多くのニュースで取り上げられていましたが先日、バドミントンの桃田選手が滞在先のマレーシアの高速道路で、前を行くタンクローリーに正面から追突し運転手が死亡するという痛ましい事故に巻き込まれてしまいました。
桃田選手はじめ、同乗のコーチやスタッフいずれも骨折や裂傷、打撲を負うなどして病院に運ばれましたが、それぞれ大事に至らず、ファンならずともほっと胸をなで下ろしたことでしょう。
ここで1つの疑問。
海外などに行った際、このように事故に遭ってしまった場合、どのように対処すればいいでしょう。
言葉も文化も交通ルールも違う異国の地だからこそ、万が一のための対処法を確認しておきましょう。
日本の運転免許証は、基本的に日本国内で自動車を運転することのみ許可しているため、海外で運転する場合多くの人が国際免許証などを取得して渡航します。
しかし、国際免許証を取得するにあたり、渡航先の運転ルールの講習があるわけではなく、自身で現地の交通ルールを学んでおく必要があります。海外の知らない道を、慣れない交通ルールに従って運転するのですから、車のトラブルに遭遇する確率は人によっては日本で運転するより数倍高い可能性があります。
不幸にも、もし自動車事故や故障に巻き込まれてしまった場合、まずは安全を確認してから現地の警察に電話をかけましょう。もしケガ人がいた場合、アメリカやカナダなら警察・救急・消防が共通の番号なので、緊急通報用電話番号の「911」に連絡をしましょう。そして、レンタカーの場合はレンタカー会社へ連絡をする必要があります。レンタカーでない場合は、補償の有無は各々のケースによりますが、自身で加入している現地の自動車保険会社、または海外旅行保険会社へ連絡をすると良いでしょう。
関係各所へ連絡する際は、名前、事故の場所、ケガ人の情報、事故の状況を落ち着いて伝えるよう心がけましょう。そして現場での安全を確保した後、その場に待機し警察の到着を待ちます。
自分で事故を起こした場合、または事故を起こした相手がいる場合は、警察や救急車の到着までに相手の情報を得ることも重要です。お互いに身分証明書を確認し、相手の名前や連絡先、車の特徴(車種、ナンバープレートなど)、自動車保険の加入有無、保険会社名などをメモしておきましょう。警察到着後は、警察官の指示に従うのが鉄則です。
海外旅行時の自動車事故に関しては、残念ながら、ほとんどの海外旅行保険が補償の対象外です。
レンタカー特約と呼ばれるタイプをつけても日本のみの補償の場合も多いので、保険会社へ確認が必要です。そのため、渡航先でレンタカーを使用する際は、レンタカー会社にて、現地の自動車保険の加入が必須となります。海外の自動車保険の一般的なものとして、自動車損害賠償保険にあたるLPまたはPP(Automobile Liability and Property Protection)や、車両保険にあたるLDW(Loss Damage Waiver)、またはCDW(Collision Damage Waiver)等がありますが、CDWには盗難保険が含まれていないため、上記の保険とともにTP(Theft Protection)とよばれる盗難保険、および、搭乗者傷害保険にあたるPAI(Personal Accident Insurance)、そして、対人・対物補償限度額が大幅にアップする追加自動車損害倍賞保険SLI(Supplemental Liability Insurance)にも加入しておくとよいでしょう。
基本、どこの国で事故被害に遭ったとしても最も重要なことは、まずは冷静になること。
そして、現場の安全確保、自身や同乗者、事故相手を含めた、ケガの有無の確認、警察などへ緊急電話をかけ正確に状況を伝えることです。また、現地の言葉に不自由な場合、いざという時のために現地で使える言葉のメモなど常に携帯しておくことが大事になります。
ちなみに、国によっては先に「Sorry」と謝ってしまうことで、のちに裁判沙汰となったときに不利になることも多くあるため、言葉がわからないからと言って、むやみに謝ったりしないことも覚えておきましょう。
同乗者や事故相手などをケアしながらも、海外での言動には細心の注意が必要だということも、認識しておくとよいでしょう。