
自分では絶対に違反していないと思っていても、警察官から交通違反を指摘されることがあります。
しかし、違反に納得できないからといって、その場で交通違反の取締りが撤回されるケースはほとんどありません。
一方で、警察官の判断が必ず正しいとは限らず、客観的な証拠などをもとに適切な手続きを進めることで、違反が認められない可能性もあります。
本記事では、交通違反に納得できないケースや違反を指摘された後の流れ、納得できない場合の対処法をわかりやすく解説します。
また、交通違反を争う際の注意点や弁護士に相談すべきケースについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・交通違反に納得できない場合はその場で事情を説明する、青切符への署名(サイン)を拒否しても青切符や納付書が交付される、反則金を納付しない場合は刑事手続へ進む
・交通違反に納得できないときの対処法は、ドライブレコーダーなど客観的な証拠を提出する、青切符・供述調書に安易に署名しない、弁護士へ相談する
・交通違反に納得できないときに押さえておきたいポイントは、現場で違反を撤回してもらうのはほぼ不可能、反則金を納付すると原則として争えなくなる、警察官への抗議が行き過ぎると別の犯罪に問われる可能性がある、客観的な証拠がなければ覆すのは難しい
交通違反で納得できないケース
交通違反にはさまざまな種類があります。
その中でも取締り件数が多い違反ほど、交通違反で納得できないといったトラブルが起こりやすいものです。
警察庁の「道路の交通に関する統計」などを参考に、取締り件数が多い代表的な交通違反を紹介します。
- 一時停止違反
- スピード違反(最高速度違反)
- 通行禁止違反
- 信号無視
- 歩行者妨害等
一時停止違反
一時停止違反は、交通違反の中で最も取締り件数が多い違反です。
2025年の交通違反取締り状況では、1,136,083件と全体の28.2%を占めています。
一時停止とは、一時停止標識や停止線がある場所で、車輪が完全に停止した状態のことです。
法律上、何秒停止しなければならないといった明確な時間は定められていませんが、一般的には2~3秒程度を目安に完全停止し、安全確認を行うことが望ましいとされています。
一時停止違反では、停止したかどうかだけではなく、停止する位置や停止時間、安全確認の状況なども重要です。
そのため、停止したものの時間が短かった、安全確認をしながら少しずつ前へ進んでいたといった場合は、一時停止違反と判断される可能性があります。
一方で、運転者は完全に停止したつもりでも、警察官から停止を確認できなかったとして違反を指摘されるケースもあります。
そのため、確かに停止したのに違反と言われたと納得できないケースが少なくありません。
スピード違反(最高速度違反)
スピード違反(最高速度違反)は、交通違反の中で2番目に取締り件数が多い違反です。
2025年の交通違反取締り状況では、865,691件と全体の21.5%を占めています。
最高速度違反とは、道路ごとに定められた制限速度を超えて走行する違反です。
一般道路では標識などで制限速度が指定されているほか、指定がない道路でも法定速度が定められています。
法律上は、制限速度を少しでも超えて走行すれば最高速度違反です。
一方で、実際の取締りでは速度計の誤差なども考慮されるため、一般道では制限速度より約10km/h、高速道路では約20km/hを超えたあたりが一つの目安とされることがあります。
そのため、周囲の車と同じ速度で走っていたのに自分だけ取り締まられた、少し速度が出ていただけなのに違反になったと納得できないケースも少なくありません。
通行禁止違反
通行禁止違反は、交通違反の中で3番目に取締り件数が多い違反です。
2025年の交通違反取締り状況では、505,417件と全体の12.5%を占めています。
通行禁止違反とは、「車両進入禁止」や「一方通行」などの規制がある道路を通行した場合に成立する交通違反です。
時間帯によって規制内容が変わる道路や、車種によって通行できるかどうかが異なる道路もあります。
そのため、標識に気付かなかった、時間帯による規制を見落としていたといった理由で違反になるケースも少なくありません。
一方で、標識が樹木や看板に隠れて見えにくかったり、規制内容がわかりにくかったりしたことで、交通違反に納得できないケースもあります。
特に初めて通る道路や土地勘のない場所では、このようなトラブルが起こりやすい傾向があります。
信号無視
信号無視は、交通違反の中で4番目に取締り件数が多い違反です。
2025年の交通違反取締り状況では、384,057件と全体の9.5%を占めています。
信号無視とは、赤信号や黄色信号で停止すべき場面にもかかわらず、交差点や停止線を通過する交通違反です。
黄色信号は止まれる場合に停止することが原則のため、運転者の判断との認識の違いから違反になるケースもあります。
特に、青信号で交差点へ進入した認識だった場合や、信号が切り替わるタイミングで通過した場合は、交通違反に納得できないと感じることがあるでしょう。
また、信号の変わる瞬間は警察官と運転者で見え方や認識が異なることもあります。
そのため、運転者は青信号や黄色信号だったと考えていても、警察官からは赤信号で進入したと判断されるケースも少なくありません。
関連記事:信号無視による交通事故の過失割合|違反点数や罰則をわかりやすく解説
歩行者妨害等
歩行者妨害等は、交通違反の中で5番目に取締り件数が多い違反です。
2025年の交通違反取締り状況では、301,152件と全体の7.5%を占めています。
歩行者妨害等とは、横断歩道を渡ろうとしている歩行者や、自転車横断帯を通行しようとしている自転車がいるにもかかわらず、一時停止せずに通過する交通違反です。
近年は横断歩道での取締りが強化されており、歩行者との距離が十分あると考えて通過した場合や、歩行者が渡る意思はないと判断した場合でも、違反として取り締まられるケースがあります。
また、歩行者が横断歩道の近くに立っていただけなのか、実際に横断しようとしていたのかは、運転者と警察官で認識が分かれることもあります。
そのため、歩行者は渡る様子ではなかったと考えていても、歩行者妨害等として交通違反を指摘され、納得できないケースも少なくありません。
交通違反に納得できないとどうなるのか
交通違反に納得できない場合、「サインを拒否したらどうなるの?」「反則金を払わなければ違反は取り消される?」と疑問に思う方もいるでしょう。
納得できないからといって、交通違反の手続きが止まるわけではありません。
一方で、反則金を納付するかどうかなど、その後の対応によって手続きの流れは変わります。
こ交通違反に納得できない場合に、その後どのような流れで手続きが進むのかを解説します。
- 警察官から交通違反を指摘される
- 納得できない場合はその場で事情を説明する
- 運転免許証の提示には応じる
- 青切符への署名(サイン)を求められる
- 署名を拒否しても青切符や納付書が交付される
- 反則金を納付しない場合は刑事手続へ進む
警察官から交通違反を指摘される
交通違反が疑われると、まず警察官から停止を求められ、どの交通違反に該当すると判断したのか説明を受けます。
説明を受けた上で納得できなかったとしても、その場から立ち去ってはいけません。
警察官の停止指示を無視して走り去ると、逃走と判断される可能性があるほか、状況によっては公務執行妨害など別の問題に発展するおそれがあります。
納得できなかったとしても、まずは落ち着いて警察官の説明を聞き、どのような理由で交通違反と判断されたのかを確認することが大切です。
納得できない場合はその場で事情を説明する
交通違反に納得できない場合は、その場で警察官へ自分の認識や状況を伝えましょう。
例えば、一時停止違反であれば完全に停止していた、信号無視であれば青信号で交差点へ進入したなど、自分が交通違反ではないと考える理由を具体的に説明することが大切です。
ただし、感情的になって警察官へ抗議したり、話を遮って一方的に主張したりしても、その場で取締りが覆るケースはほとんどありません。
また、事実と異なる説明をすると、その後の手続きでも不利になる可能性があります。
納得できない場合でも、見たままの状況や事実を冷静に説明しましょう。
運転免許証の提示には応じる
交通違反で停止を求められた場合は、警察官から運転免許証の提示を求められます。
このとき、運転免許証の提示は任意ではなく、道路交通法第95条で定められた運転者の義務です。
そのため、交通違反に納得できない場合でも、運転免許証の提示を拒否することはできません。提示を拒否すると、道路交通法違反になります。
一方で、交通違反に関するすべての手続きを拒否できないわけではありません。
例えば、次に説明する青切符への署名は拒否できますが、運転免許証の提示は義務であり、対応が異なります。
交通違反に納得できないからといって、拒否できる手続きと拒否できない手続きを混同しないよう注意しましょう。
青切符への署名(サイン)を求められる
交通違反で停止された場合、多くのケースでは警察官から青切符への署名(サイン)を求められます。
青切符とは、比較的軽微な交通違反をした場合に交付される書類です。
一方、酒気帯び運転や大幅なスピード違反など、刑事処分の対象となる交通違反では赤切符が交付されます。
交通違反に納得できないケースの多くは、青切符による手続きです。
このとき、警察官から署名を求められますが、署名は義務ではありません。
交通違反に納得できない場合は、署名を拒否することも可能です。
ただし、署名を拒否したからといって、その場で交通違反の手続きが中止されるわけではありません。
署名をしなかった場合でも、その後の手続きは通常どおり進められます。
署名を拒否しても青切符や納付書が交付される
青切符への署名を拒否しても、交通違反の手続きはそのまま進みます。
署名をしなかった場合でも、その場で交通反則告知書(青切符)や反則金の納付書が交付されるのが一般的です。
署名を拒否したからといって、交通違反が取り消されたり、手続きが終了したりするわけではありません。
また、警察官から署名を勧められることはありますが、署名自体を強制することはできません。
納得できない場合は署名を拒否した上で、交付された書類を受け取り、その後の対応を検討しましょう。
反則金を納付しない場合は刑事手続へ進む
交通違反に納得できず、反則金を納付しなかった場合は、交通反則通告制度による手続きが終了し、刑事手続へ進みます。
刑事手続へ進むと、必要に応じて警察から出頭を求められたり、事情聴取(取調べ)を受けたりします。
その後、事件は検察庁へ送致され、検察官が起訴するかどうかを判断します。
起訴された場合は裁判へ進み、無罪や有罪が決まる流れです。
つまり、交通違反に納得できない場合は、反則金を納付しないことで正式な刑事手続の中で交通違反を争うことになります。
一方で、反則金を納付すると、原則として交通違反について争えなくなります。
交通違反に納得できないときの対処法
交通違反に納得できない場合でも、感情的に警察官へ抗議したり、手続きを無視したりしても状況が変わることはほとんどありません。
交通違反を争うのであれば、客観的な証拠を確保したり、適切な手続きを選択したりすることが重要です。
交通違反に納得できないときに取るべき対処法を紹介します。
- ドライブレコーダーなど客観的な証拠を提出する
- 青切符・供述調書に安易に署名しない
- 弁護士へ相談する
ドライブレコーダーなど客観的な証拠を提出する
交通違反を争う場合は、違反していないと口頭で主張するだけでは認められません。
自分の主張を裏付ける客観的な証拠が重要です。
特に、ドライブレコーダーの映像は有力な証拠になります。
一時停止違反であれば完全停止していたか、どの位置で停止していたか、信号無視であれば交差点へ進入した際の信号の色などを客観的に確認できます。
警察官の対応が終わったらそのまま帰るのではなく、現場の状況を写真や動画で記録しておくことも大切です。
標識の位置や見え方、道路標示の状況、交差点の見通しなどは、後から状況を説明する際の重要な資料になります。
交通違反に納得できない場合は、できるだけ当時の状況を客観的に残しておきましょう。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
青切符・供述調書に安易に署名しない
交通違反に納得できない場合は、青切符や供述調書に安易に署名しないようにしましょう。
供述調書とは、交通違反当時の状況や運転者の説明を警察官が書面にまとめたものです。
内容を確認した上で署名を求められることがあります。
交通違反に納得できない場合は、青切符や供述調書への署名を拒否しても罰則はありません。
そのため、内容を十分に確認せず、その場の雰囲気に流されて署名することは避けるべきです。
一方で、署名をすると、その書類に記載された内容を確認し、その内容に異議がないことを示す重要な資料として扱われます。
その後、書かれている内容が実際とは違っていたと主張しても、覆すことは容易ではありません。
記載内容に誤りがある場合は、その場で修正を求めましょう。
修正に応じてもらえず、内容にも納得できない場合は、無理に署名する必要はありません。
弁護士へ相談する
交通違反に納得できず、正式に争いたい場合は、弁護士へ相談することも検討しましょう。
弁護士に相談すると、交通違反を争える可能性があるのかや、どのような証拠が必要なのかについてアドバイスを受けられます。
また、警察や検察への対応、刑事手続での主張についてもサポートを受けられます。
特に、ドライブレコーダーの映像など客観的な証拠がある場合は、交通違反が覆ることも少なくありません。
そのため、交通違反に納得できない場合は、一人で判断するのではなく、交通事件を取り扱う弁護士へ相談し、争うべき事案かどうかを確認すると安心です。
交通違反に納得できないときに必ず押さえておきたい6つのポイント
交通違反に納得できない場合は、反則金や署名などについて正しく理解しておくことが大切です。
思い込みのまま対応すると、後から交通違反を争いにくくなったり、不利な状況になったりする可能性があります。
交通違反に納得できない場合に知っておきたいポイントを6つ紹介します。
- 現場で違反を撤回してもらうのはほぼ不可能
- 反則金を納付すると原則として争えなくなる
- 警察官への抗議が行き過ぎると別の犯罪に問われる可能性がある
- 嘘の説明で交通違反をもみ消そうとしない
- 客観的な証拠がなければ覆すのは難しい
- 交通違反のルールを正しく理解する
現場で違反を撤回してもらうのはほぼ不可能
交通違反に納得できない場合、その場で警察官に抗議したくなる方もいるでしょう。
自分の認識や状況を伝えることは大切ですが、その説明だけで交通違反が撤回されることはほとんどありません。
交通違反の取締りは、警察官が現場で確認した状況や証拠をもとに判断しています。
多くの場合、警察官も違反があったと判断できる根拠を持った上で交通違反を告げているため、その場で判断が変わることは期待できません。
そのため、話せばすぐにわかってもらえると考えるのではなく、その場では冷静に対応し、交通違反に納得できない場合は後の手続きで客観的な証拠をもとに主張することを考えましょう。
反則金を納付すると原則として争えなくなる
青切符の交通違反では、反則金を納付すると交通違反を認めたことになり、手続きが終了します。
そのため、後から交通違反に納得できないと主張しても、原則として争えません。
警察官から「○日以内に反則金を納付してください」と案内されますが、交通違反に納得できず争う場合は、反則金を納付しなくても構いません。
その場合は、その後の刑事手続の中で交通違反を争うことになります。
一方で、交通違反を争うつもりもないのに、反則金だけを支払わず放置することは避けましょう。
反則金を納付しない場合は、交通反則通告制度による手続きが終了し、事件は刑事手続へ進みます。
その結果、警察から出頭を求められたり、取調べを受けたりする可能性があります。
警察官への抗議が行き過ぎると別の犯罪に問われる可能性がある
交通違反に納得できない場合でも、警察官への抗議は冷静に行いましょう。
違反に納得できない理由を説明したり、自分の認識を伝えたりすること自体に問題はありません。
しかし、警察官を押したり、腕をつかんで職務を妨害したりすると、公務執行妨害罪に問われる可能性があります。
また、暴力を振るえば暴行罪や傷害罪、危害を加える内容で脅せば脅迫罪が成立する可能性もあります。
交通違反に納得できなくても、感情的な行動は状況を悪化させるだけです。
自分の主張は冷静に伝え、交通違反を争う場合は適切な手続きの中で対応しましょう。
嘘の説明で交通違反をもみ消そうとしない
反則金を支払いたくないからといって、事実と異なる説明をして交通違反をもみ消そうとしてはいけません。
前述したとおり、交通違反を争うには、自分の主張を裏付ける客観的な証拠が重要です。
そのため、証拠がないまま嘘の説明をしても、警察官に認められる可能性は低いでしょう。
また、警察車両にはドライブレコーダーが搭載されていることが多く、交通違反の状況が記録されている場合もあります。
さらに、状況によっては警察官の目撃や証言が証拠として扱われることもあります。
交通違反に納得できない場合は、事実を曲げて説明するのではなく、客観的な証拠をもとに正当な手続きで主張することが大切です。
客観的な証拠がなければ覆すのは難しい
繰り返しになりますが、交通違反に納得できない場合でも、客観的な証拠がなければ警察の判断を覆すことは簡単ではありません。
交通違反を争う際は、違反していないという主張だけでは足りず、それを裏付ける証拠が求められます。
一方で、警察側も警察官の目撃や速度測定器の記録、ドライブレコーダーなどをもとに交通違反を判断しています。
そのため、自分の記憶や認識だけで交通違反を覆すことは難しいのが実情です。
交通違反に納得できない場合は、ドライブレコーダーの映像や現場の写真、防犯カメラ映像など、自分の主張を裏付けられる証拠をできるだけ集めることが重要です。
交通違反のルールを正しく理解する
交通違反に納得できない場合に不服申立てはできる?
交通違反に納得できない場合、不服申立てをすれば取り消してもらえるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、交通違反で交付される青切符や赤切符は、一般的な行政処分とは手続きが異なります。
不服申立てとはどのような制度なのか、交通違反でも利用できるのかを解説します。
- 不服申立てとは?
- 青切符・赤切符は不服申立ての対象ではない
不服申立てとは?
不服申立てとは、行政機関の処分に納得できない場合に、その処分の見直しを求める手続きです。
例えば、営業許可の取消しや行政上の命令などに納得できない場合は、不服申立てによって処分が適切だったかを審査してもらえます。
交通違反でも警察の判断に納得できないなら不服申立てができるのではないかと考える方は少なくありません。
しかし、交通違反のすべてが不服申立ての対象になるわけではありません。
青切符・赤切符は不服申立ての対象ではない
結論から言うと、青切符や赤切符そのものに対して不服申立てをすることはできません。
不服申立ての対象となるのは行政処分ですが、青切符や赤切符は行政処分ではなく、交通違反に関する手続きを進めるための書類だからです。
交通違反に納得できない場合は、不服申立てではなく、青切符であれば反則金を納付せずに刑事手続の中で争います。
赤切符についても、刑事手続の中で自分の主張や証拠を提出し、交通違反が成立しないことを主張する流れになります。
なお、交通違反による免許停止や免許取消しなどの行政処分については、行政不服審査法に基づく審査請求などが認められる場合がありますが、これは青切符や赤切符そのものに対する不服申立てとは異なる手続きです。
交通違反に納得できないとき弁護士に相談すべきか
交通違反に納得できない場合でも、すべてのケースで弁護士へ相談したほうがよいとは限りません。
客観的な証拠の有無や交通違反の内容によっては、弁護士へ相談するメリットが大きいケースもあれば、費用に見合わないケースもあります。
どのような場合に弁護士への相談を検討すべきなのかを解説します。
- 客観的な証拠があるなら相談を検討する
- 徹底的に交通違反を争いたいなら相談する
- 取調べや警察の対応に不安があるなら相談する
- 費用とメリットを比較して判断する
客観的な証拠があるなら相談を検討する
交通違反に納得できず、ドライブレコーダーなどの客観的な証拠がある場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
証拠は持っているだけでは十分ではありません。
その証拠から何が読み取れるのか、どのように主張すれば交通違反ではないと認めてもらえるのかを整理するには、法律の知識や交通事件の経験が求められます。
客観的な証拠があるにもかかわらず、その活用方法を誤ると十分に主張できない可能性があります。
交通違反に納得できない場合は、証拠を最大限に活用するためにも、一度弁護士へ相談してみましょう。
徹底的に交通違反を争いたいなら相談する
交通違反に納得できず、最後まで争いたいと考えている場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。
交通違反を争う場合は、反則金を納付しなければ刑事手続へ進みます。
その後は、警察での事情聴取や検察への対応が行われ、場合によっては裁判になることもあります。
これらの手続きを一人で進めることは簡単ではありません。
事情聴取ではどのような受け答えをすべきか、裁判ではどのような証拠や主張が必要なのかなど、専門的な知識が求められます。
弁護士に依頼すれば、事情聴取への対応方法や今後の手続きについてアドバイスを受けられるほか、裁判になった場合も代理人として対応してもらえます。
交通違反を最後まで争うのであれば、早い段階から弁護士のサポートを受けたほうが安心です。
取調べや警察の対応に不安があるなら相談する
交通違反に納得できないものの、取調べや警察とのやり取りに不安がある場合も、弁護士への相談を検討しましょう。
警察から事情聴取を受ける際は、どのように受け答えをすればよいのか分からず、不安を感じる方も少なくありません。
また、供述調書の内容や署名を求められた場合の対応に迷うこともあります。
弁護士に相談すれば、事情聴取を受ける際の注意点や、供述調書を確認するときのポイントなどについてアドバイスを受けられます。
事前に対応方法を理解しておくことで、落ち着いて手続きを進められるでしょう。
交通違反を争うかどうかにかかわらず、警察への対応に少しでも不安がある場合は、一人で抱え込まず弁護士へ相談することも選択肢の一つです。
費用とメリットを比較して判断する
交通違反に納得できない場合でも、弁護士へ依頼すれば必ず得をするとは限りません。
青切符の交通違反では、反則金よりも弁護士費用のほうが高くなるケースも少なくありません。
そのため、費用だけを見ると依頼するメリットが小さい場合もあります。
一方で、免許停止や免許取消しにつながる可能性がある場合や、仕事で車を運転するため違反点数の影響が大きい場合は、弁護士へ依頼するメリットが費用を上回ることもあります。
弁護士へ相談するか迷った場合は、費用だけで判断するのではなく、交通違反を争うことで得られるメリットも踏まえて検討しましょう。
交通違反に納得できないときによくある質問
交通違反に納得できないときによくある質問を紹介します。
- 交通違反の不服申し立てはどのような流れで進む?
- 交通違反の不服申し立ての結果はどうなる?
- 交通違反の不服申し立てに費用はかかる?
- 交通違反の不服申し立てはどこにする?
- 一時停止違反を認めないとその後どうなる?
交通違反の不服申し立てはどのような流れで進む?
交通違反の青切符や赤切符に対して、不服申立てをすることはできません。
交通違反に納得できない場合は、不服申立てではなく、交通違反の手続きの中で争うことになります。
青切符であれば、反則金を納付せずに刑事手続へ進み、その中で交通違反ではないことを主張します。
赤切符の場合も同様です。
交通違反の不服申し立ての結果はどうなる?
交通違反を争った結果は、証拠や事案の内容によって異なります。
客観的な証拠によって交通違反がなかったと認められた場合は、処分を受けずに手続きが終了します。
一方で、警察側の主張が認められた場合は、交通違反が成立し、反則金や罰金、違反点数などの処分を受けることになります。
交通違反の不服申し立てに費用はかかる?
青切符や赤切符は不服申立ての対象ではないため、不服申立てにかかる費用はありません。
一方で、交通違反を争う場合は、弁護士へ依頼する場合の弁護士費用や、裁判になった場合の費用などが発生する可能性があります。
ただし、自分で交通違反を争う場合は、弁護士費用はかかりません。どのような方法で争うかによって、必要となる費用は異なります。
交通違反の不服申し立てはどこにする?
交通違反の青切符や赤切符に対して、不服申立てをする窓口はありません。
青切符や赤切符は行政処分ではなく、交通違反の手続きを進めるための書類であるためです。
そのため、警察署や都道府県警察、検察庁などへ「不服申立て」をしても受け付けてもらうことはできません。
一時停止違反を認めないとその後どうなる?
一時停止違反に納得できず認めなかった場合でも、その場で交通違反が取り消されることはほとんどありません。
一時停止違反は青切符の対象となるため、署名を拒否しても交通反則告知書(青切符)や反則金の納付書が交付されます。
その後、反則金を納付すれば手続きは終了です。
一方で、一時停止違反を争いたい場合は、反則金を納付せずに刑事手続へ進み、その中で完全に停止していたことなどを主張することになります。
まとめ
交通違反に納得できない場合でも、その場で取締りが撤回されるケースはほとんどありません。
しかし、警察官の判断が必ず正しいとは限らず、客観的な証拠があれば交通違反を争える可能性があります。
交通違反を争う場合は、ドライブレコーダーの映像や現場の写真など、客観的な証拠を早めに確保しましょう。
反則金を納付すると原則として争えなくなるため、納付する前に今後の対応を十分に検討してください。
客観的な証拠があり、交通違反を最後まで争いたい場合や、警察・検察への対応に不安がある場合は、交通事件を取り扱う弁護士へ相談することも選択肢の一つです。
専門家のサポートを受けながら対応することで、より適切に手続きを進められます。