
てんかんが原因で交通事故が発生することがあります。このような事故で重要になるのは、運転者が発作を予測できたかどうかです。
発作が起きる可能性を認識しながら運転していた場合や、医師から運転を控えるよう指示されていたにもかかわらず運転していた場合は、刑事責任を問われます。
一方で、発作を予測することが難しかった場合は、必ずしも有罪になるとは限りません。
本記事では、てんかんによる交通事故で罪に問われるケースや無罪となるケース、重要な証拠や実際の裁判例について詳しく解説します。
・てんかんで交通事故を起こして罪に問われるケースは、医師から運転を控えるよう指示されていた場合、薬を適切に服用せず運転した場合、発作が起きる可能性を認識しながら運転した場合
・てんかんで交通事故を起こしたときの対応は、けが人を救護する、警察へ報告する、相手方と連絡先を交換する、事故現場の状況を記録する、医師へ事故を報告して運転の可否を相談する
・てんかんの交通事故で無罪を主張する際に重要となる証拠は、医師の意見や診療記録、薬の処方・服薬状況、運転免許更新時の資料、事故当時の状況を示す証拠、家族などの証言
・てんかんによる交通事故で弁護士に相談するメリットは、予見可能性について適切に主張できる、医学的な証拠を整理して主張できる、刑事事件の対応を任せられるなど
てんかんで交通事故を起こしても必ず罪に問われるわけではない
てんかんによって交通事故が起きてしまったとしても、必ず有罪になるとは限りません。
刑事責任が問われるかどうかは、発作が起きることを予測できたか(予見可能性)が重要です。
発作が起きることを予測できたにもかかわらず運転していた場合は、事故の責任は本人にあると判断され、罪に問われます。
一方、発作を予測することが難しかった場合は、本人に過失があったとは認められず、刑事責任を問われないのが原則です。
予見可能性の有無は判決を左右する重要なポイントとなるため、自分に過失がないと考えられる場合は、安易に責任を認めず、必要に応じて弁護士へ相談しながら適切に対応しましょう。
てんかんで交通事故を起こして罪に問われるケース
てんかんによる交通事故では、発作が起きることを予測できたにもかかわらず運転していた場合、刑事責任を問われる可能性があります。
てんかんによる交通事故で罪に問われる可能性が高いケースを紹介します。
- 医師から運転を控えるよう指示されていた場合
- 薬を適切に服用せず運転した場合
- 発作が起きる可能性を認識しながら運転した場合
- てんかんの症状を申告せず免許を取得・更新した場合
医師から運転を控えるよう指示されていた場合
医師から運転を控えるよう指示されていたということは、発作が起きる危険性を本人も認識していたと判断されます。
実際の裁判でも、医師の指示を守らずに運転して事故を起こしたケースは少なくありません。
薬を飲んでいるから大丈夫、最近は発作が起きていないから問題ないと過信したことが、重大な交通事故につながるケースもあります。
てんかんと診断されて医師から運転を控えるよう指示された場合は、できるだけ運転を減らすのではなく、運転を自制することが重要です。
運転する頻度を減らしていたとしても、事故を起こせば刑事責任が問われます。
薬を適切に服用せず運転した場合
てんかんの薬は、発作を抑えるために継続して服用することが重要です。
自己判断で服薬をやめたり飲み忘れたりすると、発作が起きる危険性が高まります。
その状態で運転して事故を起こせば、適切に薬を服用していれば事故を防げたと判断されるでしょう。
裁判では、処方記録や服薬状況なども重要な証拠になります。
医師から処方された薬は自己判断で中断せず、指示どおりに服用することが大切です。
発作が起きる可能性を認識しながら運転した場合
発作が起きる可能性を認識しながら運転し、交通事故を起こした場合も、罪に問われる可能性があります。
例えば、運転前に発作の前兆を感じていた場合や、体調が悪く発作が起きそうだと感じていたにもかかわらず運転を続けたケースです。
このような状況では、事故を予測できたにもかかわらず運転したと判断されます。
実際の裁判でも、発作の前兆を自覚しながら運転を続け、死亡事故を起こしたことで実刑判決となった事例があります。
少しでも発作の前兆や体調の異変を感じた場合は、運転を中止し、安全な場所へ停車することが大切です。
てんかんの症状を申告せず免許を取得・更新した場合
運転免許の取得や更新時には、一定の病気に関する質問票への回答が必要です。
てんかんの症状があるにもかかわらず、虚偽の申告をして免許を取得・更新した場合は、事故の予見可能性があったと判断される事情の一つになります。
また、質問票に虚偽の回答をすると、事故の有無にかかわらず、道路交通法に基づく罰則の対象となる可能性もあります。
てんかんと診断されているからといって、必ず運転免許を取得・更新できないわけではありません。
発作の状況や治療経過、医師の診断などを踏まえて、運転に支障がないと判断されれば、免許の取得や更新が認められる場合もあります。
そのため、免許を取得・更新したいからといって質問票へ虚偽の回答をすることは避けましょう。
てんかんで交通事故を起こした場合に負う責任
てんかんが原因で交通事故を起こした場合は、無罪となるケースもありますが、民事上・刑事上・行政上の責任を負う可能性があります。
てんかんによる交通事故で負う可能性がある3つの責任について解説します。
- 被害者への損害賠償が必要になる
- 刑事処分を受ける
- 運転免許に影響する
被害者への損害賠償が必要になる
てんかんが原因で交通事故を起こした場合は、被害者へ生じた損害を賠償しなければなりません。
事故の状況によって異なりますが、主に以下のような損害賠償を請求される可能性があります。
- 治療費
- 通院交通費
- 休業損害
- 慰謝料
- 車両や物の修理費
- 後遺障害逸失利益
- 死亡逸失利益・死亡慰謝料(死亡事故の場合)
相手の車やバイク、自転車などを壊した場合は、修理費などの物的損害を賠償しなければなりません。
また、相手がけがをした場合は、治療費や慰謝料なども請求されます。
てんかんが原因の交通事故であっても、被害者へ生じた損害を賠償する民事上の責任は別の問題です。
そのため、刑事事件で無罪となった場合でも、被害者への損害賠償責任を負う可能性があります。
刑事処分を受ける
てんかんによる交通事故で刑事責任を問われた場合は、過失運転致傷罪または過失運転致死罪などが成立する可能性があります。
過失運転致傷罪・過失運転致死罪の法定刑は、7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
被害者が死亡した場合や重大な後遺障害が残った場合は、重い刑事処分となる可能性があります。
また、刑事処分を受けるかどうかや、どの程度の刑罰が科されるかは、事故状況や被害の大きさ、医師からの指導内容、服薬状況などを踏まえて裁判所が判断します。
運転免許に影響する
てんかんによる交通事故で行政処分の対象となった場合は、事故の内容に応じて違反点数が加算され、免許停止や免許取消しとなる可能性があります。
例えば、過失運転致傷事故(専ら運転者の不注意による軽傷事故)では9点、死亡事故では20点などが加算され、前歴がなくても免許停止や免許取消しの対象です。
また、てんかんによる事故では、違反点数とは別に、今後も安全に運転できる状態かどうかが確認されることがあります。
医師の診断内容などを踏まえ、免許の継続が認められるか判断される場合もあります。
関連記事:免停を回避・軽減する方法|回避しやすいケースと弁護士に相談するメリット
てんかんで交通事故を起こしたときの対応
てんかんによる交通事故を起こした場合は、慌てずに適切な対応を取ることが大切です。
てんかんが原因の事故であっても、交通事故として行うべき対応は基本的に変わりません。
てんかんによる交通事故が発生した際に取るべき対応を解説します。
- 状況を確認してけが人を救護する
- 警察へ事故を報告する
- 相手方と連絡先を交換する
- 事故現場の状況を記録する
- 警察の現場確認や実況見分に協力する
- 保険会社へ連絡する
- 医師へ事故を報告して運転の可否を相談する
状況を確認してけが人を救護する
てんかん発作が原因で交通事故を起こした場合は、まず自分の意識や体調、事故の状況を確認しましょう。
発作によって一時的に意識を失っていた場合は、自分が事故を起こしたことをすぐに把握できないこともあります。
落ち着いて周囲の状況を確認し、自分や相手にけが人がいないかを確認してください。
けが人がいる場合は、119番へ通報するなど、救護を最優先に行います。
交通事故を起こした運転者には救護義務があるため、てんかん発作が原因の事故であっても、可能な範囲で救護を行わなければなりません。
警察へ事故を報告する
けが人の救護を終えたら、速やかに110番通報をして警察へ事故を報告しましょう。
てんかん発作が原因で交通事故を起こした場合でも、警察へ報告する義務があります。
人身事故だけでなく、物損事故であっても報告しなければなりません。
また、警察へ届け出をしないと交通事故証明書が発行されません。
交通事故証明書は保険金を請求する際に必要になるため、事故の規模にかかわらず必ず警察へ連絡しましょう。
関連記事:交通事故の報告(通報)義務とは?必要なケースや違反の点数・リスクを解説
相手方と連絡先を交換する
警察へ事故を報告したら、相手方と連絡先を交換しましょう。
少なくとも、以下の情報は確認しておくことをおすすめします。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 車のナンバープレート
これらの情報は、保険会社への事故報告や損害賠償請求、示談交渉などを進める際に必要です。
また、相手が社用車を運転している場合は、勤務先の会社名や連絡先も確認しておくと安心です。
事故後の連絡や保険会社とのやり取りがスムーズになるほか、会社が加入している保険で対応するケースもあります。
なお、連絡先の交換は警察官が到着してからでも問題ありません。事故の状況に応じて対応しましょう。
関連記事:交通事故で連絡先の交換は必要?交換する情報や教えたくないときの対処法を解説
事故現場の状況を記録する
事故現場の状況は、できるだけ詳しく記録しておきましょう。
てんかん発作では、一時的に意識を失ったり、事故当時の記憶が曖昧になったりすることがあります。
そのため、事故がどのように発生したのかを自分で説明できないケースも少なくありません。
事故状況を把握できないと、相手方の説明だけで話が進んでしまう可能性もあります。
ドライブレコーダーの映像や事故現場の写真、防犯カメラ、目撃者の証言など、事故状況を客観的に示す証拠をできるだけ残しておくことが大切です。
事故現場の記録は、事故原因や過失割合だけでなく、発作を予測できたかといった争点を判断する際にも重要な資料となります。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
警察の現場確認や実況見分に協力する
実況見分とは、警察が事故現場で車両の位置や衝突状況、道路状況などを確認し、交通事故がどのように発生したのかを記録する手続きです。
事故当日に行われることもありますが、人身事故では後日改めて実況見分が実施されるケースも少なくありません。
実況見分では、警察から事故当時の状況について質問されます。
特別な準備をする必要はないため、覚えている範囲で事実を正確に説明しましょう。
てんかん発作によって事故当時の記憶が曖昧な場合は、無理に思い出そうとしたり推測で話したりする必要はありません。
分からないことは覚えていませんと正直に伝えることが大切です。
関連記事:実況見分を有利に進める方法とは?ポイントや立ち会えない場合、基本的な流れを紹介
保険会社へ連絡する
事故現場での対応が終わったら、できるだけその日のうちに保険会社へ連絡しましょう。
保険を利用するには、事故が発生したことを保険会社へ報告しなければなりません。
連絡が遅れると、保険金の支払いや手続きに影響する可能性があります。
保険会社へ連絡する際は、事故の状況だけでなく、てんかん発作が起きたことや発作前後の体調、事故後の状況などもできるだけ詳しく伝えましょう。
また、任意保険に加入している場合は、一般的に保険会社が相手方との示談交渉を代行します。
事故後の手続きの流れや今後の対応について案内を受けられるため、不安なことや分からないことがあれば、このタイミングで確認しておくことをおすすめします。
関連記事:保険会社の対応が悪いときの対処法|相談先やNG対応を実態とともに解説
医師へ事故を報告して運転の可否を相談する
てんかん発作が原因で交通事故を起こした場合は、できるだけ早く主治医へ事故が発生したことを報告しましょう。
事故当時の状況や発作の有無、現在の体調などを伝えることで、今後も運転を続けられる状態かどうかを医学的な観点から判断してもらえます。
自己判断で考えるのではなく、必ず医師の指示に従うことが大切です。
再び発作が起きる可能性がある状態で運転すると、次回事故を起こした際には刑事責任が問われる可能性も高くなります。
事故後は無理に運転を再開せず、医師へ相談したうえで今後の対応を決めましょう。
てんかんで交通事故を起こした事例
てんかんによる交通事故では、事故当時の状況や発作の予見可能性によって判決が大きく異なります。
てんかんによる交通事故の裁判例を紹介します。
- 医師から運転を禁止されていたにもかかわらず死亡事故を起こした事例
- 発作の前兆を感じながら運転し実刑判決を受けた事例
- 薬の服用を怠って死亡事故を起こし高額な損害賠償が命じられた事例
- 責任能力に合理的な疑いがあるとして無罪となった事例
医師から運転を禁止されていたにもかかわらず死亡事故を起こした事例
医師から運転を控えるよう指示されていたにもかかわらず運転し、死亡事故を起こした事例です。
事故当時の体調や医師からの指導内容が、予見可能性を判断する重要なポイントとなりました。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例の争点は、医師からどのような説明を受けていたのかです。
被告は運転禁止とは聞いていないと主張した一方、医師は運転を控えるよう指示していたと証言しています。
また、事故当日の朝には動悸やめまいがあったにもかかわらず、これまで運転中に発作は起きなかったから大丈夫と判断して運転を続けたことも問題となっています。
発作の前兆を感じながら運転し実刑判決を受けた事例
てんかん発作の前兆を感じていたにもかかわらず運転し、死亡事故を起こしたことで実刑判決が言い渡された事例です。
発作の予見可能性が認められるかどうかが争点となりました。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例では、裁判所は発作の前兆を感じながら運転を始めたことを重視しました。
判決では、自らの意思で運転を開始した以上、事故を予測できたと判断され、危険運転致死傷罪の成立を認めています。
また、免許更新時に持病について虚偽の申告をしていたことも問題です。
てんかんによる交通事故では、発作の前兆や医師の指導内容だけでなく、免許更新時の申告内容も予見可能性を判断する重要な事情となります。
薬の服用を怠って死亡事故を起こし高額な損害賠償が命じられた事例
てんかんの治療薬を服用せずにトラックを運転し、死亡事故を起こしたことで、高額な損害賠償の支払いを命じられた事例です。
刑事責任だけでなく、民事上の責任も厳しく問われました。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例では、運転手は過去にもてんかん発作による物損事故を起こしており、医師から薬を服用するよう厳しく指導されていました。
しかし、日常的に服薬を怠ったまま運転していたことから、裁判所は過失は重大で悪質」と判断しています。
また、運転手本人だけでなく、事故防止の措置を十分に講じなかった勤務先の責任も認められました。
てんかんによる交通事故では、刑事処分だけでなく、多額の損害賠償を命じられる可能性があることを示した事例です。
責任能力に合理的な疑いがあるとして無罪となった事例
てんかん発作によって事故当時は心神喪失状態だったと認められ、無罪判決が言い渡された事例です。
発作の予見可能性だけでなく、事故当時の責任能力も重要な争点となりました。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この裁判での争点は、事故当時に被告へ責任能力があったかどうかです。
裁判所は鑑定結果などを踏まえ、事故直前にてんかん発作が起きた可能性があり、責任能力には合理的な疑いが残ると判断しています。
また、被告が服用していた薬に急激な眠気を生じさせる副作用は認められず、心神喪失状態だったという主張も認められました。
この事例は、てんかんによる交通事故でも一律に有罪となるわけではなく、事故当時の責任能力や事故に至る経緯、医学的な証拠などを総合的に判断したうえで、有罪・無罪が決まることを示した裁判例です。
てんかんの交通事故で無罪を主張する際に重要となる証拠
てんかんによる交通事故では、発作を予測できたのか、事故当時に責任能力があったのかが重要な争点になります。
そのため、事故状況だけでなく、発作の有無や治療状況を客観的に示す証拠が判決を左右することも少なくありません。
てんかんによる交通事故で無罪を主張する際に重要となる主な証拠を紹介します。
- 医師の意見や診療記録
- 薬の処方・服薬状況
- 運転免許更新時の資料
- 事故当時の状況を示す証拠
- 家族などの証言
医師の意見や診療記録
医師の意見書や診療記録は、無罪を主張するうえで最も重要な証拠の一つです。
診療記録には、てんかんの症状や発作の頻度、治療経過、医師からどのような指導を受けていたのかなどが記載されています。
また、事故後に医師が作成した意見書も、事故当時の症状や発作の可能性を医学的な観点から説明する証拠として利用されることがあります。
そのため、事故後には病院へ受診し、自分がどのような状態なのか診てもらいましょう。
裁判では本人の説明だけでなく、客観的な医学的証拠が重視されるため、診療記録や医師の意見書は適切に保管しておくことが大切です。
薬の処方・服薬状況
てんかんの薬を医師の指示どおりに服用していたことが確認できれば、発作を予測することが難しかった事情を裏付ける証拠になる可能性があります。
一方で、自己判断で服薬を中断したり、飲み忘れが続いたりしていた場合は、予見可能性が認められる事情として不利に評価されるでしょう。
服薬状況は、処方箋やお薬手帳、調剤薬局の記録などから確認できます。
裁判では、事故前から適切な治療を継続していたかどうかも重要な判断材料となるため、これらの資料はできるだけ保管しておきましょう。
運転免許更新時の資料
運転免許を取得・更新する際は、一定の病気に関する質問票へ回答します。
例えば、以下のような内容について申告が必要です。
- 過去5年以内に意識を失ったことがあるか
- 過去5年以内に体が思うように動かなくなったことがあるか
- 日中に強い眠気で眠り込んでしまうことがあるか
- 飲酒に関して医師から指導を受けているか
- 医師から運転を控えるよう助言を受けているか
これらの質問に虚偽の回答をして免許を取得・更新していた場合は、事故を予測できたにもかかわらず運転していたと判断され、不利な事情となる可能性があります。
一方で、質問票へ正しく回答していたとしても、それだけで事故当時の責任が決まるわけではありません。
免許更新後に症状が変化した可能性もあるため、裁判では診療記録や服薬状況、事故当時の体調なども含めて総合的に判断されます。
事故当時の状況を示す証拠
事故当時の状況を客観的に示す証拠も、無罪を主張する際には重要です。
特に、以下のような証拠は、事故当時に正常な運転ができる状態だったのかを判断するための資料になります。
- ドライブレコーダーの映像
- 防犯カメラなどの映像
- 事故を目撃した人の証言
- 車両に記録されたブレーキやアクセルなどの操作データ(取得できる場合)
てんかんによる交通事故では、事故を起こしたという事実だけでなく、事故当時に正常な運転操作ができる状態だったのかが重要です。
例えば、映像から発作によって意識を失い、ブレーキや回避行動を取れないまま衝突したことが確認できれば、事故当時の状況を客観的に裏付ける証拠となる可能性があります。
家族などの証言
家族や同乗者などの証言も、事故当時の状況を判断する重要な証拠になることがあります。
例えば、事故前に普段と変わった様子がなかったことや、発作の前兆が見られなかったこと、普段から医師の指示どおりに薬を服用していたことなどは、家族だからこそ説明できることです。
また、事故当日に本人と接触していた人がいれば、運転前の体調や言動について証言できる可能性もあります。
家族などの証言だけで無罪になるわけではありませんが、診療記録や服薬状況、事故当時の映像などほかの証拠と組み合わせることで、事故当時の状況をより客観的に立証しやすくなります。
てんかんによる交通事故で弁護士に相談するメリット
発作を予測できたのかなどを立証するには、医学的な知識だけでなく、裁判例や法律に基づいた主張も必要です。
また、相手方や検察の主張へ適切に反論しなければ、不利な判断につながる可能性もあります。
てんかんによる交通事故で弁護士へ相談するメリットを紹介します。
- 予見可能性について適切に主張できる
- 医学的な証拠を整理して主張できる
- 刑事事件の対応を任せられる
- 相手が弁護士を付けても適切に対応できる
- 弁護士費用特約を使えば負担を減らしてサポートを受けられる
予見可能性について適切に主張できる
てんかんによる交通事故では、発作を予測できたか(予見可能性)が有罪・無罪を左右する重要な争点になります。
しかし、予見可能性がなかったことを認めてもらうには、予測できなかったと主張するだけでは不十分です。
診療記録や服薬状況、事故当時の映像などの客観的な証拠を集め、法的な根拠に基づいて主張しなければなりません。
警察や裁判所を納得させるような主張を自分だけで行うことは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、どの証拠が有利になるのかを判断し、過去の裁判例も踏まえながら予見可能性がなかったことを適切に主張してもらえます。
医学的な証拠を整理して主張できる
てんかんによる交通事故では、医学的な証拠が判決を左右することも少なくありません。
例えば、診療記録や医師の意見書、服薬状況などは、事故当時の体調や発作を予測できたかどうかを判断する重要な証拠です。
しかし、これらの資料がどのような意味を持つのかを自分だけで整理し、法的な主張へ結び付けることは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、医師の意見や診療記録などの医学的な証拠を整理し、裁判でどのように主張すれば有利になるのかを検討してもらえます。
必要に応じて医師と連携しながら証拠を準備できることも、弁護士へ相談するメリットです。
刑事事件の対応を任せられる
交通事故を起こした場合、保険会社が相手方との示談交渉を代行してくれることが一般的です。
しかし、保険会社が対応できるのは民事上の損害賠償に関する手続きであり、刑事事件の対応は任せられません。
てんかんによる交通事故で刑事責任が問われる場合は、警察の取調べや検察官の事情聴取、裁判などに対応する必要があります。
予見可能性や事故当時の責任能力について主張する場面では、専門的な知識が求められるため、自分だけで対応することは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、取調べへの対応方法をアドバイスしてもらえるほか、裁判での弁護活動や証拠の提出なども任せられます。
保険会社では対応できない刑事事件までサポートを受けられることは、弁護士へ相談する大きなメリットです。
相手が弁護士を付けても適切に対応できる
交通事故では、相手方が弁護士へ依頼することも少なくありません。
相手に弁護士が付くと、裁判例や法的な根拠をもとに、より高い基準で損害賠償を請求される可能性があります。
保険会社が対応している場合でも、自分で対応する場合でも、法律の専門家を相手に交渉することは簡単ではありません。
弁護士へ依頼すれば、相手方の主張に対して法的な根拠を示しながら適切に反論できます。
また、過大な請求をそのまま受け入れることなく、裁判例などを踏まえて適正な金額で交渉を進めてもらえます。
相手が専門家へ依頼しているのであれば、こちらも弁護士へ相談した方が不利な状況を避けやすくなるでしょう。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
弁護士費用特約を使えば負担を減らしてサポートを受けられる
弁護士費用特約とは、交通事故で弁護士へ依頼した際の相談料や着手金、報酬金などを保険会社が負担してくれる特約です。
一般的には300万円程度まで補償されることが多く、通常の交通事故で弁護士費用が300万円を超えるケースはほとんどありません。
そのため、多くの場合は自己負担なく弁護士へ依頼できます。
また、弁護士費用特約を利用しても、等級が下がったり保険料が上がったりするデメリットはありません。
てんかんによる交通事故では、予見可能性や医学的な証拠など専門的な争点が多くなります。
費用面の負担を気にせず弁護士のサポートを受けられるため、弁護士費用特約が付いている場合は積極的に活用しましょう。
関連記事:弁護士費用特約の使い方・利用の流れ|使うべきケースと弁護士の選び方を紹介
まとめ
てんかんによる交通事故では、発作が起きることを予測できたか(予見可能性)が有罪・無罪を左右する重要なポイントです。
医師から運転を控えるよう指示されていた場合や、薬を適切に服用していなかった場合などは、刑事責任を問われる可能性があります。
一方で、発作を予測することが難しかった場合は、無罪となるケースもあります。
また、無罪を主張するには、診療記録や服薬状況、事故当時の映像などの客観的な証拠が重要です。
警察や裁判所へ適切に主張するためにも、早い段階で弁護士へ相談し、必要な証拠を整理しておきましょう。
あなたを笑顔にする慰謝料請求に強い弁護士
相手とどう対峙すればいいか。ケガをしてても自動車保険会社からは一方的な対応をされる。弁護士とかに相談したくても知り合いにいない。そんな時頼りになるのが交通事故相談|弁護士ほっとラインです!事故に遭った時の対応から、示談金交渉や慰謝料など賠償金の算定など、役に立つ情報満載な上、交通事故に強い優秀な弁護士を数多く紹介しています。