
サンキュー事故とは、対向車などに道を譲られて右左折した際、譲った車の死角から進んできたバイクや自転車、歩行者などと衝突する事故です。
道を譲ってもらうと、相手を待たせないように早く曲がろうとする心理が働き、周囲への注意が不十分になる場合があります。
その結果、停止車両の横からすり抜けてきたバイクや自転車などを見落とし、事故につながることがあります。
しかし、単に道を譲っただけであれば、原則として譲った車が事故の責任を負うわけではありません。
基本的には、実際に衝突した当事者同士で過失割合を判断します。
本記事では、サンキュー事故の責任は誰にあるのか、道を譲った車が責任を問われる場合について解説します。
事故の状況別の過失割合や損害賠償、自分の責任を減らすための対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・サンキュー事故で道を譲った車は基本的に責任がない(道を譲った車の行動によっては、例外的に責任が生じる可能性があるが極めて稀)
・サンキュー事故の過失割合は基本的に、直進車と右折車の事故では直進車20:右折車80、直進バイクと右折車は直進バイク15:右折車85、直進自転車と右折車は自転車10:右折車90
・サンキュー事故で自分の責任を減らすためにできることは、ドライブレコーダーなどの客観的な証拠を集める、相手側の保険会社が提示した過失割合の根拠を確認する
・サンキュー事故を防ぐための対策は、停止車両の死角にバイクや自転車がいないか確認する、右左折するときは徐行してすぐに停止できる速度で進む、道を譲られても安全確認を怠らない
サンキュー事故とは?
サンキュー事故とは、ほかの車から道を譲られて右左折した際に、譲ってくれた車の死角から進んできた車やバイク、自転車などと衝突する事故です。
たとえば、渋滞している道路で対向車が停止し、右折できるように進路を空けてくれたとします。
右折を開始したところ、対向車の左側をすり抜けてきたバイクと衝突するのが代表的な例です。
サンキュー事故が発生する主な原因は、停止車両によって生じる死角と、道を譲られた運転者の心理です。
対向車が停止していると、その横や後方から接近する車両を確認しにくくなります。
さらに、道を譲られると、相手を待たせないように早く曲がろうという意識が働き、死角への注意がおろそかになる場合があります。
このように、周囲を確認しにくい道路状況と運転者の心理が重なることで、サンキュー事故につながるのです。
サンキュー事故で道を譲った車に責任はある?
サンキュー事故では、道を譲った車ではなく、実際に衝突した当事者同士が責任を負うのが原則です。
ただし、道を譲った車の行動によっては、例外的に事故の責任を問われる可能性があります。
道を譲った車が責任を負う場合や、事故が発生した際に誰と過失割合を争うのかについて解説します。
- 道を譲っただけでは原則として事故の責任を負わない
- 積極的な誘導をした場合は責任を問われる可能性がある
- 道を譲られても周囲の安全を確認する義務はなくならない
- 責任を争う相手は実際に事故を起こした相手になる
道を譲っただけでは原則として事故の責任を負わない
サンキュー事故が発生しても、単に道を譲っただけであれば、譲った車の運転者が事故の責任を負うのが原則ではありません。
道路上では、パッシングや手による合図などで進路を譲る場面があります。
しかし、こうした合図によって、譲られた車の周囲の安全が保証されるわけではありません。
合図を受けたら何秒以内に進まなければならないといった決まりもないため、譲られた側は自分で安全を確認してから進む必要があります。
実際に裁判例でも、進路を譲った車の運転者が周囲の安全まで確認したうえで合図しているとは限らず、譲られた側は自ら進路の安全を確認すべきと判断されています。
そのため、道を譲った行為だけを理由として、事故の責任を問われることは基本的にありません。
積極的な誘導をした場合は責任を問われる可能性がある
前述したように、単に道を譲っただけであれば、原則として事故の責任を問われません。
ただし、道を譲った車の行動によっては、例外的に責任が生じる可能性があります。
たとえば、何度もパッシングして進行を強く促したり、威圧的な態度で早く進むように迫ったりした場合です。
このような行為によって、譲られた側が進行せざるを得ないような状況になり、それが事故につながったのであれば、譲った車にも一定の責任が認められる可能性があります。
基本的には通常のパッシングや手合図で道を譲られた程度であれば、譲った車に責任を求めるのは難しいと考えておいたほうがよいでしょう。
道を譲られても周囲の安全を確認する義務はなくならない
自動車を運転している以上、基本的にはそのときの道路状況に応じて周囲の安全を確認しながら走行する必要があります。
サンキュー事故でも同様で、道を譲られたからといって安全確認を省略してよいわけではありません。
道を譲る合図は、基本的に自分が停止して進路を空ける意思を示すものです。
そのため、右左折する際は停止車両の死角にも注意し、自分で周囲の安全を確認してから進む必要があります。
責任を争う相手は実際に事故を起こした相手になる
サンキュー事故では、原則として実際に衝突した当事者同士で過失割合を争います。道を譲った車ではありません。
たとえば、A車が右折しようとしているところ、対向するB車が停止して道を譲り、B車の横をすり抜けてきたCバイクとA車が衝突したとします。
この場合、基本的にはA車とCバイクの双方にどの程度の過失があったのかを判断します。
そのため、道を譲った車が原因で事故になったと感じても、譲った車に責任を求めるのではなく、まずは実際に衝突した相手との過失割合を確認することが必要です。
過失割合は、車両の種類や事故が起きた場所、信号の状況、双方の走行方法などによって異なります。
サンキュー事故の過失割合
サンキュー事故を起こしたからといって、必ずしも自分がすべての責任を負うわけではありません。
事故の状況によっては、衝突した相手にも一定の過失が認められます。
サンキュー事故の基本的な過失割合を事故の状況別に見ていきましょう。
- 直進車と右左折車の自動車同士の事故
- 直進バイクと右左折車の事故
- 直進自転車と右左折車の事故
- 歩行者と右左折車の事故
- 渋滞中に発生したサンキュー事故
- 駐車場や店舗などの出入口で発生したサンキュー事故
- サンキュー事故の過失割合が変わる主な要素
直進車と右左折車の自動車同士の事故
サンキュー事故が自動車同士で発生した場合、直進車よりも右折車の過失が大きくなるのが基本です。
道路交通法では、右折車は対向する直進車などの進行を妨げてはならないと定められているためです。
ただし、直進車にも周囲の状況に注意して走行する義務があるため、右折車だけに100%の過失が認められるとは限りません。
信号機のある交差点で、対向する直進車と右折車がともに青信号で進入した場合、基本過失割合は直進車20:右折車80です。
信号の状況によって、以下のように割合が変わります。
| 信号の状況 | 直進車 | 右折車 |
|---|---|---|
| 双方が青信号で進入 | 20% | 80% |
| 直進車が黄信号で進入・右折車は青信号で進入して黄信号で右折 | 70% | 30% |
| 双方が黄信号で進入 | 40% | 60% |
| 双方が赤信号で進入 | 50% | 50% |
| 直進車が赤信号で進入・右折車は青信号で進入して赤信号で右折 | 90% | 10% |
| 直進車が赤信号で進入・右折車は黄信号で進入して赤信号で右折 | 70% | 30% |
| 直進車が赤信号・右折車が青色の右折矢印信号で進行 | 100% | 0% |
一方、信号機のない交差点でも、対向する直進車と右折車の事故では直進車20:右折車80が基本です。
右折車が交差道路へ進入する場面では、直進車がどちらから来たのかによって基本過失割合が異なります。
| 事故の状況 | 直進車 | 右折車 |
|---|---|---|
| 対向方向から来た直進車と右折車が衝突 | 20% | 80% |
| 右折車から見て左方から来た直進車と衝突 | 30% | 70% |
| 右折車から見て右方から来た直進車と衝突 | 40% | 60% |
上記はあくまでも基本的な割合です。
実際の事故では、速度違反や徐行の有無、合図の有無などを踏まえて過失割合が修正されます。
直進バイクと右左折車の事故
自動車とバイクの事故では、バイクは自動車よりも身体への被害を受ける危険性が高いことなどが考慮され、自動車同士の事故よりもバイク側の基本過失割合が低く設定されています。
信号機のある交差点で、直進バイクと右折車がともに青信号で進入した場合、基本過失割合は直進バイク15:右折車85です。
信号の状況によって、基本過失割合は以下のように変わります。
| 信号の状況 | 直進バイク | 右折車 |
|---|---|---|
| 双方が青信号で進入 | 15% | 85% |
| バイクが黄信号で進入・右折車は青信号で進入して黄信号で右折 | 60% | 40% |
| 双方が黄信号で進入 | 30% | 70% |
| 双方が赤信号で進入 | 40% | 60% |
| バイクが赤信号で進入・右折車は青信号で進入して赤信号で右折 | 80% | 20% |
| バイクが赤信号で進入・右折車は黄信号で進入して赤信号で右折 | 60% | 40% |
| バイクが赤信号・右折車が青色の右折矢印信号で進行 | 100% | 0% |
信号機のない交差点で、対向する直進バイクと右折車が衝突した場合も、基本過失割合は直進バイク15:右折車85です。
道路幅が同程度で、いずれも優先道路ではない交差点の場合、進行方向によって以下のように基本過失割合が異なります。
| 事故の状況 | 直進バイク | 右折車 |
|---|---|---|
| 対向方向から来たバイクと右折車が衝突 | 15% | 85% |
| 右折車がバイクから見て左方から進入 | 30% | 70% |
| 右折車がバイクから見て右方から進入 | 20% | 80% |
直進自転車と右左折車の事故
自転車と自動車のサンキュー事故では、自動車側の基本過失割合が大きくなります。
信号機のある交差点で、対向する直進自転車と右折車がともに青信号で進入した場合、基本過失割合は自転車10:右折車90です。
信号機のある交差点では、信号の状況によって以下のように変わります。
| 信号の状況 | 直進自転車 | 右折車 |
|---|---|---|
| 双方が青信号 | 10% | 90% |
| 自転車が黄信号・右折車が青で進入して黄で右折 | 40% | 60% |
| 双方が黄信号 | 20% | 80% |
| 双方が赤信号 | 30% | 70% |
| 自転車が赤信号・右折車が青で進入して赤で右折 | 70% | 30% |
| 自転車が赤信号・右折車が黄で進入して赤で右折 | 50% | 50% |
| 自転車が赤信号・右折車が右折青矢印で進行 | 80% | 20% |
自転車が赤信号で進入し、自動車が右折青矢印に従って右折した場合でも、基本過失割合は自転車80:右折車20とされています。
自転車が赤信号を無視していた場合でも、右折車の過失が必ず0%になるわけではありませんので、注意しましょう。
歩行者と右左折車の事故
歩行者が横断歩道を通行している場合は歩行者保護が重視されるため、自動車側の過失が大きくなるのが基本です。
道路交通法でも、横断歩道を横断している、または横断しようとしている歩行者がいる場合、自動車には一時停止して通行を妨げない義務があります。
信号機のある横断歩道で、右折車側が青信号の場合の基本過失割合は以下のとおりです。
| 歩行者側の信号 | 歩行者 | 右折車 |
|---|---|---|
| 青信号 | 0% | 100% |
| 黄信号 | 30% | 70% |
| 赤信号 | 50% | 50% |
歩行者が赤信号で横断を開始していたとしても、右折車の過失が必ず0%になるわけではありません。
右折車側が青信号の場合でも、基本過失割合は歩行者50:右折車50です。
また、信号機のない横断歩道上で事故が発生した場合は、歩行者0:自動車100が基本となります。
なお、横断歩道がない交差点や横断歩道の外を歩行者が横断していた場合は、事故が起きた場所や道路の状況によって基本過失割合が異なります。
たとえば、横断歩道のない幹線道路または広路の交差点で右左折車と歩行者が衝突した場合は、歩行者10:右左折車90が基本です。
渋滞中に発生したサンキュー事故
渋滞中の道路では、停止している車の間から右折車が出てきて、車列の横を直進してきたバイクと衝突するサンキュー事故があります。
このような事故では、右折車だけでなく、渋滞している車列の横を走行するバイクにも一定の過失が認められるのが基本です。
事故が交差点内で発生したのか、交差点以外で発生したのかによって基本過失割合が異なります。
| 事故が発生した場所 | 直進バイク | 右折車 |
|---|---|---|
| 交差点内 | 30% | 70% |
| 交差点以外 | 20% | 80% |
たとえば、交差点で対向車に道を譲られて右折し、渋滞車列の横を直進してきたバイクと衝突した場合は、直進バイク30:右折車70が基本です。
一方、ガソリンスタンドや駐車場などへ入るために交差点以外で右折し、渋滞車列を抜けてきたバイクと衝突した場合は、直進バイク20:右折車80が基本となります。
駐車場や店舗などの出入口で発生したサンキュー事故
駐車場や店舗、ガソリンスタンドなどの出入口でも、サンキュー事故は発生します。
道路外から右折して道路へ進入する車と、道路を直進する車が衝突した場合、基本過失割合は直進車20:右折車80です。
道路交通法では、道路外の施設などに出入りするために右左折する場合、ほかの車両の正常な交通を妨げるおそれがあるときは進行してはならないと定められています。
そのため、道路を走行している直進車よりも、道路外から進入する右折車の過失が大きくなるのが基本です。
道を譲られていた場合でも、それだけを理由に右折車の過失が軽くなるわけではありません。
サンキュー事故の過失割合が変わる主な要素
ここまで紹介した過失割合は、あくまでも事故類型ごとに設定された基本過失割合です。実際には事故当時の状況を確認し、当事者の過失を加算・減算して最終的な割合を判断します。
過失割合が修正される主な要素は、以下のとおりです。
- 徐行せずに右折した
- 対向する直進車の直前で右折した
- 交差点の中心より手前を通る早回り右折をした
- 大回りして右折した
- ウインカーを出さずに右折した
- 右折禁止の場所で右折した
- 直進車やバイクが速度を超過していた
- 前方不注意などの著しい過失があった
- 酒気帯び運転などの重過失があった
どの修正要素を適用するか、何%修正するかは事故類型によって異なります。
サンキュー事故の典型例として挙げられるのが、右折する自動車と直進するバイクの事故です。
信号機のある交差点で双方が青信号の場合、基本過失割合は直進バイク15:右折車85ですが、以下のような修正が入る場合があります。
| 修正要素 | 直進バイク | 右折車 |
|---|---|---|
| 基本過失割合 | 15% | 85% |
| 右折車が徐行していなかった | −10% | +10% |
| 右折車が直進バイクの直前で右折した | −10% | +10% |
| 右折車が早回り右折をした | −5% | +5% |
| 右折車が大回り右折をした | −5% | +5% |
| 右折車が右折の合図を出していなかった | −10% | +10% |
| 右折車に著しい過失・重過失があった | −10% | +10% |
| バイクが制限速度を15km/h以上超過していた | +10% | −10% |
| バイクが制限速度を30km/h以上超過していた | +20% | −20% |
このように、基本過失割合だけを見て自分の責任が決まったと考える必要はありません。
事故当時の双方の運転方法まで確認したうえで、適用できる修正要素がないか検討する必要があります。
サンキュー事故で発生する慰謝料や損害賠償
サンキュー事故で相手にけがをさせたり、車やバイクを壊したりした場合は、事故によって生じた損害を賠償する必要があります。
一方、自分もけがをした場合や車が損傷した場合には、相手の過失割合に応じて損害賠償を請求できます。
サンキュー事故で発生する慰謝料の相場や損害賠償の支払い方法、過失割合との関係について見ていきましょう。
- サンキュー事故の慰謝料の相場
- 損害賠償は自分と保険会社のどちらが支払う?
- 過失割合によって受け取れる損害賠償額は変わる
サンキュー事故の慰謝料の相場
サンキュー事故でけがをした場合に請求できる慰謝料は、主に入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類です。
また、慰謝料の算定には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、どの基準を用いるかによって金額が変わります。
慰謝料の相場は、けがの程度や治療期間、後遺障害等級などによって大きく異なるため、一概にいくらとはいえません。
弁護士基準で算定した場合の目安は以下のとおりです。
| 事故後の状況 | 慰謝料の目安 |
|---|---|
| むちうちなどの軽傷で1カ月通院 | 19万円 |
| むちうちなどの軽傷で3カ月通院 | 53万円 |
| 骨折などで1カ月入院・6カ月通院 | 149万円 |
| 後遺障害14級が認定 | 110万円 |
| 後遺障害12級が認定 | 290万円 |
| 後遺障害1級が認定 | 2,800万円 |
| 死亡した場合 | 2,000万~2,800万円程度 |
なお、後遺障害が認定された場合は、後遺障害慰謝料だけではなく、治療期間に応じた入通院慰謝料も請求できます。
たとえば、骨折で1カ月入院・6カ月通院し、後遺障害12級が認定された場合、弁護士基準では入通院慰謝料149万円+後遺障害慰謝料290万円=439万円が慰謝料の目安です。
ただし、実際に受け取れる金額は過失割合によって減額される場合があります。
サンキュー事故では双方に過失が認められることも多いため、提示された慰謝料額だけでなく過失割合も確認する必要があります。
損害賠償は自分と保険会社のどちらが支払う?
サンキュー事故で相手に損害を与えた場合、法律上の損害賠償責任を負うのは事故の当事者です。
ただし、任意保険に加入していれば、補償内容や契約条件に応じて保険会社から保険金が支払われます。
自賠責保険は人身損害のみが対象で、傷害は被害者1人につき120万円、死亡は3,000万円などの支払限度額があります。
自賠責保険の限度額を超える人身損害は、任意保険の対人賠償保険から支払われるのが一般的です。
また、自賠責保険では車両の修理費などの物損を補償できません。
物損については任意保険の対物賠償保険を利用します。
そのため、対人・対物賠償を無制限で契約しており、事故が補償対象となれば、高額な損害賠償が発生しても保険で対応できる場合があります。
一方、任意保険に加入していない場合や補償対象外となる場合は、自賠責保険で補えない部分を自分で負担しなければなりません。
過失割合によって受け取れる損害賠償額は変わる
サンキュー事故では、過失割合によって相手から受け取れる損害賠償額が変わります。
自分にも過失がある場合、その割合に相当する金額が損害額から差し引かれるためです。これを過失相殺といいます。
過失相殺後の損害賠償額は、基本的に以下のように計算します。
| 損害額 ×(100%-自分の過失割合)=相手に請求できる損害賠償額 |
たとえば、サンキュー事故によって自分に500万円の損害が発生し、過失割合が自分80:相手20だった場合、相手に請求できる金額は500万円×20%=100万円です。
自分の過失にあたる400万円は、相手に請求できません。
サンキュー事故で自分の責任を減らすためにできること
サンキュー事故では、右左折した側の過失が大きくなるのが一般的です。
しかし、相手に速度違反や前方不注意などがあれば、相手側にも一定の過失が認められる可能性があります。
そのため、自分だけが悪いと決めつけず、事故当時の状況を確認し、自分の責任を少しでも減らせる要素がないか検討してみましょう。
- ドライブレコーダーなどの客観的な証拠を集める
- バイクのすり抜け方に問題がなかったか確認する
- 相手側の保険会社が提示した過失割合の根拠を確認する
- 弁護士に過失割合の交渉を依頼する
ドライブレコーダーなどの客観的な証拠を集める
過失割合を争う際は、事故当時の状況を裏付ける客観的な証拠をどれだけ用意できるかが重要です。
当事者の証言だけでは双方の主張が食い違う場合があり、十分な信用性を得られない可能性があります。
証拠として利用できる主なものは、以下のとおりです。
- 自分や相手のドライブレコーダー
- 周辺車両のドライブレコーダー
- 店舗や駐車場などの防犯カメラ
- 事故現場や車両の写真・動画
- 事故を目撃した人の証言
ドライブレコーダーや防犯カメラの映像は、時間が経過すると上書きや削除によって確認できなくなる可能性があります。
また、事故現場のタイヤ痕や破片なども、時間の経過とともに失われていきます。
事故当時の状況を正確に証明するためにも、事故後はできるだけ早く証拠を集めて保存しておきましょう。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
バイクのすり抜け方に問題がなかったか確認する
サンキュー事故では、渋滞や信号待ちで停止している車列の横をすり抜けてきたバイクと衝突することがあります。
バイクのすり抜け自体を一律に禁止する法律はありません。
しかし、すり抜ける際の走行方法によっては道路交通法違反となったり、事故の過失割合に影響したりする可能性があります。
たとえば、以下のような状況がなかったか確認しましょう。
- 制限速度を大幅に超えて走行していた
- 車線をまたいで走行していた
- 黄色の実線を越えて追い越していた
- 前方の安全を十分に確認していなかった
- 車両の左側から危険な方法で追い抜いていた
相手のバイクにこのような走行が認められれば、バイク側の過失が加算され、自分の過失割合が下がる可能性があります。
ドライブレコーダーなどを確認し、バイクがどこをどの程度の速度で走行していたのかを確認しておきましょう。
相手側の保険会社が提示した過失割合の根拠を確認する
基本過失割合が同じでも、事故当時の状況をどのように評価するかによって、最終的な過失割合が変わる場合があります。
たとえば、自分では相手の速度違反によって過失割合が10%修正されると考えていても、相手側の保険会社は速度違反を認めておらず、修正していない可能性があります。
このような認識の違いを把握するためにも、提示された数字だけを見るのではなく、どの修正要素をどの程度反映しているのかまで確認することが大切です。
自分が想定していた修正要素が反映されていなければ、ドライブレコーダーなどの証拠を提示し、過失割合について改めて交渉しましょう。
弁護士に過失割合の交渉を依頼する
任意保険に示談交渉サービスが付いていれば、過失割合についても保険会社に相手側との交渉を任せられます。
そのため、まずは保険会社に対応してもらうのが一般的です。
ただし、保険会社が必ず自分の希望する過失割合まで交渉してくれるとは限りません。
事故状況や証拠、過去の裁判例などから提示された割合が妥当と判断すれば、過失割合を争うことはせず、その割合で示談を進める場合があります。
自分では相手の速度違反などを理由に過失割合を修正できると考えているものの、保険会社が認めてくれない場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士であれば、ドライブレコーダーなどの証拠や過去の裁判例を確認し、さらに過失割合を争える余地があるのか判断してもらえます。
交渉で解決しなければ、訴訟を含めた対応を依頼することも可能です。
関連記事:交通事故の過失割合に納得いかないときは?対処法や決め方をわかりやすく紹介
サンキュー事故を防ぐための対策
サンキュー事故を防ぐために意識したい対策を紹介します。
- 停止車両の死角にバイクや自転車がいないか確認する
- 右左折するときは徐行してすぐに停止できる速度で進む
- 道を譲られても安全確認を怠らない
停止車両の死角にバイクや自転車がいないか確認する
サンキュー事故では、停止車両の横をすり抜けてきたバイクや自転車と衝突することがあります。
そのため、道を譲られた際は、特にバイクや自転車の存在を意識しておきましょう。
重要なのは、サンキュー事故の原因となる停止車両の死角を忘れないことです。
対向車が止まっていても、その車の陰に何もいないとは限りません。
運転免許を取得する際にも学ぶ「かもしれない運転」を意識し、死角からバイクや自転車が出てくる可能性を考えながら進みましょう。
右左折するときは徐行してすぐに停止できる速度で進む
道路交通法では、交差点で右左折する際は徐行しなければならないと定められています。
徐行とは、車両がすぐに停止できるような速度で進行することです。
サンキュー事故では、停止車両によって死角が生じるため、バイクや自転車を発見してからブレーキをかけても間に合わない場合があります。
あらかじめ徐行していれば、死角からバイクなどが出てきた場合でも停止して衝突を回避できる可能性が高まります。
道を譲ってもらって相手を待たせている場合でも、焦らず安全を優先して進みましょう。
道を譲られても安全確認を怠らない
サンキュー事故が起きる原因の一つに、道を譲られたことで早く進まなければと焦ってしまう運転者の心理があります。
繰り返しになりますが、交差点を右左折する際は徐行が必要です。
道を譲ってもらったからといって、速度を上げて一気に通過してはいけません。
パッシングや手合図を受けても、急いで進む必要はないため、周囲を確認しながら慎重に右左折しましょう。
安全確認に時間をかけるのは悪いことではありません。
道を譲ってくれた相手への配慮よりも、事故を起こさないための安全確認を優先してください。
サンキュー事故の責任に納得できないときは弁護士に相談しよう
サンキュー事故の対応に困った場合や、提示された過失割合に納得できない場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
交通事故について相談できる窓口はいくつかありますが、相手側との交渉や法的手続きまで任せられる専門家は限られています。
ここでは、サンキュー事故について弁護士に相談するメリットを見ていきましょう。
- 適切な過失割合を判断してもらえる
- 相手側との交渉を任せて負担を軽減できる
- 弁護士費用特約を利用すれば費用を抑えられる
適切な過失割合を判断してもらえる
サンキュー事故の過失割合に納得できない場合でも、自分が希望する割合が必ずしも適切とは限りません。
弁護士に相談すれば、交通事故の実務や過去の裁判例などを踏まえて、どの程度の過失割合が妥当なのか客観的に判断してもらえます。
その結果、過失割合を下げられる余地があるとわかれば、相手側との交渉を進める判断材料になります。
一方、現在の過失割合が妥当であれば、根拠のない主張を続けて示談が長引くのを避けられるでしょう。
自分の責任を少しでも減らせる可能性があるのかを知るためにも、交通事故に詳しい弁護士へ確認してもらうのがおすすめです。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
相手側との交渉を任せて負担を軽減できる
任意保険に示談交渉サービスが付いていれば、通常は保険会社が相手側との交渉を進めてくれるため、自分で対応する負担はそれほど大きくありません。
特に、軽微な事故や当事者間でもめることのない事故であれば、保険会社に対応を任せられるでしょう。
一方、事故の責任や損害賠償をめぐって話し合いがまとまらなければ、調停や訴訟などの法的手続きへ発展する可能性があります。
保険会社は訴訟の代理人にはなれないため、法的手続きが必要になると本人の負担も大きくなります。
弁護士であれば、相手側との示談交渉だけでなく、必要に応じて調停や訴訟まで対応可能です。
事故の解決が長引いた場合でも対応を任せられることは、弁護士へ依頼する大きなメリットです。
弁護士費用特約を利用すれば費用を抑えられる
弁護士費用特約に加入している場合は、積極的に弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士費用特約を利用すれば、一般的に法律相談料は10万円、弁護士費用は300万円程度まで保険会社から補償を受けられます。
そのため、多くのケースで自己負担なしで弁護士へ相談・依頼できます。
一方、弁護士費用特約を利用できない場合は、弁護士へ依頼することで得られる利益と費用を比較することが大切です。
弁護士費用のほうが高くなり、費用倒れになっては依頼するメリットが薄れてしまいます。
まずは自分の保険に弁護士費用特約が付いているか、今回のサンキュー事故でも利用できる契約内容なのかを保険会社へ確認しましょう。
関連記事:弁護士費用特約の使い方・利用の流れ|使うべきケースと弁護士の選び方を紹介
サンキュー事故の責任に関するよくある質問
サンキュー事故の責任に関するよくある質問を紹介します。
- サンキュー事故ではバイクが悪い?
- サンキュー事故でバイクがすり抜けていた場合の過失割合は?
- サンキュー事故で横断歩道の歩行者と衝突した場合の責任は?
サンキュー事故ではバイクが悪い?
サンキュー事故だからといって、必ずバイクが悪いわけではありません。
右折車と直進バイクが衝突した事故では、基本的に右折車の過失が大きくなります。
たとえば、信号がない交差点で対向する直進バイクと右折車が衝突した場合、基本過失割合はバイク15:右折車85です。
ただし、バイクに速度超過や著しい前方不注意などがあれば、バイク側の過失が加算される可能性があります。
サンキュー事故でバイクがすり抜けていた場合の過失割合は?
サンキュー事故でバイクがすり抜けていた場合の過失割合は、事故が発生した場所や信号の状況などによって異なります。
代表的な事故の基本過失割合は、以下のとおりです。
| 事故の状況 | バイク | 右折車 |
|---|---|---|
| 信号のある交差点・双方青信号 | 15% | 85% |
| 信号のない交差点・対向方向から直進するバイクと右折車 | 15% | 85% |
| 渋滞中の交差点で直進バイクと右折車が衝突 | 30% | 70% |
| 渋滞中の交差点以外で直進バイクと右折車が衝突 | 20% | 80% |
上記はあくまで基本過失割合です。
バイクの速度超過や右折車の徐行の有無など、事故当時の状況によって最終的な過失割合は変わります。
サンキュー事故で横断歩道の歩行者と衝突した場合の責任は?
サンキュー事故で横断歩道を渡っている歩行者と衝突した場合は、基本的に右左折車の責任が大きくなります。
信号のない横断歩道で歩行者と右左折車が衝突した場合、基本過失割合は歩行者0:自動車100です。
一方、信号のある横断歩道では、事故当時の信号によって過失割合が変わります。
たとえば、自動車が青信号で右左折し、歩行者が黄信号で横断していた場合は歩行者30:自動車70が基本です。
歩行者側にも信号無視などの問題があれば、歩行者にも一定の過失が認められます。
まとめ
サンキュー事故では、道を譲った車ではなく、実際に衝突した当事者同士で責任を負うのが基本です。
道を譲られて右左折した車には安全確認義務があるため、停止車両の死角から進んできたバイクや自転車などと衝突すると、右左折車の過失が大きくなる傾向があります。
ただし、相手の速度超過や事故当時の運転状況などによっては、基本過失割合から修正される可能性があります。
相手側から提示された過失割合に納得できない場合は、事故状況を確認したうえで適切な責任の割合を検討することが大切です。
自分だけで判断するのが難しい場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談しましょう。