
スマートフォンを操作しながら運転する「ながら運転」は、重大な交通事故につながる危険な行為です。
わずか数秒のよそ見でも前方への注意がおろそかになり、歩行者や自転車、前方の車へ衝突する事故が発生しています。
近年は、ながら運転による交通事故が社会問題となっており、罰則も強化されています。
交通事故を起こした場合は、反則金や違反点数だけでなく、損害賠償や刑事責任を負うことも少なくありません。
本記事では、ながら運転の定義や罰則、交通事故を起こした場合の責任、事故発生時の対応や再発防止のポイントについて詳しく解説します。
・ながら運転による交通事故の発生状況は、2020年の死亡・重傷事故が67件だったのに対し、2025年には148件まで増加
・ながら運転に対する罰則は、携帯電話等を保持して通話や画面を注視した場合の罰則(保持)、携帯電話等の使用により交通の危険を生じさせた場合の罰則(交通の危険)
・ながら運転で交通事故が発生したときの対応は、けが人の救護と状況を確認する、警察へ報告する、相手方と連絡先を交換する、事故現場の状況を記録に残す、実況見分に協力する、保険会社へ連絡する
・ながら運転による交通事故を防ぐためのポイントは、手元にスマートフォンを置かない、ルートの再確認はコンビニなど安全な場所に停車してから行う、ハンズフリー機能を活用する
ながら運転とは
ながら運転とは、自動車やバイク、自転車などを運転しながらスマートフォンや携帯電話を操作したり、画面を注視したりする行為です。
運転中にメッセージを確認したり、地図アプリを操作したり、少しだけだから大丈夫と思ってスマートフォンを見る人も少なくありません。
しかし、わずか数秒のよそ見でも重大な交通事故につながる危険があります。
ながら運転による交通事故の発生状況や危険性について解説します。
- ながら運転による交通事故の発生状況
- 2秒のよそ見で交通事故につながる
ながら運転による交通事故の発生状況
警察庁の統計によると、携帯電話等を使用したことが原因となった死亡・重傷事故は、近年増加傾向にあります。令和2年以降の推移は以下のとおりです。
| 年 | 死亡・重傷事故件数 |
|---|---|
| 2020年 | 67件 |
| 2021年 | 79件 |
| 2022年 | 93件 |
| 2023年 | 129件 |
| 2024年 | 138件 |
| 2025年 | 148件 |
参考元:やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用|警察庁Webサイト
2020年は67件だった死亡・重傷事故は、2025年には148件まで増加しました。
5年間で約2.2倍となっており、ながら運転による重大事故は深刻な状況です。
また、2025年に発生した148件のうち、画像目的(スマートフォンの画面確認や操作など)が136件を占めています。
一方、通話目的は12件にとどまっており、事故の多くは通話ではなく、画面を見続けることが原因です。
少しだけメッセージを確認する、カーナビを操作するといった短時間のよそ見でも、重大な交通事故につながるおそれがあります。
運転中はスマートフォンを操作せず、安全な場所へ停車してから使用することが大切です。
2秒のよそ見で交通事故につながる
スマートフォンを確認する時間はほんの数秒でも、その間に車は想像以上の距離を進みます。
2秒間で自動車が進む距離は、速度によって以下のとおりです。
| 走行速度 | 2秒間で進む距離 |
|---|---|
| 10km/h | 約5.6m |
| 20km/h | 約11.1m |
| 30km/h | 約16.7m |
| 40km/h | 約22.2m |
| 50km/h | 約27.8m |
| 60km/h | 約33.3m |
参考元:たった2秒の油断が命取り!ながら運転の危険 – 埼玉県警察
例えば、時速60kmで走行している場合、スマートフォンを2秒間見ただけで約33mも前方を確認しないまま走行することになります。
これは横断歩道や交差点を通過できるほどの距離です。
その間に歩行者が飛び出したり、前方の車が急ブレーキをかけたりしても、発見やブレーキ操作が遅れ、重大な交通事故につながるおそれがあります。
少しだけ確認するつもりだったという短時間のよそ見でも危険性は変わりません。
運転中はスマートフォンを操作せず、必要な場合は安全な場所へ停車してから確認しましょう。
ながら運転に対する罰則
ながら運転は交通事故につながる危険性が高いため、道路交通法で厳しく規制されています。
単にスマートフォンを手に持って通話したり画面を注視したりした場合だけでなく、その結果として交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合は、さらに重い罰則が科されます。
ながら運転に対する罰則について見ていきましょう。
- 携帯電話等を保持して通話や画面を注視した場合の罰則(保持)
- 携帯電話等の使用により交通の危険を生じさせた場合の罰則(交通の危険)
- 自転車のながら運転にも罰則がある
携帯電話等を保持して通話や画面を注視した場合の罰則(保持)
運転中に携帯電話やスマートフォンを手に持って通話したり、画面を注視したりすると、「携帯電話使用等(保持)」として処罰の対象です。
ここでいう「注視」とは、安全運転に必要な前方確認がおろそかになる程度に画面を見続けることです。
通話だけでなく、メッセージの確認や地図アプリの操作なども違反になる可能性があります。
罰則は以下のとおりです。
| 内容 | 罰則 |
|---|---|
| 違反点数 | 3点 |
| 反則金(普通車) | 18,000円 |
| 反則金(二輪車) | 15,000円 |
| 反則金(原付) | 12,000円 |
| 刑事罰 | 6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
運転中にスマートフォンを操作する必要がある場合は、安全な場所へ停車してから行いましょう。
携帯電話等の使用により交通の危険を生じさせた場合の罰則(交通の危険)
運転中にスマートフォンや携帯電話を使用した結果、交通事故を起こしたり、歩行者や他の車両を急ブレーキや急ハンドルで避けさせたりするなど、交通の危険を生じさせた場合は「携帯電話使用等(交通の危険)」として、さらに重い罰則が科されます。
「携帯電話使用等(保持)」とは異なり、反則金を納めて終わる違反ではありません。
刑事手続きの対象となり、一発で免許停止処分になる可能性があります。罰則は以下のとおりです。
| 内容 | 罰則 |
|---|---|
| 違反点数 | 6点(一発で免許停止の対象) |
| 反則金 | なし(非反則行為) |
| 刑事罰 | 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
スマートフォンを少し操作しただけでも、事故や危険な状況を発生させれば重い責任を負うことになります。
自転車のながら運転にも罰則がある
ながら運転の罰則は、自動車やバイクだけではありません。自転車でスマートフォンを手に持って通話したり、画面を注視しながら運転したりする行為も禁止されています。
2024年11月からは、自転車のながらスマホにも罰則が設けられました。
違反した場合は、6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が科される可能性があります。
さらに、ながらスマホによって交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と、より重い罰則の対象です。
自転車は自動車ほどスピードは出ませんが、重大な交通事故につながる可能性がありますので、十分に注意しましょう。
関連記事:自転車同士の事故に遭ったら|過失割合・損害賠償・判例を徹底解説
ながら運転で交通事故を起こした場合の責任
ながら運転で交通事故を起こした場合は、交通違反の罰則だけで終わるわけではありません。
事故によって相手にけがを負わせたり死亡させたりした場合は、損害賠償責任や刑事責任、行政上の責任を負う可能性があります。
ながら運転で交通事故を起こした場合に生じる3つの責任について解説します。
- 民事上の責任(損害賠償)
- 刑事上の責任(懲役や罰金など)
- 行政上の責任(違反点数や免許停止など)
民事上の責任(損害賠償)
民事上の責任とは、交通事故によって相手に生じた損害を金銭で賠償する責任です。
ながら運転で事故を起こして相手にけがをさせた場合は、主に以下のような損害賠償を請求される可能性があります。
- 治療費
- 通院交通費
- 休業損害
- 慰謝料
- 車両や物の修理費
- 後遺障害逸失利益
- 死亡逸失利益・死亡慰謝料(死亡事故の場合)
相手の車やバイク、自転車などを壊した場合は、修理費や買替費用を負担しなければなりません。
一方、治療費や休業損害、慰謝料などは、相手がけがをした場合に発生する損害賠償です。
そのため、事故の状況によって請求される項目や金額は異なります。
刑事上の責任(懲役や罰金など)
刑事上の責任とは、法律に違反した人に対して科される責任です。
ながら運転で交通事故を起こし、相手にけがをさせたり死亡させたりした場合は、過失運転致傷罪や過失運転致死罪などに問われる可能性があります。
警察による捜査や検察官による起訴を経て、裁判所がどの罪に該当するのか、懲役や罰金などの刑罰を科すかどうかを判断します。
一方、民事上の責任である治療費や慰謝料などの損害賠償は、保険会社同士の示談交渉によって解決するのが一般的です。
刑事上の責任とは手続きや判断する機関が異なります。
行政上の責任(違反点数や免許停止など)
行政上の責任とは、交通違反をした人に対して、違反点数や免許停止などの行政処分が科される責任です。
ながら運転をすると、違反の内容に応じて違反点数が加算されます。
また、ながら運転が原因で交通事故を起こすなど「交通の危険」を生じさせた場合は、違反点数6点となり、前歴がない場合でも免許停止の対象です。
これらの行政処分は、裁判所が決めるものではありません。
警察からの報告をもとに、公安委員会が道路交通法などで定められた基準に従って処分を決定します。
そのため、ながら運転で交通事故を起こした場合は、刑事上の責任とは別に、免許停止などの行政処分を受けます。
関連記事:免停を回避・軽減する方法|回避しやすいケースと弁護士に相談するメリット
ながら運転で交通事故が発生したときの対応
ながら運転で交通事故を起こした場合は、慌てずに適切な対応を取ることが重要です。
ながら運転による交通事故が発生した際に取るべき対応を順番に解説します。
- けが人の救護と状況を確認する
- 警察へ事故を報告する
- 相手方と連絡先を交換する
- 事故現場の状況を記録に残す
- 警察の現場確認や実況見分に協力する
- 保険会社へ連絡する
- 必要に応じて病院を受診する
けが人の救護と状況を確認する
交通事故を起こした場合は、何よりも先にけが人の救護を行いましょう。
相手や同乗者、自分自身にけが人がいる場合は、安全な場所へ避難させたうえで、必要に応じて119番へ通報してください。
交通事故を起こした運転者には救護義務があり、救護をせずに現場を立ち去ると救護義務違反(ひき逃げ)になります。
また、事故による車両の損傷状況も確認しましょう。
事故の状況によっては自走できない場合もあるため、無理に車を動かさず、安全を確保したうえで次の対応へ進んでください。
関連記事:ひき逃げされた場合にまず行うべき対応|重要な証拠や検挙率、見つからない場合の対処法
警察へ事故を報告する
けが人の救護を終えたら、速やかに110番通報をして警察へ事故を報告しましょう。
交通事故を起こした運転者には、警察へ事故を報告する義務があります。
物損事故だからといって報告しないまま帰ると、報告義務違反になります。
また、警察へ届け出をしないと交通事故証明書が発行されません。
交通事故証明書は、自動車保険を請求する際に必要になりますので、軽い事故でも必ず警察へ連絡することが大切です。
関連記事:交通事故の報告(通報)義務とは?必要なケースや違反の点数・リスクを解説
相手方と連絡先を交換する
警察へ事故を報告したら、相手方と連絡先を交換しましょう。
少なくとも、以下の情報は確認しておくことをおすすめします。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 車のナンバープレート
これらの情報が分からないと、保険会社へ事故を報告する際や、その後の損害賠償請求、示談交渉などをスムーズに進められない可能性があります。
なお、連絡先の交換は警察官が到着してからでも問題ありません。
事故の状況に応じて、証拠の保存と連絡先の交換を進めましょう。
関連記事:交通事故で連絡先の交換は必要?交換する情報や教えたくないときの対処法を解説
事故現場の状況を記録に残す
事故現場の状況は、できるだけ詳しく記録しておきましょう。
例えば、以下のようなものを撮影しておくことをおすすめします。
- 車両全体の位置関係
- 車両の損傷箇所
- ブレーキ痕や飛散物
- 信号機や道路標識
- 周辺の道路状況
また、ドライブレコーダーの映像がある場合は、上書きされる前に保存してください。
これらの証拠は、事故状況や過失割合を判断する重要な資料です。
保険会社との示談交渉や裁判になった場合にも役立つため、事故現場の状況はできるだけ多く記録しておきましょう。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
警察の現場確認や実況見分に協力する
警察が到着したら、事故の状況をできるだけ正確に説明しましょう。
人身事故では、警察による実況見分が行われることがあります。
実況見分では、事故が発生した場所や車両の位置、衝突状況などを確認し、事故の状況を記録します。
なお、スマートフォンを見ていたので私がすべて悪いですなど、自分の過失を認めるような発言は避けた方がよいでしょう。
ながら運転をしていたとしても、事故の状況によっては相手方にも過失が認められる場合があります。
警察には、事実に基づいて事故状況を正確に説明することが大切です。
分からないことは無理に答えず、覚えている範囲で落ち着いて伝えましょう。
関連記事:実況見分を有利に進める方法とは?ポイントや立ち会えない場合、基本的な流れを紹介
保険会社へ連絡する
事故現場での対応が終わったら、できるだけ早く保険会社へ連絡しましょう。
保険会社へ連絡すると、事故状況の確認や保険金請求の手続き、今後の流れについて案内を受けられます。
また、相手方との示談交渉を任意保険会社が代行してくれます。
なお、事故の報告が遅れると、保険金の支払いに影響する可能性もあります。
事故の大小にかかわらず、速やかに保険会社へ連絡することが大切です。
関連記事:保険会社の対応が悪いときの対処法|相談先やNG対応を実態とともに解説
必要に応じて病院を受診する
事故直後に痛みや違和感がなくても、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
交通事故では、むちうちや打撲などの症状が数時間後から数日後に現れることもあります。
大丈夫だと思ったから受診しなかったというケースも少なくありません。
また、事故から時間が経って受診すると、交通事故との因果関係を疑われ、治療費や慰謝料などが十分に補償されない可能性もあります。
症状が軽い場合でも自己判断せず、事故後は早めに医師の診察を受けることが大切です。
ながら運転による交通事故を防ぐためのポイント
ながら運転は、少しスマートフォンへ目を向けただけでも重大な交通事故につながる危険があります。
しかし、スマートフォンの置き場所や使い方を工夫するだけでも、ながら運転を防げるケースは少なくありません。
ながら運転による交通事故を防ぐために意識したいポイントを紹介します。
- 手元にスマートフォンを置かない
- ルートの再確認はコンビニなど安全な場所に停車してから行う
- ハンズフリー機能を活用する
手元にスマートフォンを置かない
ながら運転を防ぐためには、運転中にスマートフォンへ手を伸ばさない環境を作ることが大切です。
例えば、スマートフォンをカバンの中へ入れたり、運転中は通知をオフにしたりすると、着信やメッセージが気になりにくくなります。
また、助手席や膝の上など、すぐ手が届く場所にスマートフォンを置いていると、「少しだけ確認しよう」という気持ちから、ながら運転につながることもあります。
運転中はスマートフォンをすぐに操作できない場所へ保管し、運転に集中できる環境を整えましょう。
ルートの再確認はコンビニなど安全な場所に停車してから行う
目的地の設定やルートの変更など、カーナビやスマートフォンを操作する場合は、安全な場所へ停車してから行いましょう。
運転中に目的地を入力したり、別のルートを検索したりすると、画面を注視する時間が長くなり、重大な交通事故につながるおそれがあります。
コンビニやサービスエリア、コインパーキングなど、安全に停車できる場所で操作すれば、ながら運転を防げます。
運転中にルートを変更したくなった場合でも、慌てて操作せず、安全な場所へ停車してから設定し直すことが大切です。
ハンズフリー機能を活用する
運転中に電話を利用する機会が多い場合は、ハンズフリー機能を活用しましょう。
ハンズフリー機能を利用すれば、スマートフォンを手に持って通話する必要がなくなるため、携帯電話を保持して通話するという違反を防げます。
なお、Bluetooth接続やハンズフリー機能の設定は、運転を始める前に済ませておくことが大切です。
運転中に設定や接続をすると、画面の操作や注視によって、ながら運転になるおそれがあります。
ながら運転による交通事故で弁護士に相談したほうがいい理由
弁護士へ相談すれば、事故状況を踏まえた適切なアドバイスを受けられるだけでなく、示談交渉や裁判まで一貫して対応してもらえます。
ながら運転による交通事故で弁護士へ相談するメリットについて解説します。
- 弁護士費用特約を使えば自己負担を抑えられる
- 弁護士基準で損害賠償を請求できる
- 適正な過失割合を主張できる
- 相手方との交渉を任せられる
- 裁判になった場合も一貫してサポートを受けられる
弁護士費用特約を使えば自己負担を抑えられる
自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合は、自己負担を抑えて弁護士へ依頼できます。
弁護士費用特約とは、交通事故で弁護士へ相談・依頼した際の費用を保険会社が負担してくれる特約です。
一般的には、法律相談料は10万円程度、弁護士費用は300万円程度まで補償されます。
交通事故で弁護士費用が300万円を超えるケースはほとんどないため、自己負担なく弁護士へ依頼できます。
また、弁護士費用特約を利用しても、等級が下がったり保険料が上がったりすることはありません。
デメリットがないため、利用できる場合は積極的に活用することをおすすめします。
関連記事:弁護士費用特約の使い方・利用の流れ|使うべきケースと弁護士の選び方を紹介
弁護士基準で損害賠償を請求できる
交通事故の損害賠償額には、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準があります。
このうち、弁護士基準は最も高額な基準です。
そのため、弁護士へ依頼することで、保険会社の提示額より損害賠償額が高くなることはあっても、低くなることはありません。
保険会社から提示された内容が適正かどうかを判断してもらえることも、弁護士へ依頼するメリットです。
弁護士へ依頼すれば、事故状況や過去の裁判例などを踏まえながら、弁護士基準で適正な損害賠償を請求してもらえます。
適正な過失割合を主張できる
ながら運転をしていたからといって、必ずしも過失割合が100:0になるわけではありません。
過失割合は、事故の原因や道路状況、お互いの運転状況などを総合的に判断して決まります。
そのため、ながら運転をしていた場合でも、事故状況によっては相手方にも一定の過失が認められるケースがあります。
特に、お互いが走行中に衝突した事故では、過失割合が争点になることも少なくありません。
保険会社から提示された過失割合が必ずしも適正とは限らないため、そのまま示談に応じる前に内容を確認することが大切です。
弁護士へ依頼すれば、ドライブレコーダーの映像や事故状況、過去の裁判例などを踏まえながら、適正な過失割合となるよう交渉してもらえます。
関連記事:交通事故の過失割合に納得いかないときは?対処法や決め方をわかりやすく紹介
相手方との交渉を任せられる
任意保険に加入している場合は、保険会社が相手方との示談交渉を代行するのが一般的です。
ただし、保険会社は保険契約に基づいて適正な保険金を支払う立場であり、依頼者の利益を最優先に交渉するわけではありません。
一方、弁護士は依頼者の代理人として、過失割合や損害賠償額が依頼者にとって適正な内容となるよう、法的な根拠や過去の裁判例を踏まえて交渉を進めます。
そのため、過失割合や損害賠償額で争いがある場合は、保険会社だけで対応するよりも有利に交渉できる可能性があります。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
裁判になった場合も一貫してサポートを受けられる
示談交渉で解決できない場合は、裁判へ発展することがあります。
任意保険会社は示談交渉を代行できますが、裁判では依頼者の代理人として対応できません。
そのため、裁判になった場合は、自分で対応するか弁護士へ依頼する必要があります。
弁護士へ依頼していれば、示談交渉だけでなく、訴訟の提起や裁判所へ提出する書類の作成、法廷での主張・立証まで一貫して対応してもらえます。
示談交渉から裁判まで同じ弁護士へ任せられるため、事故状況を一から説明し直す必要がなく、スムーズに対応を進められることもメリットです。
ながら運転による交通事故に関するよくある質問
ながら運転による交通事故に関するよくある質問を紹介します。
- ながら運転で後日呼び出しを受けることはある?
- 運転中に携帯電話を使用しても言い逃れできる?
- ながら運転で交通事故を起こした場合の罰則は?
- ながらスマホによる死亡事故はある?
- 運転中の携帯電話はどこまでダメ?
ながら運転で後日呼び出しを受けることはある?
ながら運転で交通事故を起こした場合は、後日警察から呼び出しを受けることがあります。
特に人身事故では、事故状況を詳しく確認するために事情聴取や実況見分への立ち会いを求められるケースも少なくありません。
また、事故当日に十分な確認ができなかった場合や、捜査を進める中で追加の確認が必要になった場合も呼び出されることがあります。
一方、事故を起こしておらず、その場で警察による取締りも受けなかった場合は、後日連絡が来ることはないでしょう。
運転中に携帯電話を使用しても言い逃れできる?
基本的には難しいでしょう。
運転中に携帯電話を手に持って通話したり、画面を注視したりしているところを警察官が現認した場合は、「少し見ただけ」「操作していない」と主張しても認められない可能性が高いです。
事実と異なる説明をすると、その後の手続きにも影響する可能性があります。
警察から事情を聞かれた場合は、事実に基づいて説明することが大切です。
ながら運転で交通事故を起こした場合の罰則は?
運転中にスマートフォンなどを使用したことで交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、違反点数は6点となり、前歴がない場合でも免許停止の対象です。
さらに、相手にけがを負わせたり死亡させたりした場合は、過失運転致傷罪や過失運転致死罪などに問われることもあります。
ながらスマホによる死亡事故はある?
ながらスマホが原因となった死亡事故は実際に発生しています。
警察庁によると、2025年(令和7年)は、携帯電話などを使用しながら運転したことが原因の重傷・死亡事故が148件発生しており、統計開始以来で最も多い件数となりました。
このうち、死亡事故は26件です。
ながらスマホは、わずか数秒のよそ見でも重大な交通事故につながる危険があります。
少しだけだから大丈夫と考えず、スマートフォンの操作は必ず安全な場所へ停車してから行いましょう。
運転中の携帯電話はどこまでダメ?
運転中は、携帯電話やスマートフォンを手に持って通話したり、画面を注視したりする行為が禁止されています。
一方で、カーナビの画面を一瞬確認したり、信号待ちで停止中に操作したりすることまで、一律に違反となるわけではありません。
ただし、安全運転に必要な前方確認がおろそかになるほど画面を見続けると、「注視」に当たる可能性があります。
まとめ
ながら運転は、スマートフォンを手に持って通話したり、画面を注視したりする危険な運転です。
ながら運転をすると罰則の対象となるだけでなく、交通事故を起こした場合は民事上・刑事上・行政上の責任を負う可能性があります。
ながら運転は、自分だけでなく周囲の人の命も危険にさらします。スマートフォンの操作やルート設定は安全な場所へ停車してから行い、安全運転を心がけましょう。
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事故に遭った時の対応から、示談交渉や慰謝料など賠償金の算定など、役に立つ情報満載な上、交通事故に強い優秀な弁護士を数多く紹介しています。