
社用車で事故を起こしてしまうと、被害者だけでなく会社にも迷惑がかかってしまうため、不安になる人も多いでしょう。
実際、社用車の事故では運転していた従業員だけでなく、会社にも責任が生じることがあります。
そのため、事故を起こした場合は速やかに会社へ報告し、指示を受けながら対応を進めることが大切です。
本記事では、社用車で事故を起こしたときの対応の流れや責任の範囲、会社へ報告しないリスクなどについて解説します。
・社用車で事故を起こしたときの対応の流れは、負傷者の救護を行う、警察へ連絡する、会社へ事故の発生を報告する、相手の連絡先を確認する、保険会社へ連絡する
・社用車で事故を起こした場合の責任は、会社(運行供用者責任・使用者責任)、従業員(民事上の責任・刑事上の責任・行政上の責任)
・社用車で事故を起こしたことを会社へ報告しないリスクは、会社からの信頼を失う、保険が利用できなくなることがある、懲戒処分の対象になる
・社用車で事故を起こした場合に弁護士へ相談したほうがいいケースは、相手方と過失割合で揉めている、高額な損害賠償を請求されている、会社の対応に納得できない
社用車で事故を起こしたときの対応の流れ
社用車で事故を起こした時も、基本的な対応の流れは一般的な交通事故と同じです。
ただし、社用車は会社の所有物であるため、事故が発生した場合は速やかに会社へ報告しなければなりません。
社用車で事故を起こしたときの基本的な対応の流れを解説します。
- 負傷者の救護を行う(救護義務)
- 警察へ連絡する(報告義務)
- 会社へ事故の発生を報告する
- 相手の連絡先を確認する
- 現場の写真や動画を撮影する
- 保険会社へ連絡する
- 怪我をした場合は早めに病院を受診する
負傷者の救護を行う(救護義務)
事故を起こした場合は、何よりも先に負傷者の救護を行わなければなりません。
道路交通法では、事故によって負傷者が発生した場合に救護措置を行う義務が定められています。
そのため、けが人を安全な場所へ移動させたり、状況に応じて119番通報を行ったりすることが必要です。
また、二次事故を防ぐために車両を安全な場所へ移動させることも重要になります。
けが人がいるにもかかわらず救護せずにその場を立ち去ると、いわゆる「ひき逃げ」として重い責任を問われます。
社用車での事故であっても、まずは人命を最優先に対応しましょう。
警察へ連絡する(報告義務)
事故を起こした場合は、警察へ連絡することも義務付けられています。
事故の規模が小さく見えても、当事者同士の判断で済ませてはいけません。物損事故や自損事故であっても、警察への報告が必要です。
また、警察へ連絡していないと交通事故証明書が発行されません。
交通事故証明書がなければ、自動車保険の手続きに支障が出ることもあります。
相手から警察は呼ばなくていいと言われた場合でも応じないようにしましょう。
社用車の事故では会社や保険会社も対応するため、必ず警察へ連絡することが大切です。
関連記事:交通事故の報告(通報)義務とは?必要なケースや違反の点数・リスクを解説
会社へ事故の発生を報告する
警察への連絡が終わったら、速やかに会社へ事故の発生を報告しましょう。
社用車の事故では、従業員だけでなく会社にも責任が生じることがあります。
また、会社が加入している自動車保険を利用することも多いため、早めの報告が重要です。
報告する際は、事故の発生場所や日時、相手方の情報、けが人の有無、事故の状況などをできるだけ正確に伝えましょう。
事故を起こしたことを隠したり、報告を遅らせたりすると、保険対応や事故処理に支障が出る可能性があります。
不安な気持ちがあったとしても、まずは会社へ連絡して指示を受けることが大切です。
相手の連絡先を確認する
警察の到着を待っている間に、相手の連絡先を確認しておきましょう。
確認しておきたい情報は以下のとおりです。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 車のナンバー
- 加入している保険会社
連絡先を確認しないまま別れてしまうと、後から連絡が取れなくなる可能性があります。
基本的には、警察官から「連絡先は交換しましたか?」と確認されることが多いでしょう。
しかし、事故直後は動揺していることもあり、双方とも連絡先を交換しないまま帰ってしまうケースもあります。
会社や保険会社が対応する際にも必要な情報になるため、忘れずに確認しておきましょう。
関連記事:交通事故で連絡先の交換は必要?交換する情報や教えたくないときの対処法を解説
現場の写真や動画を撮影する
事故は過失割合や示談交渉でトラブルになりやすいため、後から困らないように事故直後の状況を写真や動画で残しておくことが重要です。
例えば、車両の損傷箇所や停止位置、道路標識、信号機、ブレーキ痕などを撮影しておきましょう。
事故直後は必要ないと思った写真でも、後から事故状況を説明する際に役立つことがあります。
交通事故では、客観的な証拠があるかどうかで結果が大きく変わることもあります。
そのため、撮影できる状況であればできるだけ多くの写真や動画を残しておきましょう。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
保険会社へ連絡する
事故後は、会社の指示に従いながら保険会社へ連絡しましょう。
社用車には会社名義の自動車保険が付いていることが一般的です。事故の報告が遅れると、その後の保険対応に影響する可能性があります。
保険会社へ連絡する際は、事故の日時や場所、相手方の情報、事故の状況などを伝えましょう。
また、現場で撮影した写真や動画があれば、提出を求められることもあります。
なお、会社によっては保険会社への連絡を担当部署が行うケースもあります。
そのため、独断で対応するのではなく、まずは会社へ報告して指示を受けることが大切です。
関連記事:保険会社の対応が悪いときの対処法|相談先やNG対応を実態とともに解説
怪我をした場合は早めに病院を受診する
事故後に痛みや違和感がある場合は、できるだけ早く病院を受診しましょう。
交通事故によるケガとして補償を受けるためには、医師の診断や診断書が必要です。
痛みがあると主張しても、客観的な証拠がなければ認められない可能性があります。
また、受診が遅れると本当に交通事故が原因のケガなのかがわからなくなってしまいます。
そのため、症状が軽い場合でも自己判断せず、早めに病院を受診して診断を受けることが大切です。
社用車で事故を起こした場合の責任はどうなる?
社用車で事故を起こした場合、基本的には会社と従業員の両方に責任が生じます。
ただし、会社と従業員では負う責任の内容が異なります。
社用車で事故を起こした場合に会社と従業員がどのような責任を負うのか見ていきましょう。
- 会社が負うべき責任
- 従業員(加害者)が負うべき責任
会社が負うべき責任
社用車による事故では、運転していた従業員だけでなく会社にも責任が生じます。
会社は社用車を所有し、従業員に業務として運転させている立場にあるためです。
会社にはどのような責任が生じるのか、具体的に見ていきましょう。
運行供用者責任
会社は社用車の所有者として、「運行供用者責任」を負います。
運行供用者責任とは、自動車を運行することで利益を受けている人や会社が、交通事故による損害賠償責任を負う制度です。
社用車は会社の業務のために利用されているため、従業員が業務中に事故を起こした場合は、運転者本人だけでなく会社も被害者に対して損害賠償責任を負います。
そのため、被害者は従業員だけでなく会社に対しても損害賠償を請求できます。
社用車の事故で会社が責任を負う代表的な根拠の一つが運行供用者責任です。
使用者責任
会社には、運行供用者責任とは別に使用者責任も生じます。
使用者責任とは、従業員が業務中に第三者へ損害を与えた場合に、使用者である会社も損害賠償責任を負う制度です。
例えば、営業先への移動中や配送業務中など、業務の一環として社用車を運転している際に事故を起こした場合は、会社にも使用者責任が生じます。
従業員は会社の指揮命令のもとで業務を行っています。
そのため、業務中の事故によって発生した損害については、従業員本人だけでなく会社も責任を負うことになるのです。
従業員(加害者)が負うべき責任
社用車でも自家用車でも、事故を起こした運転者には責任が生じます。
具体的には、被害者に対する損害賠償責任である「民事上の責任」、罰金や拘禁刑などにつながる「刑事上の責任」、免許停止や違反点数の加算などの「行政上の責任」の3つです。
従業員が負う主な責任について見ていきましょう。
民事上の責任
民事上の責任とは、被害者に生じた損害を賠償する責任のことです。
交通事故を起こした場合は、例えば以下のような損害を賠償しなければなりません。
- 治療費
- 入院費
- 通院交通費
- 車両の修理費
- 代車費用
- 慰謝料
- 休業損害
- 逸失利益
社用車の事故では会社も損害賠償責任を負うことがありますが、運転していた従業員本人にも民事上の責任が生じます。
ただし、実際には会社が加入している自動車保険によって補償されるケースも少なくありません。
そのため、事故を起こしたからといって、全ての損害賠償を従業員が自己負担するとは限りません。
刑事上の責任
刑事上の責任とは、交通事故によって罰金刑や拘禁刑などの刑罰を受ける責任のことです。
例えば、前方不注意や脇見運転によって相手を負傷させた場合は、過失運転致死傷罪に問われることがあります。
また、飲酒運転や無免許運転などの違反があった場合は、それらの違反についても刑事責任を負います。
社用車による事故であっても、実際に運転していたのは従業員本人です。
そのため、会社ではなく運転者個人が刑事責任を負うことになります。
行政上の責任
行政上の責任とは、運転免許に対して科される責任のことです。
例えば、人身事故を起こした場合は違反点数が加算され、免許停止や免許取消しの対象になることがあります。
一方で、物損事故のみで交通違反がない場合は、原則として事故だけを理由に違反点数が加算されることはありません。
ただし、信号無視や一時不停止、飲酒運転などの違反があった場合は、物損事故であっても行政処分の対象になります。
行政上の責任も刑事上の責任と同様に、実際に運転していた人が負う責任です。
そのため、社用車による事故であっても、会社ではなく従業員本人が行政処分を受けることになります。
関連記事:免停を回避・軽減する方法|回避しやすいケースと弁護士に相談するメリット
社用車で事故したときに従業員が自己負担する損害賠償の割合
社用車で事故を起こした場合、「損害賠償は全額自分が負担するのか」と不安になる人も多いでしょう。
社用車事故における損害賠償の負担割合について解説します。
- 会社と従業員の双方に責任が生じる
- 会社が加入する自動車保険が適用される
- 従業員の負担額は事故の内容や過失の程度によって異なる
会社と従業員の双方に責任が生じる
社用車による事故では、会社と従業員の双方に責任が生じます。
そのため、「会社が全て負担する」「従業員が全て負担する」と単純に決まるわけではありません。
実際には、会社の管理体制や事故の原因、従業員の過失の程度などを踏まえて判断されます。
また、会社が被害者へ賠償した後に、従業員へ一部負担を求めるケースもあります。
ただし、業務中の事故は会社の事業活動の一環として発生したものです。
裁判例でも従業員へ全額負担を求めることは厳しいと考えられています。
会社が加入する自動車保険が適用される
社用車には、会社名義で自動車保険が付いていることが一般的です。
そのため、事故を起こした場合でも、治療費や修理費、慰謝料などの損害については保険で補償されるケースが少なくありません。
特に、対人賠償保険や対物賠償保険に加入していれば、高額な損害賠償が発生した場合でも保険で対応できることがあります。
ただし、保険の補償範囲や免責金額は契約内容によって異なります。
また、事故の状況によっては保険が適用されないケースもあるため、詳細は会社へ確認しましょう。
従業員の負担額は事故の内容や過失の程度によって異なる
業務中の事故では会社にも責任が生じるため、従業員が損害の全額を負担するとは限りません。
実際には、事故の原因や過失の大きさ、会社の管理体制などを踏まえて判断されます。
例えば、通常の業務中に発生した事故であれば、従業員の負担が限定されるケースも少なくありません。
一方で、飲酒運転や無免許運転などの悪質な違反が原因で事故を起こした場合は、会社から損害の一部を請求されることもあります。
そのため、社用車で事故を起こしたからといって、必ず全額自己負担になるわけではありません。
事故の状況に応じて負担の範囲が決まることを理解しておきましょう。
就業中か業務時間外の事故かで責任の範囲が異なる
社用車で事故を起こした場合でも、事故が発生した状況によって会社と従業員の責任の範囲は変わります。
特に、業務中の事故なのか、通勤中の事故なのか、それとも私的な利用中の事故なのかは重要な判断材料です。
事故が発生した場面ごとの責任の違いについて解説します。
- 就業中の事故
- 通勤中・帰宅中の事故
- 業務時間外の事故
就業中の事故
就業中の事故とは、会社の指揮命令下で業務を行っている最中に発生した事故のことです。
例えば、営業先への移動中や取引先への訪問中、配送業務中の事故などが該当します。
就業中の事故では、実際に運転していた従業員だけでなく会社にも責任が生じます。
従業員は会社の指揮命令下で業務を行っているためです。
前述のとおり、会社には運行供用者責任や使用者責任が生じます。
また、従業員にも民事上・刑事上・行政上の責任が生じます。
そのため、就業中の事故では会社と従業員の双方が事故対応を進めることになるのです。
関連記事:交通事故で労災申請を行う流れ|適用条件や給付内容、会社が嫌がるときの対処法
通勤中・帰宅中の事故
通勤中や帰宅中の事故は、就業中の事故とは扱いが異なることがあります。
通勤従は仕事のために必要な行為ではあるものの、一般的には会社の指揮命令下で行われているわけではありません。
そのため、業務中の事故と比べると会社の責任が認められにくくなります。
また、事故の状況によっては会社の自動車保険が利用できるかどうかも確認が必要です。
特に社用車の利用ルールが定められている場合は、その内容によって対応が変わることもあります。
一方で、業員本人には民事上・刑事上・行政上の責任が生じます。
通勤中や帰宅中であっても、事故を起こした運転者としての責任を負うことに変わりはありません。
業務時間外の事故
業務時間外に従業員が社用車で事故を起こした場合は、従業員本人の責任になります。
特に、会社の許可なく私的な目的で社用車を使用していた場合は、会社が加入している自動車保険を利用できない可能性が高いでしょう。
業務とは関係のない行為によって発生した事故であるためです。
そのため、会社ではなく従業員本人が対応しなければならないケースもあります。
また、従業員には民事上・刑事上・行政上の責任が生じます。
社用車であっても、実際に運転していた以上、事故を起こした責任がなくなるわけではありません。
社用車で事故を起こしたことを会社へ報告しないリスク
社用車で事故を起こした場合は、できるだけ早く会社へ報告しなければなりません。
社用車で事故を起こしたにもかかわらず会社へ報告しなかった場合のリスクについて解説します。
- 会社からの信頼を失う可能性がある
- 保険が利用できなくなることがある
- 懲戒処分の対象になることがある
- 被害者とのトラブルが大きくなることがある
会社からの信頼を失う可能性がある
社用車で事故を起こしたにもかかわらず会社へ報告しないと、会社からの信頼を失う可能性が高いでしょう。
事故そのものは誰にでも起こり得ます。
しかし、事故を隠したり虚偽の報告をしたりすると、重要な問題を報告しない従業員と判断されてしまいます。
また、事故発生後に会社が被害者や保険会社から連絡を受けて発覚するケースも少なくありません。
そのような場合は、事故を起こしたことよりも報告を怠ったことが問題視されることがあります。
会社との信頼関係は日々の業務にも影響します。不利益な評価を受けないためにも、事故を起こした場合は速やかに報告することが大切です。
保険が利用できなくなることがある
軽い事故だからといって会社へ報告しないのは危険です。
例えば、「修理代が数万円程度だから自分で支払おう」と考え、会社へ報告しないケースもあるでしょう。
しかし、事故直後は物損事故だと思っていても、後から相手がむちうちなどの症状を訴え、人身事故へ切り替わることも少なくありません。
そうなると、治療費や慰謝料などの支払いが発生し、自分では対応できない金額になることもあります。
このような場合は会社が加入している自動車保険を利用することになりますが、事故の報告が遅れると手続きがスムーズに進まない可能性があります。
また、警察へ報告せず交通事故証明書を取得していない場合は、保険を利用できません。
事故の大小にかかわらず、社用車で事故を起こした場合は速やかに会社へ報告することが大切です。
懲戒処分の対象になることがある
社用車で事故を起こしたこと自体で直ちに懲戒処分になるとは限りません。
しかし、事故を隠したり、虚偽の報告をしたりした場合は別です。
会社は事故の状況を把握できず、適切な対応ができなくなってしまいます。
特に、事故を起こしたことを知りながら報告しなかった場合は、就業規則違反になるでしょう。
事故そのものよりも、報告義務を怠ったことが重く評価されるケースも少なくありません。
そのため、「怒られたくない」「迷惑をかけたくない」と考えて事故を隠すのではなく、速やかに会社へ報告することが大切です。
事故後の対応次第で、会社からの評価が大きく変わることもあります。
被害者とのトラブルが大きくなることがある
社用車による事故では、会社にも責任が生じるため、被害者は会社や保険会社に対して損害賠償を請求できます。
しかし、従業員が事故を会社へ報告していなければ、会社も保険会社も事故の存在を把握していません。
その状態で被害者から連絡が来ても、すぐに対応できないでしょう。
事故の被害者は精神的なショックやケガによる痛みを抱えていることもあります。
そのため、「なぜ対応してくれないのか」「話が進まない」と不満を持つことも少なくありません。
本来であればスムーズに解決できた事故でも、報告が遅れたことで被害者との関係が悪化し、トラブルが大きくなることがあります。
事故を起こした場合は、自分で判断せず速やかに会社へ報告することが大切です。
社用車で事故を起こした場合に弁護士へ相談したほうがいいケース
社用車で事故を起こした場合でも、全てのケースで弁護士が必要になるわけではありません。
しかし、相手方とトラブルになっていたり、高額な損害賠償を請求されていたりする場合は、個人や会社だけで対応することが難しいこともあります。
社用車事故で弁護士へ相談したほうがよいケースについて解説します。
- 相手方と過失割合で揉めている
- 高額な損害賠償を請求されている
- 人身事故で刑事責任を問われる可能性がある
- 会社の対応に納得できない
相手方と過失割合で揉めている
社用車の事故では、過失割合を巡ってトラブルになることがあります。
交通事故の過失割合は、示談金や損害賠償額に大きく影響します。
そのため、相手方が自分に有利な主張をしてきたり、過失割合に納得しなかったりするケースも少なくありません。
過失割合で争いになると、事故状況や証拠をもとに法的な主張を行う必要があります。
しかし、交通事故の知識がない状態で対応することは簡単ではありません。
相手方との話し合いがまとまらない場合は、弁護士へ相談することを検討しましょう。
弁護士に依頼すれば、証拠をもとに適切な過失割合を主張してもらえます。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説
高額な損害賠償を請求されている
社用車の事故で高額な損害賠償を請求されている場合は、弁護士へ相談した方がよいでしょう。
交通事故では、被害者のケガの程度によっては治療費や慰謝料、休業損害などが高額になることがあります。
また、後遺障害が残った場合は、賠償額が数百万円から数千万円になるケースもあります。
弁護士に依頼すると損害賠償額を増額するイメージを持つ人もいますが、被害者側から請求された金額を適切な金額まで引き下げることも弁護士の重要な役割です。
過去の判例や事故状況などを踏まえながら、請求された金額が妥当なのかを判断してもらえます。
お金の交渉は交通事故に限らず簡単ではありません。高額な請求を受けている場合は、一人で対応せず弁護士へ相談することをおすすめします。
人身事故で刑事責任を問われる可能性がある
人身事故を起こした場合は、弁護士への相談を検討した方がよいでしょう。
物損事故と比べて、人身事故は損害賠償額が高額になりやすく、刑事責任が問題になることもあります。
また、事故の内容によっては会社から懲戒処分を受けることも少なくありません。
人身事故になると、警察による事情聴取や捜査が行われます。
しかし、初めて事故を起こした場合は、どのように対応すればよいのか分からず不安に感じるでしょう。
弁護士に相談すれば、今後の流れや対応方法についてアドバイスを受けられます。
一人で対応する必要がなくなるため、精神的な負担を軽減できることもメリットです。
特に死亡事故や重傷事故など重大な事故では、その後の対応が将来に大きな影響を与えることもあります。
不安がある場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
会社の対応に納得できない
社用車の事故では、会社との間でトラブルになることもあります。
例えば、給料から修理費を天引きされたり、事故を理由に役職を下げられたり、損害を全額負担するよう求められたりするケースです。
しかし、会社の対応が全て正しいとは限りません。どこまでが会社の正当な対応で、どこからが違法なのかを判断することは簡単ではないでしょう。
そのような場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。
多くの弁護士事務所では初回相談を無料で実施しているため、まずは相談してみるとよいでしょう。
会社の対応に問題がないのであれば、そのまま指示に従えば済みます。
一方で、違法な対応が疑われる場合は、その後の対応についてアドバイスを受けたり、必要に応じて依頼したりすることもできます。
社用車の事故対応に関するよくある質問
社用車の事故対応に関するよくある質問を紹介します。
- 社用車で事故を起こした場合は必ず自己負担になる?
- 社用車で事故を起こした場合に給与を天引きされることはある?
- 社用車で事故を起こした場合は相手へお詫びの品はいる?
- 社用車で事故を起こしたことを会社へ報告しないとどうなる?
- 社用車で事故を起こしたらクビ(解雇)になる?
- 社用車で事故を起こして落ち込んでいるときはどうすればいい?
社用車で事故を起こした場合は必ず自己負担になる?
いいえ、必ず自己負担になるわけではありません。
社用車による事故では、会社にも責任が生じるため、多くの場合は会社が加入している自動車保険を利用して対応します。
そのため、事故を起こしたからといって、従業員が損害賠償額を全額負担するケースは一般的ではありません。
また、裁判例でも、業務中の事故による損害を従業員へ全額負担させることには慎重な考え方が取られています。
ただし、飲酒運転や無免許運転などの悪質な違反が原因で事故を起こした場合は、会社から損害の一部を請求されることがあります。
社用車で事故を起こした場合に給与を天引きされることはある?
会社が事故による損害を理由に、従業員の給与から一方的に修理費や損害賠償金を天引きすることは原則として認められていません。
給与は労働基準法によって保護されており、法律上の根拠がないまま会社の判断だけで差し引くことはできないためです。
ただし、従業員が同意した場合や、労使協定に基づく控除が認められる場合などは例外があります。
また、会社が従業員に対して損害賠償を請求できるケースもありますが、その場合でも勝手に給与から差し引いてよいわけではありません。
社用車で事故を起こした場合は相手へお詫びの品はいる?
お詫びの品を渡すべきか悩む人は少なくありません。
しかし、お詫びの品は必ず渡さなければならないものではありません。
実際には、保険会社から被害者との直接のやり取りを控えるよう案内されることもあります。
被害者とのトラブルを防ぎ、保険会社が適切に対応するためです。
また、過失割合や損害賠償について話し合っている段階では注意が必要です。
何気ない一言が、自分の過失を認めた発言として受け取られる可能性もあります。そのため、お詫びに
行く場合は言葉選びにも気を付けなければなりません。
一方で、お詫びの品を渡すことで誠意が伝わり、被害者との関係が良くなるケースもあります。
このように、お詫びの品を渡すべきかどうかは一概にはいえません。
判断に迷う場合は、保険会社や弁護士へ相談したうえで対応することをおすすめします。
社用車で事故を起こしたことを会社へ報告しないとどうなる?
事故を報告しないと、会社からの信頼を失ったり、保険対応が遅れたりする可能性があります。
また、被害者とのトラブルが大きくなることもあります。
軽い事故だから報告しなくても大丈夫と考える人もいますが、後から思わぬ問題に発展するケースは少なくありません。
会社へ報告しないことにメリットはありません。
結果的に自分が不利になることが多いため、事故を起こした場合は速やかに報告することが大切です。
社用車で事故を起こしたらクビ(解雇)になる?
社用車で事故を起こしたからといって、直ちに解雇になるわけではありません。
交通事故はどれだけ注意していても発生する可能性があります。
そのため、通常の業務中に起きた事故だけを理由に解雇することは簡単ではありません。
一方で、飲酒運転や無免許運転、ひき逃げなどの悪質な行為があった場合は、懲戒処分や解雇が問題になることがあります。
社用車で事故を起こして落ち込んでいるときはどうすればいい?
社用車で事故を起こしてしまうと、「会社に迷惑をかけてしまった」と落ち込むこともあるでしょう。
しかし、事故はどれだけ注意していても起こることがあります。
もちろん反省は必要ですが、必要以上に自分を責め続けても状況は改善しません。
会社に迷惑をかけたと感じているのであれば、今後の仕事に真面目に取り組み、信頼を取り戻していくことが大切です。
一度の事故だけで全ての評価が決まるわけではありません。
また、初めて事故を起こしたのであれば落ち込むのも当然です。
事故の経験を教訓として、初心に戻って安全運転を心掛けましょう。
まとめ
社用車で事故を起こした場合は、負傷者の救護や警察への連絡、会社への報告などを速やかに行うことが大切です。
事故を起こしたことを隠してもメリットはなく、会社からの信頼を失ったり、保険対応が遅れたりする原因になります。
事故の大小にかかわらず、必ず会社へ報告しましょう。
相手方とのトラブルや高額な損害賠償請求、会社とのトラブルなどで悩んでいる場合は、弁護士へ相談することも検討してください。
早めに専門家へ相談することで、適切な対応方法を把握できます。
