
交通事故を起こした後、飲酒運転や無免許運転がバレたくない、免許停止を避けたいといった理由から、家族や知人に身代わり(替え玉)を頼もうと考える人もいます。
しかし、交通事故で身代わりをすると、事故を起こした本人だけでなく、身代わりを引き受けた人も犯罪に問われる可能性があります。
また、ドライブレコーダーや防犯カメラ、警察の捜査などによって発覚するケースも少なくありません。
本記事では、交通事故の身代わり(替え玉)とは何かや、成立する犯罪、発覚する理由をわかりやすく解説します。
また、身代わりをしてしまった場合の対処法や、弁護士へ相談するメリットについても紹介しますので、参考にしてください。
・交通事故で身代わり(替え玉)をしたら問われる犯罪は、身代わりを依頼した人(犯人隠避罪の教唆犯、道路交通法違反)、身代わりを引き受けた人の犯罪(犯人隠避罪)
・交通事故の身代わり(替え玉)が発覚する理由は、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像、目撃者の証言、事故状況や車内の証拠と一致しない、警察の事情聴取で供述に矛盾が生じる
・交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまったときは、できるだけ早く弁護士へ相談する、身代わりが発覚する前に自首を検討する、警察の事情聴取では事実を説明する
交通事故の身代わり(替え玉)とは?
交通事故の身代わり(替え玉)とは、本当は事故を起こしていない人が、事故を起こした運転者になりすまして警察へ出頭したり、事故を起こしたと虚偽の説明をしたりする行為です。
身代わりをする理由はさまざまですが、飲酒運転や無免許運転、免許停止・免許取消しを避けたいなどの理由で行われるケースが多くあります。
また、家族や友人、会社の同僚などに身代わりを依頼するケースも少なくありません。
しかし、交通事故の身代わりは、単なる代わりに名乗り出る行為では済みません。
事故を起こした本人だけでなく、身代わりを引き受けた人も犯罪に問われる可能性があります。
交通事故で身代わり(替え玉)をしたら問われる犯罪
交通事故で身代わり(替え玉)をすると、事故を起こした本人だけでなく、身代わりを引き受けた人も犯罪に問われる可能性があります。
また、事故の状況によっては一つの犯罪だけではなく、複数の犯罪が成立することもあります。
事故を起こした本人と身代わりを引き受けた人に分けて、成立する可能性がある犯罪を見ていきましょう。
- 身代わりを依頼した人の犯罪
- 身代わりを引き受けた人の犯罪
身代わりを依頼した人の犯罪
交通事故で身代わり(替え玉)を依頼した人は、交通事故そのものの責任に加えて、身代わりを依頼したことによる犯罪も問われます。
また、事故の状況によっては犯人隠避罪の教唆犯など複数の犯罪に問われるケースもあります。
どのような状況でどの犯罪が成立する可能性があるのかを見ていきましょう。
犯人隠避罪の教唆犯
交通事故の身代わりを依頼した場合は、犯人隠避罪の教唆犯(刑法第103条・第61条)が成立する可能性があります。
犯人隠避罪とは、罰金以上の刑に当たる犯罪を犯した人を逃がしたり、発見や処罰を免れさせたりした場合に成立する犯罪です。
法定刑は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。
身代わりを依頼した人は、自ら犯人隠避罪を実行したわけではありませんが、身代わりをするよう指示・依頼して犯罪を実行させたため、「教唆犯」として処罰されます。
教唆犯は、原則として実際に犯罪を実行した人と同じ刑が科されます。
例えば、飲酒運転による交通事故を起こした後、家族や知人に自分が運転していたことにしてほしいと依頼し、その人が警察へ虚偽の説明をした場合などです。
道路交通法違反(救護義務違反・報告義務違反)
交通事故を起こした運転者には、負傷者を救護する義務(救護義務)や、警察へ事故を報告する義務(報告義務)があります。
これらは、実際に事故を起こした運転者本人が果たさなければならない義務です。
事故現場から立ち去って家族や知人を身代わりとして出頭させた場合は、本人が救護義務や報告義務を果たしていないとして、道路交通法違反が成立します。
特に救護義務違反は、いわゆる「ひき逃げ」に該当する重大な犯罪です。
人身事故で救護義務違反が成立した場合は、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、報告義務違反についても3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金が定められています。
関連記事:当て逃げした・されたことに気づかなかったときの対処法|罰則や点数を紹介
保険金詐欺罪に該当する場合もある
交通事故の身代わり(替え玉)は、保険金詐欺罪に問われる可能性もあります。
例えば、身代わりをした人が運転者であると保険会社へ虚偽の申告を行い、その内容をもとに保険金を請求した場合は、詐欺罪(刑法第246条)が成立する可能性があります。
詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑です。
交通事故の身代わりは、刑事責任だけでなく、保険会社から保険金の支払いを拒否されたり、契約を解除されたりするなどの不利益を受けることもあります。
身代わりを引き受けた人の犯罪
交通事故の身代わり(替え玉)を引き受けた人も、犯罪に問われる可能性があります。
頼まれただけだから大丈夫、家族を助けたかっただけと考える方もいるかもしれません。
しかし、身代わりとして警察へ虚偽の説明をしたり、自分が運転していたと偽ったりすると、事故を起こしていなくても刑事責任を問われる可能性があります。
身代わりを引き受けた人に成立する可能性がある犯罪を解説します。
犯人隠避罪(刑法103条)
交通事故の身代わり(替え玉)を引き受けた人は、犯人隠避罪(刑法第103条)が成立する可能性があります。
犯人隠避罪とは、罰金以上の刑に当たる犯罪を犯した人を逃がしたり、発見や処罰を免れさせたりした場合に成立する犯罪です。
法定刑は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。
家族や友人を助けるつもりだったとしても、身代わりを引き受けた時点で犯罪が成立する可能性があります。
善意や親切心があったとしても、処罰の対象になる点に注意が必要です。
家族の場合は刑が免除されることがある
交通事故の身代わり(替え玉)を引き受けた人が家族である場合は、犯人隠避罪が成立しても刑が免除されることがあります。
刑法第105条では、犯人隠避罪を犯した人が「犯人の親族」である場合は、刑を免除できると定められています。
これは、家族を守ろうとする心情に一定の配慮をしているためです。
ただし、刑が免除される可能性があるだけであり、犯人隠避罪が成立しないという意味ではありません。
また、免除されるかどうかは裁判所が個別の事情を踏まえて判断します。
交通事故の身代わり(替え玉)はバレる?発覚する理由
交通事故の身代わり(替え玉)は、バレないと考える方もいるかもしれません。
しかし、実際にはドライブレコーダーや防犯カメラ、目撃者の証言などから発覚するケースが少なくありません。
また、警察の事情聴取を通じて供述の矛盾が見つかり、身代わりが明らかになることもあります。
交通事故の身代わり(替え玉)が発覚する主な理由を解説します。
- ドライブレコーダーや防犯カメラの映像
- 目撃者の証言
- 事故状況や車内の証拠と一致しない
- 警察の事情聴取で供述に矛盾が生じる
ドライブレコーダーや防犯カメラの映像
交通事故の身代わり(替え玉)が発覚する理由として、最も多いのがドライブレコーダーや防犯カメラの映像です。
近年はドライブレコーダーを搭載している車が増えており、事故の瞬間だけでなく、事故直後に誰が運転席から降りてきたのかまで記録されているケースも少なくありません。
また、事故現場周辺の防犯カメラや店舗の監視カメラ、高速道路のカメラなどに事故前後の状況が映っていることもあります。
身代わりとして別の人が警察へ出頭しても、映像から実際の運転者と異なることが確認されれば、身代わりをした事実が発覚します。
関連記事:ドライブレコーダーは事故の証拠になる?役立つ場面や事例を解説
目撃者の証言
交通事故の身代わり(替え玉)は、目撃者の証言から発覚することもあります。
交通事故の現場には、通行人や近くの店舗の従業員、後続車の運転者など、事故の状況を見ている人がいることも少なくありません。
事故直後に運転席から降りてきた人や、事故後に運転者が入れ替わる様子を目撃していた場合は、その証言が身代わりを裏付ける証拠になるでしょう。
また、警察は目撃者への聞き取りも行います。
身代わりをした人の説明と目撃者の証言が一致しなければ、不自然な点として詳しく捜査されるきっかけになります。
事故状況や車内の証拠と一致しない
交通事故の状況や車内に残された証拠から、身代わり(替え玉)が発覚することもあります。
警察は、事故現場の状況だけでなく、車内の様子や事故によって残された痕跡も確認しながら捜査を進めます。
例えば、事故を起こした直後に飲んでいた飲み物や吸っていたたばこ、運転席のシートの位置、スマートフォンや財布などの持ち物が車内に残っていると、身代わりを名乗り出た人の説明と一致しません。
また、エアバッグに付着した血痕や指紋など、科学的な証拠から実際の運転者が判明するケースもあります。
交通事故の直後は気が動転しているため、本人は気付かないまま多くの痕跡を残していることも少なくありません。
身代わりをしても、事故状況や車内の証拠との矛盾から発覚する可能性があります。
警察の事情聴取で供述に矛盾が生じる
交通事故の身代わり(替え玉)は、警察の事情聴取で供述に矛盾が生じ、発覚するケースもあります。
警察は、事故当時の状況について運転者や同乗者、目撃者などから詳しく事情を聴きます。
事故が発生した時間や走行ルート、信号の色、事故直前の行動など、細かな内容まで確認されることも少なくありません。
身代わりをしている場合は、事故を実際に経験していないため、質問に対する回答があいまいになったり、事故を起こした本人や目撃者の説明と食い違ったりすることがあります。
また、事情聴取は一度だけで終わるとは限りません。
複数回の事情聴取や証拠との照合によって供述の矛盾が明らかになり、身代わりが発覚するケースもあります。
交通事故で身代わり(替え玉)が発覚した事例
交通事故の身代わり(替え玉)は、実際に発覚して逮捕や有罪判決につながった事例が複数あります。
多くのケースでは、飲酒運転や無免許運転などを隠す目的で家族や知人が身代わりとなっていますが、ドライブレコーダーや警察の捜査、事故後の状況などから発覚しています。
ここでは、交通事故で身代わり(替え玉)が発覚した実際の事例を見ていきましょう。
- 飲酒運転による当て逃げ事故で身代わり(替え玉)が発覚した事例
- 無免許運転を隠すために親族を身代わり(替え玉)にした事例
- 飲酒運転の身代わり(替え玉)が事故のケガから発覚した事例
飲酒運転による当て逃げ事故で身代わり(替え玉)が発覚した事例
飲酒運転による当て逃げ事故で、同乗者が身代わり(替え玉)をしたものの、ドライブレコーダーの映像から発覚した事例を紹介します。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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事故直後は同乗者の説明どおりに警察が対応し、一度は身代わりをした人物が逮捕されました。
しかし、その後ドライブレコーダーの映像を確認したことで、実際の運転者が別人であることが判明しています。
飲酒運転を隠すために身代わりをしても、ドライブレコーダーなどの客観的な証拠によって発覚するケースは少なくありません。
結果として、事故を起こした本人だけでなく、身代わりを引き受けた人も刑事責任を問われる可能性があることがわかる事例です。
無免許運転を隠すために親族を身代わり(替え玉)にした事例
無免許運転による事故を隠すため、親族を身代わり(替え玉)として警察へ出頭させたことで発覚した事例を紹介します。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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この事例では、ドライブレコーダーなどの映像ではなく、警察の事情聴取によって身代わりが発覚しています。
身代わりとして出頭した女性は事故を経験していないため、事故当時の状況について詳しく説明できず、供述の矛盾から警察に不審を抱かれました。
その後の事情聴取によって身代わりであることを認め、事件が発覚しています。
交通事故の身代わりは、映像などの客観的な証拠だけでなく、事情聴取での供述の食い違いから発覚するケースも少なくありません。
飲酒運転の身代わり(替え玉)が事故のケガから発覚した事例
飲酒運転による事故の後、アルバイト店員が身代わり(替え玉)をしたものの、事故で負ったケガから発覚した事例を紹介します。
【事故の概要】
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【事故の結果】
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事故で負ったケガが身代わりを見破る決め手となりました。
交通事故では、車の損傷状況だけでなく、運転者のケガの部位や程度も重要な証拠です。
実際の運転者しか負わないようなケガが確認されれば、警察は身代わりの可能性を疑い、詳しい捜査を進めます。
このように、交通事故の身代わりは事故状況や車内の証拠だけでなく、運転者のケガから発覚するケースもあります。
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまったときどうすればいい
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、そのまま隠し通そうとするのではなく、できるだけ早く適切な対応を取ることが重要です。
身代わりを続けるほど、警察の捜査によって発覚する可能性が高くなるだけでなく、事態がさらに悪化するおそれもあります。
交通事故で身代わりをしてしまった場合に取るべき対応を解説します。
- できるだけ早く弁護士へ相談する
- 身代わりが発覚する前に自首を検討する
- 警察の事情聴取では事実を説明する
できるだけ早く弁護士へ相談する
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、できるだけ早く弁護士へ相談しましょう。
身代わりは、犯人隠避罪や犯人隠避教唆罪などに問われる可能性があるだけでなく、事故の状況によっては複数の犯罪が成立することもあります。
そのため、自分だけで対応を判断することはおすすめできません。
弁護士へ相談すれば、現在の状況でどのような犯罪が成立する可能性があるのかや、今後どのように対応すべきかについてアドバイスを受けられます。
また、警察への対応や事情聴取についてもサポートを受けることが可能です。
身代わりが発覚する前でも、発覚した後でも、早い段階で相談するほど対応の選択肢は広がります。
一人で抱え込まず、まずは弁護士へ相談することが大切です。
身代わりが発覚する前に自首を検討する
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、身代わりが発覚する前に自首を検討しましょう。
身代わりを隠し続けても、ドライブレコーダーや防犯カメラ、警察の事情聴取などから発覚する可能性があります。
発覚してから事実を認めるよりも、自ら警察へ申し出たほうが反省の意思を示しやすいものです。
また、刑法では、捜査機関に犯罪が発覚する前に自首した場合、刑が減軽される可能性があると定められています。
ただし、自首すれば必ず刑が軽くなるわけではなく、最終的には個別の事情を踏まえて判断されます。
身代わりをしてしまった場合は、自首すべきかどうかも含めて、まずは弁護士へ相談した上で対応を検討することが重要です。
警察の事情聴取では事実を説明する
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、警察の事情聴取で事実を説明しましょう。
身代わりを続けるために虚偽の説明を繰り返しても、事情聴取や客観的な証拠との矛盾から発覚する可能性が高くなります。
また、嘘を重ねるほど供述に矛盾が生じやすくなり、自分に不利な状況を招くことになるでしょう。
事情聴取では、事故当時の状況や身代わりをした経緯などについて詳しく質問されます。
その内容は「供述調書」と呼ばれる書類にまとめられ、内容を確認した上で署名を求められるのが一般的です。
供述調書に事実と異なる内容が記載されている場合は、その場で修正を求めましょう。
納得できない内容のまま安易に署名すると、後から内容を訂正することは容易ではありません。
関連記事:供述調書は後から変更できる?署名後の訂正方法や注意点を解説
交通事故で身代わり(替え玉)をしたら弁護士に相談しよう
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。
交通事故で身代わりをした場合に弁護士へ相談するメリットを紹介します。
- 取調べへの対応をサポートしてもらえる
- 不起訴や刑の軽減を目指せる
- 被害者との示談交渉を任せられる
- 裁判になった場合も対応してもらえる
- 弁護士費用特約を利用すれば費用を抑えられる
取調べへの対応をサポートしてもらえる
交通事故で身代わり(替え玉)をしてしまった場合は、弁護士に取調べへの対応をサポートしてもらえます。
取調べでは、事故当時の状況や身代わりをした経緯について詳しく質問されます。
精神的な負担から焦ってしまい、本来伝えたかった内容を十分に説明できなかったり、不利な供述をしてしまったりするケースも少なくありません。
弁護士に相談すれば、取調べで想定される質問や回答する際の注意点、供述調書を確認するポイントなどについてアドバイスを受けられます。
また、弁護士が付いていることで、取調べも適正な手続きに沿って進められやすくなり、不当な取調べを受けるリスクを抑えられます。
不起訴や刑の軽減を目指せる
身代わりをした経緯や反省の状況、被害者への対応などは、処分を判断する上で重要な事情です。
弁護士は、依頼者に有利となる事情を整理し、法律的な観点から検察官へ適切に伝えることで、不起訴や刑の軽減を目指します。
自首したことや深く反省していることを自分で伝えても、十分に評価してもらえるとは限りません。
一方で、弁護士が客観的な資料や経緯を整理した上で説明することで、反省の意思や情状をより説得力のある形で伝えられます。
身代わり事件では、初動対応がその後の処分に影響することも少なくありません。
少しでも有利な結果を目指すためにも、できるだけ早く弁護士へ相談することが重要です。
被害者との示談交渉を任せられる
身代わりをした事案では、交通事故による損害賠償だけでなく、事件の経緯も踏まえて被害者へ対応しなければならないケースがあります。
しかし、加害者本人が示談交渉を進めようとしても、被害者が不信感を抱き、話し合いが難しくなることも少なくありません。
弁護士が代理人として交渉すれば、被害者とのやり取りを任せられるだけでなく、適切な条件で示談が成立するよう交渉を進めてもらえます。
また、示談が成立したことは、不起訴や刑の軽減を判断する際に考慮される事情の一つになる可能性があります。
関連記事:事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき?メリットや判断基準、費用などを解説 | 交通事故相談弁護士ほっとライン
裁判になった場合も対応してもらえる
裁判になった場合は、保険会社が対応してくれるわけではありません。
自分で証拠を提出したり、主張を整理したりする必要がありますが、法律や裁判の知識がないまま一人で対応することは容易ではありません。
また、裁判では相手方も弁護士へ依頼していることが一般的です。
そのため、自分だけで対応すると、法律の知識や経験の差から不利になる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、証拠の整理や主張の組み立て、裁判での弁護活動まで一貫して対応してもらえます。
裁判で少しでも有利な結果を目指すためにも、早い段階から弁護士へ相談しておくことが重要です。
弁護士費用特約を利用すれば費用を抑えられる
弁護士費用特約とは、交通事故で弁護士へ依頼した際の相談料や着手金、報酬金などを保険会社が一定額まで補償する特約です。
そのため、自己負担を抑えながら弁護士へ相談・依頼できます。
ただし、身代わり(替え玉)をした事案では、故意による犯罪行為が関係するため、弁護士費用特約を利用できないケースもあります。
また、保険会社や契約内容によって補償範囲は異なります。
利用できるかどうかは契約内容を確認しなければ判断できません。
弁護士費用が気になる場合は、加入している保険会社や弁護士へ確認してみましょう。
関連記事:弁護士費用特約の使い方・利用の流れ|使うべきケースと弁護士の選び方を紹介
交通事故の身代わり(替え玉)に関するよくある質問
交通事故の身代わり(替え玉)に関するよくある質問を紹介します。
- 物損事故で身代わりをしても保険は使える?
- 物損事故で身代わり(替え玉)をしたらなんの罪に問われる?
- 身代わり出頭はバレる?
- 交通違反でも身代わり出頭は犯罪になる?
- 事故後に運転手を入れ替えたらどうなる?
物損事故で身代わりをしても保険は使える?
理論上は、契約内容の範囲内であり、身代わり(替え玉)が発覚していなければ保険金が支払われます。
しかし、身代わりは運転者について虚偽の申告をする行為です。
そのため、後から身代わりが発覚した場合は、保険金の返還を求められたり、保険契約を解除されたりする可能性があります。
また、保険会社をだまして保険金を受け取った場合は、詐欺罪に問われることもあるでしょう。
そもそも、交通事故の身代わりは犯人隠避罪などに問われる可能性がある犯罪です。
ドライブレコーダーや防犯カメラ、警察の事情聴取などから発覚するケースも少なくないため、身代わりをして保険を利用しようと考えてはいけません。
物損事故で身代わり(替え玉)をしたらなんの罪に問われる?
物損事故で身代わり(替え玉)をした場合は、以下のような犯罪に問われる可能性があります。
- 犯人隠避教唆罪:事故を起こした人が、身代わりになるよう依頼した場合に成立する可能性があります。
- 犯人隠避罪:実際には運転していないにもかかわらず、自分が運転していたと警察へ虚偽の説明をした場合に成立する可能性があります。
- 詐欺罪:保険会社へ虚偽の申告をして保険金を受け取った場合に成立する可能性があります。
- 道路交通法違反:事故後に救護義務や報告義務を果たさなかった場合に成立する可能性があります。
物損事故だからといって、身代わりをしても問題ないわけではありません。
事故の状況によっては複数の犯罪に問われる可能性があるため、身代わりは絶対にしてはいけません。
身代わり出頭はバレる?
身代わり出頭は、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像、目撃者の証言、警察の事情聴取などから発覚する可能性があります。
特に警察は、事故当時の状況や運転者の行動について詳しく確認します。
身代わりをした人は実際に事故を起こしていないため、事故状況の説明に矛盾が生じやすく、供述の食い違いから身代わりが疑われるケースも少なくありません。
また、事故現場や車内に残された証拠、事故によるケガなどから実際の運転者が判明することもあります。
交通違反でも身代わり出頭は犯罪になる?
交通事故だけでなく、交通違反で身代わり出頭をした場合も犯罪になります。
例えば、速度違反や飲酒運転などの交通違反を隠すため、実際には運転していない人が自分が運転していたと警察へ虚偽の説明をした場合は、犯人隠避罪に問われます。
交通違反だから軽い問題と考える方もいるかもしれませんが、身代わり出頭は処分を免れるための虚偽申告です。
そのため、交通事故の場合と同様に刑事責任を問われるため、絶対にしてはいけません。
事故後に運転手を入れ替えたらどうなる?
事故後に運転手を入れ替え、実際とは異なる人を運転者として警察へ申告した場合は、身代わり(替え玉)と判断され、犯人隠避罪や犯人隠避教唆罪が成立します。
また、飲酒運転や無免許運転を隠す目的で運転手を入れ替えた場合は、それらの違反や交通事故に関する責任がなくなるわけではありません。
まとめ
交通事故で身代わり(替え玉)をすると、事故を起こした本人だけでなく、身代わりを引き受けた人も犯人隠避罪や犯人隠避教唆罪などの犯罪に問われる可能性があります。
また、事故の状況によっては道路交通法違反や詐欺罪など、複数の犯罪が成立するケースもあります。
身代わりをしてもドライブレコーダーや防犯カメラ、警察の事情聴取などから発覚するケースは少なくありません。
万が一、交通事故で身代わりをしてしまった場合は、そのまま隠し続けるのではなく、できるだけ早く弁護士へ相談することが重要です。
早い段階で適切な対応を取ることで、不起訴や刑の軽減を目指せる可能性があります。