合や、事故との関係が認められない治療については、請求が認められません。
通院交通費
電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合は、基本的に実際にかかった運賃が対象です。
自家用車で通院した場合も、ガソリン代や必要に応じて駐車場代、高速道路料金などが認められることがあります。
また、怪我の程度によって公共交通機関での移動が難しい場合は、タクシー代も請求できるでしょう。
ただし、タクシーを利用した費用が必ず全額認められるわけではなく、怪我の状態や交通事情などから利用する必要性があったかが判断されます。
通院交通費も積み重なると大きな金額になるため、利用した日付や区間、金額などを記録しておきましょう。
タクシーや駐車場を利用した場合は、領収書も保管しておくと安心です。
休業損害
休業損害とは、交通事故がなければ本来得られていたはずの収入を補償するものです。
会社員であれば、事故による欠勤や早退、有給休暇の使用などが対象になる場合があります。
自営業者やフリーランスでも、事故によって仕事ができず収入が減少したことを証明できれば請求可能です。
また、実際の収入がない専業主婦・主夫でも、怪我によって家事ができなかった期間について休業損害が認められることがあります。
ただし、事故後に仕事を休んだ日すべてが対象になるとは限りません。
怪我の程度や仕事内容などから、休業する必要があったと認められる範囲について請求するのが基本です。
入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、事故による怪我や治療によって受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償です。
傷害慰謝料と呼ばれることもあります。
金額は、怪我の程度や入院・通院した期間などをもとに算定するのが一般的です。
また、慰謝料の算定には自賠責基準や任意保険基準、弁護士基準があり、どの基準を使用するかによって金額が変わります。
入通院慰謝料は治療費とは別に請求できるため、バス会社や相手側の保険会社から提示された示談金に含まれているか確認しましょう。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、事故によって後遺障害が残った精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
原則として、後遺障害等級認定を受けた場合に請求します。
後遺障害は症状の程度に応じて1級から14級まであり、認定された等級によって慰謝料の金額が変わります。
例えば、骨折後に関節の動かせる範囲が狭くなった場合や、神経症状が残った場合などです。
治療を続けても症状が残った場合は、そのまま示談を進めるのではなく、医師と相談したうえで後遺障害等級認定の申請を検討しましょう。
後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下し、将来得られるはずだった収入が減少することに対する損害賠償です。
金額は、事故前の収入や後遺障害等級に応じた労働能力喪失率、将来働けると考えられる期間などをもとに算定します。
そのため、同じ後遺障害等級でも、年齢や収入、仕事内容などによって認められる金額は異なります。
後遺障害逸失利益は将来の収入に関わるため、事故による損害のなかでも高額になるでしょう。
適切な金額を算定したうえで請求することが重要です。
バス乗車中に怪我をした事例
実際の裁判でも、急ブレーキによって乗客が転倒して高額な損害賠償が認められた事例がある一方、乗客側にも一定の過失が認められた事例があります。
バス乗車中に怪我をした3つの事例を紹介します。
- 急ブレーキで転倒した乗客に約7,440万円の賠償が認められた事例
- バスの揺れで乗客が車外へ転落して怪我をした事例
- バスの急停車で転倒した乗客に3割の過失が認められた事例
急ブレーキで転倒した乗客に約7,440万円の賠償が認められた事例
名古屋市営バスの車内で乗客が転倒し、重い後遺障害が残った事例です。
裁判では、運転手の急ブレーキだけでなく、乗客が手すりなどにつかまっていなかったことについても過失が争われました。
【事故の内容】
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【事故の結果】
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この事例では乗客側にも過失が認められましたが、運転手側と比較すると軽微であると判断されています。
バスの揺れで乗客が車外へ転落して怪我をした事例
大阪地裁で、バスへ乗車しようとしていた77歳の女性が、車両の大きな揺れによって車外へ転落した事故について争われた事例です。
乗客が手すりにつかまっていなかった点が、過失相殺の対象になるかも争点となりました。
【事故の内容】
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【事故の結果】
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裁判所は、手すりにつかまっていれば転落を防げた可能性があるとしながらも、事故の主な原因は運転手の操作ミスにあると判断しました。
また、女性は整理券を取るために片手を使っていた事情も考慮されています。
手すりにつかまっていなかったという事実だけで、必ず乗客側に過失が認められるわけではないことが分かる事例です。
バスの急停車で転倒した乗客に3割の過失が認められた事例
大阪地裁で、走行中の市営バスが急停車し、立っていた乗客が転倒して怪我をした事故について争われた事例です。
裁判では、乗客が車内で自分の安全を確保していたかどうかも問題となりました。
【事故の内容】
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【事故の結果】
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裁判所は、立ってバスに乗車する場合、急停車などに備えて車内の安全設備を利用し、自分の身を守る必要があると判断しました。
他の乗客の状況や本人の体力なども踏まえ、手すりをしっかり持っていれば転倒を防げた可能性があるとして、3割の過失が認められています。
バス側に事故の原因があっても、乗客の行動によっては過失相殺される場合があることが分かる事例です。
バス乗車中に怪我をしてから解決するまでの流れ
バス乗車中に怪我をした場合は、適切な手順で対応を進めることが大切です。
バス乗車中に怪我をしてから損害賠償金を受け取るまでの流れを順番に解説します。
- 怪我に気づいたら運転手やバス会社へ申告する
- できるだけ早く病院を受診する
- バス会社と事故処理を進める
- 完治または症状固定まで治療する
- 後遺症が残ったら後遺障害等級認定を申請する
- 損害額が確定したら示談交渉を始める
- 示談成立後に損害賠償金を受け取る
怪我に気づいたら運転手やバス会社へ申告する
バス乗車中に怪我をしたら、まずは運転手へ申告しましょう。
その場で伝えられなかった場合は、降車後できるだけ早くバス会社へ連絡してください。
申告する際は、乗車していた路線や日時、乗降した停留所、怪我をした状況などを伝えます。
交通系ICカードの利用履歴や乗車券が残っている場合は、乗車していた事実を確認するためにも保管しておきましょう。
バスの車内事故では、ほかの車との衝突がなくても乗客が怪我をすることがあります。
その場で何も伝えずに降車すると、あとから怪我を申告した際に、本当にそのバスで怪我をしたのか確認に時間がかかる可能性があります。
できるだけ早く病院を受診する
バス乗車中に怪我をしたら、できるだけ早く病院を受診しましょう。
事故直後は痛みが軽くても、時間が経ってから首や腰などに症状が現れる場合があります。
受診までの期間が空くと、バス乗車中の事故と怪我との因果関係を疑われる可能性があります。
事故による怪我だと認められなければ、治療費や慰謝料などを請求する際に不利になりかねません。
病院では、バスの急ブレーキで転倒したなど、どのような状況で怪我をしたのか医師へ正確に伝えてください。
また、痛みや違和感がある箇所は軽い症状でもすべて伝えておくことが大切です。
なお、整骨院や接骨院だけではなく、まずは整形外科などの医療機関を受診しましょう。
関連記事:交通事故で整骨院に通院してもいい?メリットやリスク、通院の流れを解説
バス会社と事故処理を進める
バス会社が事故を確認すると、車内のドライブレコーダーや運行記録、運転手への聞き取りなどから事故状況を調査するのが一般的です。
バス会社が任意保険に加入している場合は、その後の対応を保険会社が担当することになります。
また、ほかの車との衝突による事故では、相手車両の保険会社が対応する場合もあります。
バス側と相手車両の双方に過失があれば、複数の保険会社が関係することになるでしょう。
誰が事故対応の窓口になるのかを確認し、治療費の支払いや今後必要になる手続きについて案内を受けながら進めてください。
完治または症状固定まで治療する
事故処理を進めながら、怪我が完治するまで必要な治療を続けましょう。
治療を続けても症状の改善が見込めなくなった場合は、医師から症状固定と判断されることがあります。
症状固定とは、治療を続けても症状の大幅な改善が期待できない状態です。
症状固定後に痛みやしびれ、関節の動かしにくさなどが残っていれば、後遺障害等級認定の申請を検討します。
また、保険会社から治療費の支払いを打ち切ると連絡されても、必ず治療を終了しなければならないわけではありません。
治療を続ける必要があるかは、医師と相談して判断しましょう。
関連記事:治療費の打ち切りに納得いかないときの対処法|リスクやNG行動を紹介
後遺症が残ったら後遺障害等級認定を申請する
申請方法には、主に事前認定と被害者請求の2種類があります。
事前認定は加害者側の任意保険会社に必要書類の準備や申請を任せる方法です。
一方、被害者請求では、被害者自身が必要な資料をそろえて相手の自賠責保険会社へ申請します。
申請後は、後遺障害診断書や画像検査の結果、診療報酬明細書などの資料をもとに審査が行われます。
症状の内容や程度だけでなく、事故との因果関係や医学的な裏付けがあるかなども重要な判断材料です。
審査結果が出ると、該当する後遺障害等級または非該当の結果が通知されます。
認定結果に納得できない場合は、追加資料などをそろえて異議申立てを検討します。
損害額が確定したら示談交渉を始める
示談交渉では、治療費や通院交通費、休業損害、慰謝料などを合計し、事故によって生じた損害について話し合います。
後遺障害等級が認定されていれば、後遺障害慰謝料や逸失利益も含めて請求する流れです。
一般的には、バス会社や保険会社から損害賠償額を提示され、その金額や過失割合が妥当か確認しながら交渉を進めます。
一度示談が成立すると、あとから追加の損害が判明しても原則として追加請求は難しくなります。
そのため、提示された金額ですぐに合意せず、すべての損害が含まれているか確認してから示談することが大切です。
関連記事:交通事故の示談の進め方は?流れや注意点、知っておくべきポイントを解説
示談成立後に損害賠償金を受け取る
バス会社や保険会社との交渉で損害賠償額や過失割合について合意できたら、示談成立となります。
示談内容を確認したうえで、示談書や免責証書などの必要書類に署名・押印して返送するのが一般的です。
その後、保険会社などで手続きが行われ、指定した銀行口座へ損害賠償金が振り込まれます。
損害賠償金を受け取るまでにかかる期間は、保険会社や事故の状況などによって異なります。
示談成立時に、振込予定日について確認しておくとよいでしょう。
バス乗車中の怪我を弁護士に相談するメリット
バス乗車中の怪我では、バス会社や相手車両との過失割合が争われたり、提示された損害賠償額に納得できなかったりすることがあります。
このような場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談するのも一つの方法です。
弁護士へ依頼すれば、事故状況や怪我の程度を踏まえ、損害賠償請求に必要な対応を任せられます。
バス乗車中の怪我について弁護士へ相談する主なメリットを紹介します。
- 適切な過失割合になるよう交渉してもらえる
- 弁護士基準で慰謝料を請求できる
- 後遺障害等級認定のサポートを受けられる
- 手続きや示談交渉を任せて負担を軽減できる
- 弁護士費用特約を利用すれば費用の負担を抑えられる
適切な過失割合になるよう交渉してもらえる
バス乗車中の怪我では、事故の状況によって乗客自身にも過失が認められる場合があります。
過失割合が高くなるほど受け取れる損害賠償額が減るため、適切な割合になっているか確認することが重要です。
例えば、手すりやつり革につかまっていなかったことを理由に、バス会社側から乗客にも過失があると主張されることもあるでしょう。
しかし、手すりにつかまっていなかったという事実だけで、必ず過失が認められるわけではありません。
弁護士へ依頼すれば、ドライブレコーダーの映像や車内の状況、過去の裁判例などを確認し、提示された過失割合が妥当なのか判断してもらえます。
弁護士基準で慰謝料を請求できる
交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの算定基準があります。
このうち、弁護士基準は過去の裁判例をもとにした基準で、一般的に自賠責基準や任意保険基準より高額です。
バス会社や保険会社から提示される慰謝料は、弁護士基準より低い場合があります。
しかし、交通事故に詳しくなければ、提示された金額が適切なのか自分で判断するのは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、入通院期間や怪我の程度などから弁護士基準で慰謝料を算定し、適切な金額になるよう交渉してもらえます。
結果として、自分で示談交渉する場合より受け取れる慰謝料が増額する可能性があります。
後遺障害等級認定のサポートを受けられる
後遺障害等級認定では、症状が残っているだけで希望する等級が認められるわけではありません。
後遺障害診断書の内容や画像検査などの医学的資料から、症状の程度や事故との因果関係などが審査されます。
弁護士へ依頼すれば、認定を受けるためにどのような資料が必要なのか確認してもらえるほか、後遺障害診断書に症状が適切に反映されているかなども確認してもらえます。
不足している資料があれば、追加で準備すべきものについてアドバイスを受けることも可能です。
手続きや示談交渉を任せて負担を軽減できる
バス乗車中に怪我をすると、治療を続けながらバス会社や保険会社とのやり取り、必要書類の準備などを進めなければなりません。
特に怪我が重い場合は、通院や仕事、日常生活だけでも負担が大きくなります。
そのような状況で、損害額を計算したり、過失割合について交渉したりするのは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、バス会社や保険会社との連絡、損害賠償額の計算、示談交渉などを任せられます。
相手から連絡が来るたびに自分で対応する必要がなくなるため、精神的な負担も軽減できるでしょう。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
弁護士費用特約を利用すれば費用の負担を抑えられる
弁護士費用特約とは、交通事故について弁護士へ相談・依頼する際の費用を保険会社が一定額まで負担する特約です。
一般的には、法律相談費用は10万円程度、弁護士費用は300万円程度まで補償されます。
バスに乗っていたときの事故でも、自分が運転していなかったから利用できないとは限りません。
契約内容によっては、歩行中やバスなどの公共交通機関を利用しているときに遭った交通事故も補償対象になります。
また、自分の保険だけでなく、家族の自動車保険に付帯する弁護士費用特約を利用できる場合もあります。
バス乗車中の怪我で弁護士への依頼を検討している場合は、まず利用できる特約がないか確認してみましょう。
関連記事:弁護士費用特約の使い方・利用の流れ|使うべきケースと弁護士の選び方を紹介
バス乗車中の怪我に関するよくある質問
バス乗車中の怪我に関するよくある質問を紹介します。
- バスの急ブレーキ・急発進で怪我をしたら損害賠償を請求できる?
- バスの転倒事故ではどのように対応すればいい?
- バスの車内事故では誰が責任を負う?
- バスで転んだ場合でも治療費や慰謝料を請求できる?
バスの急ブレーキ・急発進で怪我をしたら損害賠償を請求できる?
運転手には、乗客の安全に配慮してバスを運転する義務があります。
必要以上に急ブレーキをかけたり、乗客が安全な状態になる前に急発進したりした結果、乗客が怪我をすれば、運転手側の過失が認められる可能性があります。
運転手側に過失が認められれば、事故によって発生した治療費や通院交通費、休業損害、慰謝料などを請求可能です。
後遺障害が残った場合は、後遺障害慰謝料や逸失利益も請求の対象です。
ただし、事故を避けるためにやむを得ず急ブレーキをかけた場合など、運転手に過失がなければ損害賠償を請求できない可能性があります。
バスの転倒事故ではどのように対応すればいい?
バスの車内で転倒して怪我をした場合は、その場で運転手へ怪我をしたことを伝えましょう。
その場では痛みが軽くても、あとから症状が強くなることがあります。
運転手へ申告したあとは、できるだけ早く病院を受診してください。
受診時には、バスの急ブレーキや揺れなどによって転倒したことを医師へ伝えておくことも大切です。
また、乗車していたバスを特定できるよう、路線名や乗車日時、停留所なども記録しておきましょう。
交通系ICカードの利用履歴なども乗車していた事実を確認する材料になります。
バスの車内事故では誰が責任を負う?
バスの車内事故では、事故が発生した原因によって責任を負う人が異なります。
運転手の急ブレーキや急発進、ハンドル操作などが原因で乗客が怪我をした場合は、運転手やバス会社に責任が認められる可能性があります。
一方、ほかの車がバスに衝突したことで乗客が怪我をした場合は、相手車両の運転者などが責任を負うこともあります。
また、バス側と相手車両の双方に過失があれば、両者に責任が認められる可能性もあるでしょう。
バスで転んだ場合でも治療費や慰謝料を請求できる?
バスの車内で転んで怪我をした場合でも、運転手などに過失が認められれば、治療費や慰謝料を請求できます。
請求できるのは、病院での診察や検査、治療などにかかった費用だけではありません。
怪我によって入院や通院をした場合は、治療期間などに応じて入通院慰謝料も請求の対象になります。
また、仕事を休んで収入が減った場合は休業損害、治療後も後遺障害が残った場合は後遺障害慰謝料や逸失利益などを請求できる可能性があります。
まとめ
バス乗車中に怪我をした場合は、事故の原因によってバス会社や運転手、相手車両の運転者などへ損害賠償を請求できます。
急ブレーキや急発進による転倒など、ほかの車と衝突していない車内事故でも請求できる可能性があります。
一方、手すりやつり革につかまっていなかったなど、乗客側の行動が怪我の発生に影響していれば、過失相殺によって受け取れる損害賠償額が減る場合もあるでしょう。
バス会社や保険会社から提示された過失割合や損害賠償額に納得できない場合は、交通事故に詳しい弁護士への相談を検討しましょう。
大切な人を守りたい。交通事故慰謝料に強い弁護士を探す
事故後の対応、示談交渉や慰謝料など賠償金の算定など、役に立つ情報満載。交通事故に強い優秀な弁護士を数多く紹介しています。