過失相殺とは、交通事故の被害者側にも過失がある場合に、その割合に応じて損害賠償額を減額する仕組みです。
自分にも過失がある場合は、損害賠償額の全額を受け取れるわけではないため、注意が必要です。
また、どのくらい減額されるかは過失割合によって決まるため、保険会社との示談交渉で適切な過失割合を主張することが重要になります。
本記事では、交通事故における過失相殺の仕組みや計算方法、具体例、注意点などをわかりやすく解説します。
過失割合に納得できない場合の対処法や弁護士に相談するメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
・過失相殺とは、交通事故の被害者側にも過失がある場合に、その過失を考慮して損害賠償額を減額する仕組み
・交通事故における過失相殺の計算方法は、「損害額 ×(100%-被害者側の過失割合)=過失相殺後の請求額」
・交通事故で過失相殺が決まるまでの流れは、事故状況や証拠を確認する、基本過失割合を確認して修正要素を反映する、当事者間で過失割合を話し合い損害賠償額を決める
・交通事故の過失割合に納得できない場合の対処法は、保険会社が提示した過失割合を安易に受け入れない、ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する、弁護士に相談する
交通事故の過失相殺とは?
過失相殺とは、交通事故の被害者側にも過失がある場合に、その過失を考慮して損害賠償額を減額する仕組みです。
民法第722条第2項に定められており、事故の責任が双方にある場合に、一方だけが損害のすべてを負担するのではなく、公平に分担することを目的としています。
そのため、交通事故の被害者であっても、自分に過失が認められれば、損害の一部を自己負担しなければなりません。
- 過失相殺と過失割合の違い
- 過失相殺と損益相殺の違い
過失相殺と過失割合の違い
過失相殺と過失割合の違いは、過失相殺が損害賠償額を減額する仕組みであるのに対し、過失割合は事故当事者それぞれの責任の割合を示すものであることです。
過失割合は「80対20」「70対30」などの数値で表され、事故の発生について双方にどの程度の責任があるのかを示します。
一般的には「別冊判例タイムズ38号」などに掲載されている基本過失割合を参考に、事故当時の状況や交通違反の有無などを踏まえて判断する仕組みです。
過失割合は、基本的に当事者双方の話し合いによって決まりますが、合意できない場合は裁判で判断されることもあります。
つまり、過失割合によって事故の責任の程度を明らかにし、その割合を損害賠償額に反映させるのが過失相殺という関係です。
関連記事:信号無視による交通事故の過失割合|違反点数や罰則をわかりやすく解説
過失相殺と損益相殺の違い
損益相殺とは、交通事故によって被害者が保険給付などを受けた場合に、その金額を損害賠償額から差し引く仕組みです。
同じ損害について二重に補償を受けるのを防ぎ、公平な損害賠償を実現する目的があります。
例えば、通勤中の交通事故によって仕事を休み、100万円の休業損害が発生したとします。
このとき、労災保険から休業補償給付として30万円を受け取っていた場合、損益相殺によって加害者に請求できる休業損害は70万円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事故による休業損害 | 100万円 |
| 労災保険から受け取った休業補償給付 | 30万円 |
| 損益相殺後の請求額 | 70万円 |
ただし、すべての保険金や給付が損益相殺の対象になるわけではなく、生命保険金や労災保険の特別支給金などは原則として差し引かれません。
つまり、過失相殺は被害者側の過失に応じて賠償額を減額する仕組みであるのに対し、損益相殺はすでに受け取った補償との重複を調整する仕組みという違いがあります。
交通事故における過失相殺の計算方法
交通事故で被害者側にも過失がある場合は、損害額に過失割合を反映して、加害者側へ請求できる金額を計算します。
基本的な計算式は以下のとおりです。
| 損害額 ×(100%-被害者側の過失割合)=過失相殺後の請求額 |
たとえば、治療費や休業損害、慰謝料などを合わせた損害額が500万円で、過失割合が「加害者80%:被害者20%」だったとします。
この場合、被害者側の過失20%にあたる100万円が損害額から差し引かれるため、加害者側へ請求できる金額は400万円です。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| 交通事故による損害額 | 500万円 |
| 被害者側の過失割合 | 20% |
| 過失相殺によって減額される金額 | 100万円 |
| 過失相殺後の請求額 | 400万円 |
同じ損害額500万円でも、被害者側の過失が10%なら請求額は450万円、30%なら350万円になります。
このように、損害額が大きい事故ほど、数%の過失割合の違いでも最終的な賠償額に大きな差が生じます。
なお、過失相殺は慰謝料だけに適用されるものではありません。
原則として、治療費や休業損害、逸失利益などを含めた損害額を算定したうえで、被害者側の過失割合を反映します。
そのため、保険会社から過失割合を提示されたときは、数値を安易に受け入れず、事故状況に照らして妥当か確認することが重要です。
このような場合も過失相殺は適用される?
過失相殺は、一般的な車同士の交通事故だけに適用されるわけではありません。
子どもが被害者になった事故や、車の同乗者がけがをした事故、車両同士が接触していない事故などでも、事故の状況によって過失相殺が適用されます。
通常とは少し異なる交通事故で過失相殺がどのように扱われるのかを解説します。
- 子どもが交通事故の被害に遭った場合
- 車の同乗者がケガをした場合
- 車両同士が接触していない場合
- ペットが交通事故に遭った場合
子どもが交通事故の被害に遭った場合
子どもが交通事故の被害に遭った場合でも、状況によっては過失相殺が適用されます。
ただし、子ども本人の行動を過失として考慮するには、事故当時に事理を弁識する能力があったかどうかが重要です。
最高裁は、未成年者について過失相殺を行うには、自分の行動の意味や危険性を理解できる程度の知能があれば足りるとしています。
そのため、道路への飛び出しなどがあっても、年齢が低く事理弁識能力がないと判断されれば、子ども本人の行動をそのまま過失として扱うことはできません。
一方、幼い子どもを監督していた親に不注意があった場合は、親の過失が「被害者側の過失」として考慮され、損害賠償額が減額されることがあります。
つまり、子どもの事故では年齢だけで一律に過失割合を決めるのではなく、子どもの判断能力や事故状況、保護者の監督状況などを踏まえて判断する必要があります。
関連記事:未成年が交通事故を起こしたら誰に損害賠償を請求する?親の責任や支払えない場合の対処法
車の同乗者がケガをした場合
事故の発生について同乗者自身に落ち度がなければ、原則として運転者などに対して損害賠償を請求できます。
一方、運転者が飲酒していることを知りながら同乗した場合や、危険な運転を容認していた場合などは、同乗者にも事故発生について落ち度があるとして、過失相殺されます。
また、シートベルトを着用していなかったことでケガが重くなったと認められれば、損害の拡大について過失があったとして賠償額が減額される可能性もあるでしょう。
つまり、同乗者の過失相殺では、単に車に乗っていたかどうかではなく、危険な運転を認識・容認していたか、ケガの拡大につながる行動がなかったかなどを踏まえて判断されます。
車両同士が接触していない場合
車両同士が接触していない交通事故でも、双方に過失があれば過失相殺が適用されます。
このような事故は「非接触事故」と呼ばれ、相手の急な進路変更や飛び出しを避けようとして転倒したり、ガードレールなどに衝突したりする事故が代表的です。
接触していなくても、相手の運転行為が事故の原因になっていれば、損害賠償責任が認められる可能性があります。
一方、被害者側にも速度超過や前方不注意などがあった場合は、その程度に応じて過失相殺されます。
非接触事故では、相手が接触していないから事故とは関係ないと主張することもあるため、ドライブレコーダーの映像や防犯カメラ、目撃者の証言などから、相手の運転と事故との因果関係を明らかにすることが重要です。
関連記事:非接触事故で過失割合を有利に進める方法|争点のポイントや事例を紹介
ペットが交通事故に遭った場合
法律上、ペットは物として扱われるため、交通事故でけがをした場合は、治療費などを物損として請求するのが基本です。
ただし、ノーリードで散歩させていた、道路へ飛び出さないよう十分に管理していなかったなど、飼い主側にも事故発生の原因となる事情があれば、その分だけ賠償額が減額される可能性があります。
一方、リードを適切に使用していたにもかかわらず、車が歩道へ進入してきたなど、飼い主側に落ち度がなければ過失相殺されないでしょう。
そのため、ペットの交通事故では、運転者の過失だけでなく、飼い主がどのように管理していたのかも重要な判断材料になります。
関連記事:交通事故でペットが怪我・死亡した場合の補償|事例や納得できない場合の対処法を解説
交通事故で過失相殺が決まるまでの流れ
過失相殺が決まるまでの流れを見ていきましょう。
- 事故状況や証拠を確認する
- 基本過失割合を確認して修正要素を反映する
- 当事者間で過失割合を話し合う
- 過失相殺を反映した損害賠償額を決める
事故状況や証拠を確認する
まず、事故がどのように発生したのかを確認し、過失割合を判断するための証拠を集めます。
確認するのは、双方の進行方向や速度、信号の状況、衝突した位置、道路の幅、見通しなどです。
ドライブレコーダーの映像や防犯カメラ、事故現場の写真、警察が作成した実況見分調書なども重要な判断材料になります。
当事者同士の主張が食い違っている場合でも、客観的な証拠があれば、事故状況をより正確に整理できます。
反対に、証拠が十分に残っていないと、どちらの主張が正しいのか判断しにくくなり、過失割合の交渉が長引くこともあるでしょう。
そのため、事故直後からできるだけ多くの資料を残しておくことが重要です。
関連記事:実況見分を有利に進める方法とは?ポイントや立ち会えない場合、基本的な流れを紹介
基本過失割合を確認して修正要素を反映する
事故状況を整理したら、事故類型に応じた基本過失割合を確認します。
基本過失割合は、「別冊判例タイムズ38号」などに掲載されている過去の裁判例をもとにした基準が参考にされます。
たとえば、信号機のない同幅員の交差点で、左右から直進してきた車同士が出会い頭に衝突した場合、基本過失割合は左方車40:右方車60とされるのが一般的です。
ただし、実際の事故状況が基本過失割合どおりとは限りません。
一方の車が減速していなかった、速度超過があった、合図を出していなかったなどの事情があれば、修正要素として基本過失割合を調整します。
そのため、過失割合を判断するときは、事故類型だけでなく、事故当時の具体的な運転状況まで確認することが重要です。
当事者間で過失割合を話し合う
基本過失割合と修正要素を整理したら、当事者間で最終的な過失割合を話し合います。
実際には、双方が任意保険に加入している場合、保険会社同士で交渉することが一般的です。
その際は、ドライブレコーダーの映像や事故現場の写真、実況見分調書などをもとに、どの基本過失割合を使うのか、どの修正要素を反映するのかを確認します。
相手側の保険会社から提示された割合に納得できない場合は、その場で同意する必要はありません。
どの事故類型を基準にしているのか、どの事情を修正要素として評価したのかを確認し、根拠が弱い場合は再交渉しましょう。
話し合いで合意できなければ、ADRや裁判などで過失割合を決めることになります。
関連記事:交通事故の示談の進め方は?流れや注意点、知っておくべきポイントを解説
過失相殺を反映した損害賠償額を決める
過失割合について当事者双方が合意したら、その割合を最終的な損害賠償額に反映します。
まず、治療費や休業損害、慰謝料、逸失利益など、交通事故によって発生した損害額を確定します。
その後、合意した過失割合に応じて被害者側の負担分を差し引き、加害者側が支払う金額を決める流れです。
双方が金額にも納得すれば示談書や免責証書などを作成し、示談成立後に保険会社から賠償金が支払われます。
一方、過失割合について合意できていても、慰謝料や休業損害などの金額で争いが残っていれば、示談は成立しません。
つまり、過失相殺は過失割合が決まった時点で完了するのではなく、その割合を実際の損害額に反映し、最終的な賠償額について双方が合意してはじめて示談成立につながります。
交通事故の過失割合に納得できない場合の対処法
保険会社から提示された過失割合に納得できない場合は、そのまま受け入れる必要はありません。
過失割合は最終的な損害賠償額に直接影響するため、数%の違いでも受け取れる金額が大きく変わることがあります。
過失割合に納得できない場合の対処法を解説します。
- 保険会社が提示した過失割合を安易に受け入れない
- 証拠を集めて過失割合の変更を交渉する
- ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する
- 弁護士に相談する
保険会社が提示した過失割合を安易に受け入れない
相手側の保険会社から過失割合を提示されても、納得できない場合はその場で同意する必要はありません。
保険会社が示す割合は、事故状況や過去の裁判例などをもとに算定したものですが、必ずしも最終的に正しい割合とは限りません。
事故当時の状況が十分に反映されていなかったり、自分に有利な修正要素が考慮されていなかったりすることもあります。
一度示談が成立すると、あとから過失割合を変更して追加の賠償金を請求するのは難しくなります。
そのため、提示された割合に疑問がある場合は、どの事故類型を基準にしているのか、どのような修正要素を反映しているのかを確認しましょう。
根拠が不明確なまま同意せず、事故状況や証拠と照らし合わせて妥当か判断することが重要です。
関連記事:交通事故の過失割合に納得いかないときは?対処法や決め方をわかりやすく紹介
証拠を集めて過失割合の変更を交渉する
提示された過失割合に納得できない場合は、自分の主張を裏付ける証拠を集めたうえで変更を求めましょう。
特に有力なのは、ドライブレコーダーの映像や防犯カメラ、事故現場の写真、実況見分調書などです。
こうした客観的な資料があれば、相手の速度や進行方向、信号の状況などを確認でき、保険会社が前提としている事故状況そのものを見直せることがあります。
また、相手に速度超過や合図なしなどの修正要素があったことを証明できれば、基本過失割合から自分に有利な方向へ修正できる可能性もあります。
単に自分は悪くないと主張するだけでは、保険会社が過失割合を変更するとは限りません。
事故状況を客観的に示す証拠と、どの修正要素を反映すべきなのかという根拠をそろえて交渉することが重要です。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する
保険会社との交渉で過失割合について合意できない場合は、ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法があります。
ADRとは、裁判を起こさずに、中立的な第三者を交えて交通事故のトラブル解決を目指す手続きです。
交通事故では、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどを利用でき、過失割合や損害賠償額について相談や和解のあっ旋を受けられます。
裁判と比べて手続きが簡易で、費用を抑えやすいこともメリットです。
一方、ADRで必ず解決できるわけではなく、相手との合意に至らなければ裁判を検討する必要があります。
保険会社との話し合いが進まないものの、いきなり裁判を起こすことには抵抗がある場合は、ADRの利用を検討するとよいでしょう。
弁護士に相談する
保険会社との交渉だけでは過失割合を変更できない場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談しましょう。
保険会社も事故状況や過去の裁判例などをもとに過失割合を判断しますが、対応できる範囲は保険契約や示談交渉サービスの範囲内です。
一方、弁護士は依頼者の立場から事故状況を確認し、ドライブレコーダーの映像や実況見分調書などの証拠、過去の裁判例をもとに、より有利な過失割合を主張できないか検討します。
相手側の保険会社との交渉を直接任せられるほか、話し合いで解決できなければADRや裁判まで対応してもらえることも大きな違いです。
また、こちらに過失がない10対0の事故では、自分の保険会社に示談交渉を任せられないため、過失割合を争われている場合は弁護士へ相談するメリットが特に大きいでしょう。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
交通事故の過失相殺で注意すべきポイント
交通事故の過失相殺で特に注意しておきたいポイントを解説します。
- 慰謝料や治療費も過失相殺の対象になる
- 自賠責保険では通常の過失相殺とは異なる扱いになる
- 自分の保険で過失相殺による減額分を補える場合がある
慰謝料や治療費も過失相殺の対象になる
過失相殺は、慰謝料だけでなく、治療費や休業損害、逸失利益などにも適用されます。
そのため、自分にも過失がある場合は、交通事故によって発生した損害の合計額から、自分の過失割合に応じた金額が差し引かれます。
たとえば、治療費が100万円、慰謝料が80万円、休業損害が20万円で、損害額の合計が200万円だったとします。
被害者側の過失が20%であれば、原則として40万円が過失相殺され、請求できる金額は160万円です。
特に注意したいのは、治療費についても減額の対象になることです。
病院へ支払った治療費をすべてそのまま加害者側に請求できるとは限らないため、自分に過失がある事故では、最終的な自己負担が発生することもあります。
自賠責保険では通常の過失相殺とは異なる扱いになる
自賠責保険では、一般的な損害賠償のように被害者の過失割合をそのまま反映して減額するわけではありません。
被害者保護を重視しているため、被害者側の過失が7割未満であれば、原則として過失による減額は行われない仕組みです。
一方、被害者側に7割以上の重大な過失が認められる場合は「重過失減額」が適用されます。
減額割合は以下のとおりです。
| 被害者側の過失割合 | 傷害 | 後遺障害・死亡 |
|---|---|---|
| 7割未満 | 減額なし | 減額なし |
| 7割以上8割未満 | 20%減額 | 20%減額 |
| 8割以上9割未満 | 20%減額 | 30%減額 |
| 9割以上10割未満 | 20%減額 | 50%減額 |
このように、自賠責保険は被害者の最低限の補償を確保する目的があるため、通常の過失相殺よりも被害者に有利な扱いになっています。
関連記事:自賠責保険の重過失減額とは?減額割合や対処法、回避できた事例を解説
自分の保険で過失相殺による減額分を補える場合がある
過失相殺によって加害者側から受け取れる損害賠償額が減った場合でも、自分が加入している保険から補償を受けられることがあります。
代表的なのが人身傷害保険です。
人身傷害保険では、契約内容に応じて、自分の過失割合にかかわらず治療費や休業損害、慰謝料などの人身損害が補償されます。
たとえば、自分に30%の過失があり、加害者側からは損害の70%しか受け取れない場合でも、人身傷害保険を利用することで、自分の過失分について補償を受けられることがあります。
また、自分の車の修理費について過失相殺される場合は、車両保険を利用できることもあるでしょう。
ただし、補償される範囲や上限額、免責金額などは契約内容によって異なります。
過失相殺による自己負担が発生しそうな場合は、加入している自動車保険の補償内容を確認し、利用できる保険がないか保険会社へ問い合わせてみましょう。
交通事故の過失相殺について弁護士に相談するメリット
交通事故の過失相殺について弁護士に相談するメリットを解説します。
- 適切な過失割合になるよう交渉してもらえる
- 弁護士基準による損害賠償額の増額が期待できる
- 示談交渉がまとまらない場合は裁判まで対応してもらえる
- 依頼者の立場に立って対応してもらえる
適切な過失割合になるよう交渉してもらえる
保険会社同士の交渉で提示された過失割合に納得できない場合は、弁護士に相談することで、別の視点から妥当性を確認してもらえます。
弁護士であれば、事故当時の状況や証拠を確認し、どの修正要素をどの程度反映できるのかを法的な根拠に基づいて整理できます。
そのうえで、必要があれば保険会社の提示内容とは異なる過失割合を主張し、相手側との交渉を任せることも可能です。
特に、保険会社同士の話し合いが平行線になっている場合や、提示された過失割合に疑問が残る場合は、弁護士に確認してもらうメリットが大きいでしょう。
弁護士基準による損害賠償額の増額が期待できる
弁護士に依頼すると、過失割合だけでなく、慰謝料などの損害賠償額そのものについても見直してもらえます。
保険会社が提示する慰謝料は、自賠責基準や各保険会社の内部基準をもとに算定されることがあり、裁判で認められる水準より低い金額になっていることがほとんどです。
弁護士は、過去の裁判例をもとにした弁護士基準を用いて慰謝料などを算定し、相手側の保険会社へ増額を求めることが可能です。
そのため、過失相殺によって一定額が減額される事故でも、もとの損害賠償額を適切な水準まで引き上げることで、最終的な受取額が増えることがあります。
過失割合だけでなく、提示されている損害賠償額そのものが妥当か確認してもらえる点も、弁護士へ依頼するメリットです。
示談交渉がまとまらない場合は裁判まで対応してもらえる
過失割合や損害賠償額について保険会社同士の交渉がまとまらない場合は、最終的に裁判で解決を目指すことがあります。
弁護士に依頼していれば、示談交渉だけでなく、訴状の作成や証拠の提出、裁判所とのやり取りなどもまとめて任せられます。
自分で対応するよりも、交通事故の裁判に慣れている弁護士へ任せたほうが負担を減らしやすいでしょう。
また、示談交渉の段階から弁護士が対応していれば、交渉で使用した証拠や主張をそのまま裁判へつなげやすいこともメリットです。
依頼者の立場に立って対応してもらえる
自分の保険会社が示談交渉を行っている場合でも、必ずしも被害者本人が希望する解決方法を優先してもらえるとは限りません。
保険会社は保険契約の範囲内で事故対応を行うため、過失割合や賠償額について一定の条件で早期に合意することを提案されることもあります。
一方、弁護士は依頼者の代理人として、本人の希望や事情を踏まえて対応方針を検討します。
提示された過失割合に納得できないので妥協せず争いたい、多少時間がかかっても適切な賠償額を求めたいといった希望も伝えたうえで、交渉を進めてもらうことが可能です。
保険会社から提案された解決方法に納得できない場合や、自分の希望をより強く反映した交渉をしたい場合は、弁護士へ依頼するメリットが大きいでしょう。
交通事故の過失相殺に関するよくある質問
交通事故の過失相殺に関するよくある質問を紹介します。
- 過失相殺をわかりやすく説明すると?
- 過失相殺の計算方法は?計算ツールはある?
- 過失相殺と相殺払いは何が違う?
- 過失割合が10対0の場合も過失相殺される?
- 過失相殺は民法の何条で定められている?
- 保険を使わない場合も過失相殺される?
過失相殺をわかりやすく説明すると?
過失相殺とは、交通事故の被害者側にも過失がある場合に、その割合に応じて損害賠償額を減らす仕組みです。
たとえば、損害額が100万円で被害者側の過失が20%なら、20万円が差し引かれ、加害者側へ請求できる金額は80万円になります。
つまり、自分にも事故の原因がある場合、その分だけ受け取れる損害賠償額が少なくなると考えるとわかりやすいでしょう。
過失相殺の計算方法は?計算ツールはある?
過失相殺の基本的な計算式は、「損害額×(100%-被害者側の過失割合)=過失相殺後の請求額」です。
インターネット上には過失割合を入力すると請求額を試算できる計算ツールもあります。
ただし、実際の交通事故では治療費や慰謝料、休業損害などの算定に加え、損益相殺や既払い金の調整が必要になることもあります。
そのため、計算ツールはあくまで目安として利用し、正確な請求額を知りたい場合は保険会社や弁護士に確認するとよいでしょう。
過失相殺と相殺払いは何が違う?
相殺払いとは、事故当事者の双方に損害賠償請求権がある場合に、お互いの請求額を差し引いて差額だけを支払う方法のことです。
たとえば、AさんがBさんに80万円、BさんがAさんに30万円を支払う関係であれば、相殺払いによってAさんが差額の50万円を支払う形になります。
つまり、過失相殺は過失割合をもとに賠償額を減らす仕組み、相殺払いは双方の請求額を差し引いて精算する方法という違いがあります。
過失割合が10対0の場合も過失相殺される?
過失割合が10対0で、被害者側に過失がない場合は、原則として過失相殺は行われません。
被害者側の過失が0%であれば、過失を理由に損害賠償額を減額する必要がないためです。
過失相殺は民法の何条で定められている?
過失相殺は、民法第722条第2項に定められています。
同項では、被害者にも過失があった場合、裁判所がその過失を考慮して損害賠償額を決めることができるとされています。
保険を使わない場合も過失相殺される?
保険を使わずに当事者同士で損害賠償を行う場合でも、被害者側に過失があれば過失相殺は適用されます。
過失相殺は保険会社の制度ではなく、民法に基づいて損害賠償額を調整する仕組みだからです。
そのため、任意保険を使わずに加害者本人へ直接請求する場合でも、被害者側に20%の過失が認められれば、原則として損害額から20%が減額されます。
まとめ
被害者側の過失割合が大きくなるほど受け取れる賠償額も少なくなるため、提示された過失割合が適切か確認することが重要です。
過失割合は事故類型ごとの基本過失割合を参考にしつつ、速度超過や一時停止の有無など、事故当時の具体的な事情を反映して決められます。
相手側の保険会社や自分の保険会社から提示された割合に疑問がある場合は、根拠を確認し、ドライブレコーダーなどの証拠をもとに見直しを求めましょう。
保険会社同士の交渉でも納得できる結果にならない場合は、弁護士へ相談する方法があります。
過失割合の見直しだけでなく、弁護士基準による損害賠償額の増額も期待できるため、過失相殺による減額が大きい事故ほど早めに相談するとよいでしょう。
