
実況見分で自分の説明が正しく反映されていなかったり、あとから新しい証拠が見つかったりすると、もう一度やり直してほしいと考える方もいるでしょう。
実況見分は、一度実施したら絶対にやり直せないわけではありません。
ただし、当事者が希望すれば必ず再実施してもらえるものでもなく、やり直しが必要と判断される理由が求められます。
この記事では、実況見分のやり直しが認められるケースや難しい理由、再実施できない場合の対処法について解説します。
・実況見分のやり直しが難しい理由は、当事者の希望だけで再度の実況見分を実施してもらえるわけではない、一度作成された実況見分調書は原則として書き換えられない
・実況見分のやり直しが認められるケースは、最初の実況見分に誤りがあることが判明した、実況見分調書に虚偽の内容が記載されている、事故直後の実況見分に立ち会えなかった
・過失割合を決める主な要素は、事故の類型と基本過失割合、速度超過などの修正要素、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像、事故現場や車両の状況、当事者や目撃者の証言
・実況見分のやり直しができない場合の対処法は、警察に事故状況について改めて説明する、客観的な証拠を集めて事故状況を立証する、弁護士に相談する
実況見分のやり直しはできる?
一度実施した実況見分は、基本的にやり直すことはありません。
当事者が実況見分の内容に納得できないという理由だけで、警察に再度実施してもらうのは難しいでしょう。
ただし、最初の実況見分に重大な誤りが見つかった場合や、けがで事故直後の実況見分に立ち会えなかった場合などは、再度実況見分が行われる可能性があります。
実況見分は事故現場の状況や当事者の説明などを記録する捜査の一環であり、当事者の希望に応じて何度も実施するものではありません。
また、事故から時間が経過するほど、当時の道路状況や車両の位置などを正確に再現するのも難しくなります。
そのため、実況見分をやり直すかどうかは、新たに確認する必要性や事故からの経過時間などを踏まえて総合的に判断されます。
関連記事:実況見分の立ち会いは必要?流れや立ち会えない場合の対処法を解説
実況見分のやり直しが難しい理由
実況見分は事故状況を明らかにするための捜査であり、当事者の希望だけで何度も実施されるものではありません。
また、すでに作成された実況見分調書の扱いや事故からの経過時間も、やり直しが難しい理由になります。
一度実施した実況見分をやり直すのが難しい理由を解説します。
- 当事者の希望だけで再度の実況見分を実施してもらえるわけではない
- 一度作成された実況見分調書は原則として書き換えられない
- 時間が経つほど事故当時の状況を再現するのが難しくなる
当事者の希望だけで再度の実況見分を実施してもらえるわけではない
実況見分は、警察などの捜査機関が事故状況や証拠を確認するために実施する捜査です。
当事者同士の主張を調整するための手続ではないため、意見が食い違っているという理由だけで繰り返し実施されるものではありません。
交通事故では、当事者同士で過失割合について揉めることも珍しくありません。
その際、実況見分調書に記録された事故現場の状況などが、事故態様を判断するための資料として活用される場合があります。
自分に不利な過失割合を提示された側が、実況見分の内容がおかしいと感じることもあるでしょう。
しかし、当事者が結果に納得できないという理由だけで、その都度実況見分をやり直していてはきりがありません。
また、当事者の希望によって何度も実況見分を実施し、そのたびに内容が変われば、事故当時の状況を記録した資料としての信用性にも影響します。
そのため、再度の実況見分は、改めて事故状況を確認する必要性がある場合に限られます。
一度作成された実況見分調書は原則として書き換えられない
実況見分を実施すると、警察官が確認した事故現場の状況や当事者の説明などをもとに実況見分調書が作成されます。
一度作成された実況見分調書は、その時点で実施した捜査の結果を記録した書類です。
そのため、あとから当事者が説明を変更したり、内容に納得できないと申し出たりしても、原則として既存の調書を書き換えることはありません。
仮に最初の実況見分とは異なる事実が判明した場合でも、元の実況見分調書を修正してなかったことにするのではなく、新たな捜査や供述などを別の記録として残すのが基本です。
時間が経つほど事故当時の状況を再現するのが難しくなる
実況見分は、事故現場の道路状況や車両の位置、当事者が危険を認識した地点などを確認し、事故当時の状況を記録します。
しかし、事故から時間が経過すると、現場の状況が変わっている可能性があります。
工事によって道路の形状や標識が変わったり、事故直後に残っていたタイヤ痕や車両の破片などがなくなったりすることもあるでしょう。
また、時間の経過とともに当事者や目撃者の記憶が曖昧になり、事故直後と同じように状況を説明するのが難しくなります。
事故当時の状況を正確に再現できなければ、改めて実況見分を実施する意味も薄れてしまいます。
そのため、時間が経過してから実況見分をやり直すのは簡単ではありません。
実況見分のやり直しが認められるケース
実況見分は基本的にやり直すものではありませんが、事故状況を正しく把握するために再度の確認が必要となれば、改めて実施される可能性があります。
実況見分のやり直しが認められる可能性があるケースを紹介します。
- 最初の実況見分に誤りがあることが判明した
- ドライブレコーダーなど新たな証拠が見つかった
- 最初の実況見分で十分な確認ができなかった
- 実況見分調書に虚偽の内容が記載されている
- 事故直後の実況見分に立ち会えなかった
最初の実況見分に誤りがあることが判明した
最初の実況見分で確認した内容に重大な誤りがあることが判明した場合は、実況見分がやり直される可能性があります。
たとえば、以下のような場合です。
- 実際とは異なる場所が衝突地点として記録されている
- 車両の進行方向や走行位置が間違っている
- 信号の状況が実際と異なっている
- ブレーキをかけた地点や危険を認識した地点が間違っている
- 道路の幅や標識、停止線など事故現場の状況に誤りがある
このように、事故がどのように発生したのかを判断するうえで重要な部分に誤りがあれば、改めて現場を確認する必要性が生じます。
特に、誤った内容を前提にすると事故態様そのものが変わってしまう場合は、再度実況見分が実施される可能性があるでしょう。
ドライブレコーダーなど新たな証拠が見つかった
最初の実況見分を実施したあとに、新たな証拠によって事故状況の前提が大きく変わった場合は、実況見分がやり直される可能性があります。
たとえば、青信号で交差点へ進入したと説明していたものの、あとから見つかったドライブレコーダーには赤信号で進入する様子が映っていた場合です。
ほかにも、衝突地点や車両の進行方向、事故直前の車両の動きなどが、最初の実況見分と大きく異なると判明する場合が考えられます。
一方、相手が運転中にスマートフォンを操作していたことが新たに判明したなど、追加の証拠として扱えば足りる内容であれば、必ずしも現場で実況見分をやり直す必要はありません。
新しい事実が見つかったかどうかではなく、その証拠によって最初の実況見分で確認した事故態様を改めて確認する必要が生じるかがポイントになります。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
最初の実況見分で十分な確認ができなかった
最初の実況見分が十分に行われておらず、事故状況を判断するために必要な確認ができていない場合は、改めて実況見分が実施される可能性があります。
たとえば、事故現場の交通量が多く長時間の確認が難しかった場合や、悪天候によって道路上の痕跡などを十分に確認できなかった場合です。
事故処理を優先したため、簡単な現場確認だけで終わっている場合なども考えられます。
また、事故直後には確認できなかった重要な地点や車両の動きについて、追加で現場を確認する必要が生じることもあります。
最初の実況見分を実施したという事実だけで再実施の必要性がなくなるわけではありません。
事故状況を明らかにするために必要な確認が不足していれば、再度実況見分が行われる可能性があります。
実況見分調書に虚偽の内容が記載されている
実況見分調書に事実と異なる内容が記載されている場合も、事故状況を改めて確認する必要が生じる可能性があります。
過去には、交通事故を担当した警察官が現場に残された物的な痕跡を十分に検討せず、一方当事者の説明を信用して事故原因を誤認し、実況見分調書に事実と異なる内容を記載したことが問題となった裁判例があります。
単なる表現の違いではなく、事故原因や事故態様の判断を左右するような虚偽・重大な誤りがある場合は、実況見分をやり直しが認められるでしょう。
事故直後の実況見分に立ち会えなかった
重傷事故では治療が優先されるため、事故直後は警察が現場を確認し、立ち会える当事者から話を聞くことがあります。
その後、けがが回復して本人から詳しい説明を聞ける状態になれば、本人を立ち会わせて実況見分を実施する場合があります。
ただし、立ち会えなかったからといって、必ず後日実況見分が行われるわけではありません。
現場の状況やほかの証拠から事故状況を確認できる場合は、後日の事情聴取だけで終わることもあります。
そのため、事故直後に立ち会えなかった場合は、捜査上の必要性に応じて実況見分が改めて実施される可能性があると考えておきましょう。
実況見分調書だけで過失割合は決まらない|過失割合を決める主な要素
実況見分調書は、交通事故の過失割合を判断する際に重要な資料のひとつです。
しかし、実況見分調書に記載された内容だけで過失割合が決まるわけではありません。
過失割合は、事故の類型ごとに定められた基本過失割合をもとに、速度超過などの修正要素やドライブレコーダーの映像、事故現場の状況などを考慮して判断します。
交通事故の過失割合を決める際に考慮される主な要素を解説します。
- 事故の類型と基本過失割合
- 速度超過などの修正要素
- ドライブレコーダーや防犯カメラの映像
- 事故現場や車両の状況
- 当事者や目撃者の証言
- 当事者同士の話し合い
事故の類型と基本過失割合
交通事故の過失割合は、まず事故の類型に応じた基本過失割合を確認するのが一般的です。
たとえば、信号機のない同程度の幅員の道路が交わる交差点で、直進車同士が衝突した事故では、左方車40:右方車60が基本過失割合となります。
また、追突事故では、基本的に追突車100:追突された車0です。
実務では、過去の裁判例をもとに事故類型ごとの基本過失割合をまとめた別冊判例タイムズなどが参考にされています。
ただし、基本過失割合がそのまま最終的な過失割合になるとは限りません。
実際の事故状況に応じて、次に解説する修正要素などを考慮して調整されます。
関連記事:信号無視による交通事故の過失割合|違反点数や罰則をわかりやすく解説
速度超過などの修正要素
基本過失割合を確認したうえで、実際の事故に速度超過などの事情があれば、過失割合を修正するのが一般的です。
代表的な修正要素には、速度超過や著しい前方不注意、酒気帯び運転、合図を出さずに右左折した場合などがあります。
また、見通しの悪い交差点や夜間といった道路・事故状況が修正要素になることもあるでしょう。
どの事情が修正要素になるか、何%修正されるかは事故類型によって異なります。
そのため、同じような場所で発生した事故でも、事故当時の具体的な状況によって最終的な過失割合は変わります。
ドライブレコーダーや防犯カメラの映像
ドライブレコーダーや防犯カメラの映像は、事故当時の状況を映像として直接確認できる重要な証拠です。
映像からは、信号の色や車両の進行方向、走行速度、衝突地点、相手が一時停止していたかなどを確認できる場合があります。
当事者同士の説明が食い違っている事故では、客観的な証拠として非常に有力です。
たとえば、相手が実況見分で青信号だったと説明していても、映像から赤信号で交差点へ進入したことが確認できれば、相手の説明どおりに事故状況が判断されるとは限りません。
実況見分調書と映像の内容が食い違っている場合でも、映像を含めた証拠から事故状況が判断されます。
その結果、それまで提示されていた過失割合が見直される可能性もあります。
関連記事:ドラレコなしでも過失割合は不利になるとは限らない|証拠の集め方と対処法を解説
事故現場や車両の状況
交通事故の直後は、突然の出来事に動揺し、事故状況を正確に説明できないことがあります。
時間が経ってから当時の状況を振り返り、警察に説明した内容に違和感を覚えることもあるでしょう。
そのような場合に重要になるのが、事故直後の現場写真や車両の損傷状況です。
事故直後に撮影した写真には、車両の位置や道路上の痕跡など、時間の経過によって失われる事故当時の状況が残っている場合があります。
事故直後に撮影された写真や車両に残された損傷は、当事者の記憶や説明だけに頼らず、事故状況を確認するための客観的な証拠として過失割合の判断に用いられます。
当事者や目撃者の証言
事故の当事者は、事故が発生した瞬間を自分の目で見ているため、その証言は事故状況を判断する重要な材料です。
ただし、事故直後の動揺などによって認識を間違えている可能性もあります。
また、過失割合をめぐって争っている場合には、それぞれが自分に有利な説明をすることもあり、当事者の証言だけでは信用性を判断するのが難しいこともあるでしょう。
そのような場合に重要になるのが、事故と利害関係のない第三者による目撃証言です。
当事者とは関係のない人が信号の色や車両の動きなどを目撃していれば、どちらの説明が実際の事故状況に近いのかを判断する材料になります。
そのため、当事者の証言だけでなく、目撃者の証言やほかの客観的な証拠も踏まえて過失割合が判断されます。
当事者同士の話し合い
交通事故の過失割合は、警察が決めるものではありません。
最終的には、事故状況や証拠をもとに当事者同士の話し合いによって決めるのが一般的です。
実際の交渉は、当事者本人ではなく保険会社の担当者や弁護士が行うことも多くあります。
そのため、事故状況に合った基本過失割合を選択できるか、適切な修正要素を主張できるか、証拠をもとに相手の主張へ反論できるかといった点も重要です。
同じ証拠があっても、その内容を適切に主張できなければ、自分に不利な過失割合で合意してしまう可能性があります。
つまり、過失割合は実況見分調書だけで機械的に決まるものではなく、証拠をもとにどのような主張・交渉をするかも、最終的な過失割合に影響する要素のひとつです。
実況見分をやり直す際の注意点
実況見分が再度行われる場合は、最初の実況見分と同じように、事故当時の状況をできるだけ正確に説明することが大切です。
実況見分をやり直す際は、以下のことに注意しましょう。
- 記憶が曖昧な部分を推測で説明しない
- 最初の実況見分と説明が変わった理由を明確にする
- 警察官に自分の説明が正しく伝わっているか確認する
- 納得できない内容の書類には安易に署名・押印しない
記憶が曖昧な部分を推測で説明しない
実況見分では、事故当時にどこを走っていたのか、相手の車にいつ気づいたのか、どの地点でブレーキをかけたのかなど、事故発生までの状況を詳しく確認されます。
しかし、実況見分をやり直す頃には事故から時間が経過しており、当時の記憶が曖昧になっていることもあるでしょう。
そのような状態で、たぶんこのあたりだったなどと推測して答えると、最初の実況見分やドライブレコーダーなどの客観的な証拠と矛盾する可能性があります。
説明が何度も変われば、供述自体の信用性を疑われる原因にもなります。
覚えていない部分や確信が持てない部分については、無理に答えを作らず、その旨を正直に伝えることが大切です。
関連記事:実況見分を有利に進める方法とは?ポイントや立ち会えない場合、基本的な流れを紹介
最初の実況見分と説明が変わった理由を明確にする
実況見分をやり直すということは、最初の実況見分の内容に何らかの納得できないことや、新たに確認すべき事情があったということです。
そのため、最初の説明と異なる内容を伝える場合は、なぜ説明が変わったのかを明確にする必要があります。
単に前は間違っていたと伝えるだけでなく、認識が変わった理由まで説明することが大切です。
さらに、ドライブレコーダーの映像や事故直後の写真など、その説明を裏付ける証拠があれば、変更した理由にも説得力を持たせやすくなります。
理由を説明せずに供述だけを変えると、自分に有利になるよう説明を変えたのではないかと疑われ、供述の信用性に影響する可能性があります。
警察官に自分の説明が正しく伝わっているか確認する
実況見分では、自分が説明した内容と警察官の受け取り方にズレが生じることもあります。
そのため、質問された内容に答えるだけでなく、自分の説明が正しく伝わっているか確認することが大切です。
警察官の説明や記録している内容を確認して、少しでも自分の認識と違うと感じた場合は、その都度伝えて訂正してもらいましょう。
曖昧なまま実況見分を進めると、自分が意図していなかった内容で記録が残ってしまう可能性があります。
納得できない内容の書類には安易に署名・押印しない
実況見分の際に署名・押印を求められた場合は、記載されている内容を確認し、自分が説明した内容と食い違っていないかを確認しましょう。
誤りや納得できない部分があれば、その場で警察官に伝えて訂正を求めることが大切です。
一度署名・押印すると、自分が内容を確認したうえで署名したものとして扱われます。
特に実況見分を一度やり直している場合、さらにもう一度やり直してもらうのは非常に難しいでしょう。
そのため、署名・押印する前に内容をじっくり確認し、自分の認識と間違いがないと納得できてから対応することが重要です。
実況見分のやり直しができない場合の対処法
実況見分のやり直しを希望しても、必ず警察に再実施してもらえるわけではありません。
実況見分の内容に納得できないものの、やり直しが認められなかった場合は、以下の方法で対応しましょう。
- 警察に事故状況について改めて説明する
- 客観的な証拠を集めて事故状況を立証する
- 弁護士に相談する
警察に事故状況について改めて説明する
実況見分をやり直してもらえなくても、事故状況について警察へ改めて説明することは可能です。
最初の実況見分で自分の説明が十分に伝わっていなかった場合や、あとから認識の誤りに気づいた場合は、その内容を警察に伝えましょう。
ただし、実況見分調書そのものをあとから書き換えてもらえるわけではありません。
必要に応じて追加の事情聴取が行われ、供述調書など別の記録として残されることがあります。
客観的な証拠を集めて事故状況を立証する
実況見分をやり直せなくても、客観的な証拠をもとに事故状況を立証することは可能です。
ドライブレコーダーや防犯カメラの映像、事故直後の現場写真、車両の損傷状況などがあれば、実況見分調書とは別の証拠として事故状況を判断する材料になります。
実況見分調書も、事故状況を判断するための証拠のひとつです。
記載されている内容だけが絶対的な事実として扱われるわけではなく、ほかの証拠も含めて実際の事故状況が判断されます。
そのため、実況見分のやり直しだけにこだわるのではなく、実況見分調書の内容と異なる事故状況を裏付けられる客観的な証拠を集めることが重要です。
弁護士に相談する
弁護士に相談すれば、実況見分調書だけでなく、ドライブレコーダーや現場写真、目撃者の証言などを確認し、ほかの証拠や主張を使ってどのように対応すべきか判断してもらえます。
特に過失割合で揉めている場合は、客観的な証拠や事故状況をもとに相手側へ反論し、適切な過失割合になるよう交渉してもらうことも可能です。
実況見分をやり直せない場合は、その内容を変えることだけにこだわらず、現在ある材料を使って不利な状況にどう対応するかを検討することが重要です。
実況見分のやり直しで困った場合に弁護士へ相談するメリット
実況見分のやり直しで困っている場合に弁護士へ相談する主なメリットを紹介します。
- 現在の実況見分の内容が自分に不利か判断してもらえる
- 過失割合について相手方と交渉してもらえる
- 民事・刑事の両面から対応してもらえる
- 実況見分以外の事故対応もまとめてサポートしてもらえる
現在の実況見分の内容が自分に不利か判断してもらえる
実況見分の内容に納得できない部分があっても、その内容が実際に自分へ不利益を与えるものなのかは別の問題です。
自分では過失割合に大きな影響が出ると思っていても、事故類型やほかの証拠を踏まえると、それほど重要な内容ではない可能性もあります。
反対に、自分では小さな違いだと思っていた部分が、過失割合を左右する重要な要素になることもあるでしょう。
どの程度の影響があるのかを自分だけで判断するのは簡単ではありません。
交通事故に詳しい弁護士へ相談すれば、実況見分調書やほかの証拠を確認したうえで、問題となっている内容が過失割合などにどの程度影響するのか判断してもらえます。
過失割合について相手方と交渉してもらえる
交通事故では、自分が加入している保険会社が相手方との示談交渉を行うのが一般的です。
しかし、保険会社同士の交渉で提示された過失割合に納得できないこともあります。
弁護士へ依頼すれば、保険会社に代わって過失割合の交渉を任せられます。
実況見分の内容に疑問がある場合も、その影響を確認したうえで、必要な主張を相手方へ伝えてもらえます。
また、自分に過失がない事故では、自分の保険会社が示談交渉を代行できません。
このような場合も、弁護士へ依頼すれば自分で相手方と交渉する負担を減らせます。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
民事・刑事の両面から対応してもらえる
自分が加入している保険会社に事故対応を任せている場合でも、刑事事件の弁護活動まで対応してもらえるわけではありません。
警察や検察による捜査への対応などは、自分で対応するか弁護士へ相談する必要があります。
弁護士へ依頼すれば、相手方との損害賠償に関する対応だけでなく、実況見分や事情聴取、その後の刑事手続についても相談できます。
民事と刑事で別々に対応するのではなく、交通事故に関する問題を両面からサポートしてもらえることが弁護士へ依頼するメリットです。
実況見分以外の事故対応もまとめてサポートしてもらえる
弁護士に依頼できるのは、実況見分に関する対応だけではありません。
交通事故後に必要となるさまざまな手続について、まとめて相談可能です。
交通事故では、相手方との示談交渉をはじめ、治療費や休業損害の請求、後遺障害等級の申請、損害賠償額の確認など、事故後にも多くの対応が必要になります。
弁護士に依頼すれば、実況見分への対応と並行して、こうした手続についても状況に応じたサポートを受けられます。
実況見分のやり直しだけを解決するのではなく、事故発生から示談成立まで一連の対応を任せられることも、弁護士へ依頼するメリットです。
実況見分のやり直しに関するよくある質問
実況見分のやり直しに関するよくある質問を紹介します。
- 実況見分で加害者に会いたくない場合はどうすればいい?
- 実況見分を加害者が拒否することはできる?
- 実況見分が加害者のみで行われた場合はやり直しできる?
- 実況見分は事故から何日後に行われる?
- 実況見分調書を保険会社が取り寄せることはできる?
- 現場検証と実況見分の違いは?
実況見分で加害者に会いたくない場合はどうすればいい?
実況見分は、被害者と加害者が必ず同時に立ち会うわけではありません。
加害者に会いたくない事情がある場合は、事前に警察へ相談しましょう。
警察の判断によりますが、実施する時間をずらすなど、双方が顔を合わせない形で実況見分を行える場合があります。
事故による恐怖心が強い場合なども、無理に我慢せず、実況見分の日程を調整する段階で警察へ事情を伝えておくことが大切です。
実況見分を加害者が拒否することはできる?
実況見分への立ち会いは基本的に任意であるため、加害者が立ち会いを拒否することは可能です。
加害者が拒否した場合でも実況見分自体ができなくなるわけではなく、被害者のみを立ち会わせて実施されることがあります。
ただし、自ら立ち会いを拒否したあとに、内容に納得できないことを理由として実況見分のやり直しを求めても、再実施してもらうのは難しいでしょう。
実況見分が加害者のみで行われた場合はやり直しできる?
事故直後に被害者が救急搬送された場合などは、加害者のみが立ち会って実況見分が行われることがあります。
その後、被害者が事故状況を説明できる状態になれば、改めて被害者を立ち会わせて実況見分が行われる可能性があります。
実況見分は事故から何日後に行われる?
実況見分が行われるまでの日数に、明確な決まりはありません。
事故直後にそのまま現場で実施されることもあれば、けがで救急搬送された場合などは、後日改めて日程を調整して行われることもあります。
後日実施する場合は、けがの回復状況や当事者・警察の日程などによって時期が変わるため、事故から何日後に行われるとは一概にいえません。
実況見分調書を保険会社が取り寄せることはできる?
保険会社が警察から直接、実況見分調書を自由に取り寄せられるわけではありません。
実況見分調書は刑事事件の捜査資料であるため、捜査中は原則として入手が難しくなります。
一方、刑事事件が終了したあとは、被害者本人や弁護士などが検察庁で閲覧・謄写できる場合があります。
保険会社が過失割合を判断するために実況見分調書の内容を必要とする場合は、被害者側などが取得した資料を提出する形で利用することは可能です。
現場検証と実況見分の違いは?
現場検証と実況見分の大きな違いは、裁判所が発付する令状の有無です。
実況見分は、当事者などの任意の協力を得て事故現場の状況を確認する捜査で、原則として令状は必要ありません。
一方、現場検証は刑事訴訟法に基づく検証として、裁判官が発付した令状によって強制的に行われます。
そのため、対象者の同意がなくても実施できます。
まとめ
実況見分は、一度実施すると当事者の希望だけで簡単にやり直せるものではありません。
ただし、最初の実況見分に重大な誤りがある場合や、新たな証拠によって事故状況の前提が変わった場合などは、再度実施される可能性があります。
実況見分のやり直しが認められなくても、その内容だけで過失割合や事故の責任が決まるわけではありません。
ドライブレコーダーや事故直後の写真、目撃者の証言など、ほかの証拠から事故状況を主張することも可能です。
実況見分の内容がどの程度影響するのかわからない場合や、やり直しができず対応に困っている場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談しましょう。
大切な人を守りたい。交通事故慰謝料に強い弁護士を探す
事故後の対応、示談交渉や慰謝料など賠償金の算定など、役に立つ情報満載。交通事故に強い優秀な弁護士を数多く紹介しています。