評価損が認められる条件とは?請求のポイントや裁判例をわかりやすく解説

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交通事故で車を修理した場合でも、事故歴が残ることで車の価値が下がってしまいます。

このような価値の下落は「評価損」と呼ばれ、一定の条件を満たせば加害者側へ請求することが可能です。

しかし、すべての事故で評価損が認められるわけではなく、損傷の程度や車の年式、市場価値などによって判断が分かれます。

また、保険会社が評価損の支払いを認めないケースも多く、請求のポイントを理解しておくことが重要です。

本記事では、評価損が認められる条件や実際に認められた裁判例、請求のポイントをわかりやすく解説します。

評価損を請求できるか知りたい方や、保険会社の対応に疑問を感じている方は参考にしてください。

本記事の結論

・評価損が認められる条件は、修復歴が付く損傷であること、車の年式が新しいこと、相手方に過失があることなど
・評価額が認められにくい条件は、リース車やローン契約中の場合、経済的全損と判断された場合、修理後も市場価値の低下が認められない場合
・評価損を認めてもらうためのポイントは、修理内容や損傷状況を証明できる資料を保存する、査定書や鑑定書を取得して価値の下落を証明するなど

目次

評価損とは

評価損とは、交通事故によって車を修理した後も、事故歴や修復歴が残ることで市場価値が下がってしまう損害のことです。

外見や機能が元通りに修理されていても、事故車として扱われることで、中古車としての評価額が下がる場合があります。

たとえば、同じ年式・走行距離・状態の車であっても、事故歴のない車と修復歴のある車では、売却時の査定額に差が生じることが一般的です。

このような価値の下落は、修理費とは別の損害として評価損に該当します。

評価損は、事故によって生じた財産的な損害の一つであり、相手方に過失がある場合は損害賠償として請求することが可能です。

  • 評価損と全損の違い
  • 評価損の4つの算定方法

評価損と全損の違い

評価損と全損の違いは、修理が可能かどうかと、賠償の対象となる損害の内容にあります。

評価損は修理が可能な場合に発生する損害であるのに対し、全損は修理ができない、または修理費が車の価値を上回る場合に認定されるものです。

全損は車の損傷が大きく修理が困難な場合や、修理費が車両時価額を上回る場合に判断されます。

この場合は修理費ではなく、事故時点の車両時価額を基準に損害額が算定されるのが一般的です。

評価損の4つの算定方法

評価損の金額は明確な計算式があるわけではなく、車の価値や損傷の程度などをもとに個別に算定されます。実務では、主に以下の4つの方法を参考に評価損が判断されます。

  • 【修理費基準】
    修理費の一定割合を評価損とする方法です。一般的には、修理費の10%〜30%程度が目安とされることが多く、損傷が大きいほど評価損の割合も高くなる傾向があります。裁判実務でも広く採用されている代表的な算定方法です。
  • 【時価基準】
    事故当時の車両時価額を基準に評価損を算定する方法です。車両時価の一定割合を評価損とするもので、新しい車や市場価値が高い車で用いられることがあります。事故前の価値を基準に判断するため、客観性のある方法の一つです。
  • 【差額基準】
    事故前の車の価値と、修理後の車の価値の差額を評価損とする方法です。実際の査定額の差をもとに算定するため、価値の下落を直接反映できます。査定書などの資料がある場合に採用されやすい方法です。
  • 【査定基準】
    専門の鑑定業者や査定機関が、車種や年式、損傷の程度、修復歴などを総合的に評価し、価値の下落額を算定する方法です。専門家の評価に基づくため、裁判や交渉において有力な根拠となることがあります。

どの算定方法が採用されるかは事故ごとに異なりますが、査定書や鑑定書などの客観的な資料があるほど、評価損が認められる可能性は高くなります。

評価損が認められる条件

評価損は、すべての事故で認められるわけではありません。車の損傷の程度や年式、市場価値などをもとに、実際に価値が下がったといえるかどうかが判断されます。

評価損が認められる条件を紹介します。

  • 修復歴が付く損傷であること
  • 車の年式が新しいこと
  • 事故前の市場価値が高い車であること
  • 修理費が一定以上の高額であること
  • 実際に車の価値が下がったことを客観的に証明できること
  • 相手方に過失があること

修復歴が付く損傷であること

評価損が認められるためには、修復歴が付く程度の損傷であることが重要です。

修復歴とは、車の骨格部分(フレーム)を修理した履歴のことで、中古車市場では車の価値を大きく左右する要素です。

具体的には、次のような車の骨格部位が対象になります。

  • フレーム
  • インサイドパネル
  • ダッシュパネル
  • フロアパネル
  • ピラー
  • ルーフパネル
  • トランクフロア
  • クロスメンバー
  • ラジエーターコアサポート

修復歴がある車は、見た目や走行に問題がなくても、事故歴のない車より査定額が下がるのが一般的です。

一方で、バンパーやドアなどの外装部分のみの軽微な損傷であれば、修復歴には該当しないため、評価損が認められません。

評価損が認められるかどうかは、車の骨格部分に影響する損傷であるかどうかが一つの重要な判断基準になります。

車の年式が新しいこと

評価損は、車の年式が新しいほど認められやすい傾向があります。年式が新しい車は市場価値が高く、事故歴が付くことによる価値の下落も大きくなるためです。

たとえば、初度登録から数年以内の車は、中古車市場でも事故歴の有無が査定額に大きく影響します。同じ修理内容であっても、新しい車ほど価値の下落幅が大きくなるため、評価損として認められるでしょう。

一方で、年式が古い車はもともとの市場価値が低いため、事故による価値の下落が限定的と判断されます。

一般的には、初度登録から5年以内の車は評価損が認められやすく、それ以上経過している場合は個別の事情をもとに判断されます。

事故前の市場価値が高い車であること

評価損が認められるためには、事故前の市場価値が高い車であることも重要です。市場価値が高い車ほど、事故歴が付くことによる価値の下落が大きくなるためです。

たとえば、高級車や人気車種、走行距離が少ない車などは、中古車市場での評価が高いため、事故による影響も大きくなります。

このような車は、修理後であっても事故車として扱われることで査定額が大きく下がってしまうでしょう。

一方で、市場価値がもともと低い車は、事故による価値の下落が限定的と判断されることがあります。

そのため、評価損が認められるかどうかは、事故前の査定額や車種、走行距離などをもとに判断されます。

修理費が一定以上の高額であること

評価損が認められるためには、修理費が一定以上の高額であることも重要な要素です。

修理費が高額であるほど、車の損傷が大きく、市場価値への影響も大きいと判断されるためです。

たとえば、数万円程度の軽微な修理であれば、市場価値への影響は限定的とされ、評価損が認められないことがあります。

一方で、数十万円以上の修理が必要な場合は、修復歴が付く可能性が高く、事故車として査定額が下がる要因になります。

修理費の金額は、損傷の程度を判断する重要な指標の一つです。修理費が高額であるほど、評価損が認められる可能性は高くなります。

実際に車の価値が下がったことを客観的に証明できること

評価損を請求するためには、事故によって実際に車の価値が下がったことを客観的に証明する必要があります。単に「価値が下がったはずだ」と主張するだけでは、評価損は認められません。

たとえば、中古車販売店の査定書や、鑑定業者による鑑定書などがあれば、事故による価値の下落を具体的に示すことが可能です。

事故前後の査定額の差額が明確であれば、評価損の根拠として有力な資料になります。

一方で、価値の下落を裏付ける資料がない場合は、市場価値の低下を証明することが難しくなります。

そのため、修理後はできるだけ早い段階で査定を受けるなど、客観的な証拠を確保しておくことが重要です。

相手方に過失があること

評価損を請求するためには、事故の原因について相手方に過失があることが前提です。

評価損は交通事故によって生じた損害の一つであるため、相手方に損害賠償責任が認められる場合に限り請求できます。

たとえば、相手方の前方不注意や信号無視などが原因で事故が発生した場合は、その過失に応じて評価損も賠償の対象になります。

過失割合が相手方100%であれば、評価損の全額を請求できる可能性はゼロではありません。

一方で、自分にも過失がある場合は、その割合に応じて評価損の請求額も減額されます。

たとえば、過失割合が相手方80%・自分20%であれば、評価損の80%のみが賠償の対象になります。

評価額が認められにくい条件

評価損は一定の条件を満たす場合に認められますが、すべての事故で認められるわけではありません。

車の状態や契約内容、事故の状況によっては、評価損が認められにくいケースもあります。評価額が認められにくい条件を紹介します。

  • リース車やローン契約中の場合
  • 経済的全損と判断され車両時価額が賠償される場合
  • 修理後も市場価値の低下が認められない場合

リース車やローン契約中の場合

リース車の場合は、所有者がリース会社であり、利用者はあくまで借りている立場です。

評価損は、車の所有者に生じた市場価値の下落に対する損害ですので、車の所有者ではないリース利用者は、原則として評価損を請求できません。

評価損を請求できるのは、車の所有者であるリース会社です。

一方で、ローン契約中の車は、所有権留保が設定されている場合でも、実質的な使用者が損害を受けていると判断されることがあります。

そのため、ローン契約中であっても評価損が認められる可能性はありますが、契約内容によって判断が異なるため注意が必要です。

経済的全損と判断され車両時価額が賠償される場合

事故によって経済的全損と判断された場合は、評価損は認められません。

経済的全損とは、修理自体は可能であっても、修理費が車両の時価額を上回る、または同程度になる場合を指します。

この場合は、修理費ではなく事故時点の車両時価額が損害額として賠償されます。すでに車両の価値そのものが賠償されているため、追加で評価損を請求できません。

修理後も市場価値の低下が認められない場合

修理後も市場価値の低下が認められない場合は、評価損は認められません。評価損は、事故によって車の市場価値が下がった場合に発生する損害であるためです。

たとえば、バンパーやドアなどの外装部分のみの軽微な損傷で、骨格部分に影響がない場合は、修理後の査定額に大きな差が生じないことがあります。

このような場合は、事故による価値の下落がないと判断され、評価損は認められにくくなります。

評価損が認められた裁判例

評価損が実際に認められるかどうかは、事故の状況や車の状態、損傷の程度などをもとに個別に判断されます。

保険会社が評価損の支払いを認めない場合でも、裁判によって評価損が認められるケースは少なくありません。

評価損が実際に認められた裁判例と、認められなかった裁判例を紹介します。どのような条件で評価損が認められるのかを理解する参考にしてください。

  • 骨格損傷のあるSUVで約30万円の評価損を認められた事例
  • 初度登録から6年以上経過した国産車でも評価損が認められた事例
  • 修復歴による市場価値の下落を理由に評価損を認められた事例
  • 評価損が認められなかった裁判例

骨格損傷のあるSUVで約30万円の評価損を認められた事例

信号無視の車両による事故で、骨格部分に損傷を受けたSUVについて、評価損が認められた裁判例です。

【事故の概要】

  • 加害者が赤信号を無視して交差点に進入し、青信号で直進していた被害車両と衝突した
  • 衝突の衝撃により、被害車両は電柱にもぶつかり大きく損傷した
  • 被害車両は初度登録から約2年の国産SUVで、骨格部分にまで損傷が及んだ
  • 修理費は約179万円にのぼり、修理後も事故歴が残る状態となった
  • 保険会社は修理費を支払ったものの、評価損の支払いは拒否した

【結果】

  • 専門家の査定により約30万4000円の評価損が認定された
  • 裁判所は、骨格部分の損傷により市場価値の下落が生じると判断した
  • その結果、約30万円の評価損の支払いが認められた

骨格損傷がある車は、安全性や走行性能への影響が懸念されるため、中古車市場での評価が下がる傾向があります。

また、車の年式が新しく、市場価値が高いSUVであったことも評価損が認められた理由の一つです。

修理によって外観や機能が回復していても、事故歴があること自体が価値の下落につながると判断されました。

初度登録から6年以上経過した国産車でも評価損が認められた事例

初度登録から6年以上経過した国産ミニバンについて評価損が認められた事例です。

【事故の概要】

  • スーパーの駐車場に駐車していたミニバンに、加害者がアクセルとブレーキを踏み間違えて衝突した
  • 車両は大きく損傷し、修理費は200万円を超える高額なものとなった
  • 被害車両は初度登録から6年以上経過しており、評価損が認められにくい条件であった
  • 保険会社は「年式が古い車は評価損が認められない」として交渉に応じなかった

【結果】

  • 日本自動車査定協会の事故減価額証明書などを取得し、価値の下落を証明した
  • 修理費の約10%にあたる金額が評価損として認められた
  • 修理費が200万円を超えていたため、評価損として20万円以上の支払いを受けられた
  • 年式が古い車であっても、証拠をもとに評価損が認められる結果となった

一般的に、年式が古い車は市場価値が低下しているため、評価損は認められにくい傾向があります。

しかし、本件では日本自動車査定協会の証明書を取得し、事故による価値の下落を客観的に示しました。

また、骨格部分に損傷があることを修理見積書などで具体的に立証したことも重要です。

修復歴による市場価値の下落を理由に評価損を認められた事例

交差点事故により大きな損傷を受けた車について評価損が認められた裁判例です。

【事故の概要】

  • 信号機のない丁字路交差点で普通乗用車同士が衝突した
  • 被害車両は初度登録から約8か月の車で、走行距離も約9,000kmと少なかった
  • 事故により車両前部が大きく損傷し、修理費は約210万円にのぼった
  • 修復歴が残る損傷であり、修理後も市場価値の下落が問題となった
  • 当事者間で車両の時価額や損害額について争いとなり、裁判で判断されることになった

【結果】

  • 裁判所は、修理費の1割から2割程度の評価損が発生すると判断した
  • 評価損を含めた損害額をもとに、車両の時価額を限度として賠償が認められた
  • 修復歴による市場価値の下落が損害として認定された

事故時点で初度登録から間もない車であり、走行距離も少なかったことから、市場価値が高い状態でした。

そのため、事故による価値の下落が明確に認められ、評価損として損害に含まれる結果となりました。

評価損が認められなかった裁判例

評価損が認められなかった裁判例を紹介します。

【事故の概要】

  • 交通事故で車両が損傷し、修理は可能な状態だった
  • 被害者は、修理後も事故歴によって市場価値が下がったとして評価損を請求
  • 車両は購入後ある程度年数が経過しており、市場価値はすでに低下していた
  • 評価損の具体的な査定資料や市場価格の下落を示す証拠が十分ではなかった

【結果】

  • 裁判所は評価損を損害として認めなかった
  • 修理によって機能や外観は回復していると判断された
  • 市場価格の具体的な下落が立証されていないと判断された
  • 修復歴による損害は抽象的な可能性にとどまると評価された

この裁判では、「修理後に実際の市場価値が下がったこと」を客観的に証明できなかったことが大きな理由です。

評価損は、事故歴があるという理由だけでは認められません。事故前後の価格差や査定資料などによって、具体的な価値の下落を立証する必要があります。

また、車両が古い場合や、すでに市場価値が低下している場合には、事故による価値下落が明確でないとして否定されます。

評価損を認めてもらうためのポイント

評価損は、自動的に支払われる損害ではありません。請求しても、証拠が不十分であれば保険会社に認められないことも多くあります。

そのため、評価損を認めてもらうためには、適切な証拠をそろえ、正しい手順で請求することが重要です。

評価損を認めてもらうために行うべきポイントを解説します。

  • 修理内容や損傷状況を証明できる資料を保存する
  • 査定書や鑑定書を取得して価値の下落を証明する
  • 保険会社の提示額をそのまま受け入れない
  • 示談成立前に評価損を請求する
  • 交通事故に強い弁護士へ相談する

修理内容や損傷状況を証明できる資料を保存する

評価損を認めてもらうためには、事故によってどの程度の損傷が生じたのかを客観的に証明することが重要です。

損傷の程度が大きいほど、市場価値の下落が認められやすくなります。

そのため、修理見積書や修理明細書、損傷箇所の写真などは必ず保存しておきましょう。

特に、骨格部分の損傷や交換・修復の内容が記載されている資料は、評価損を裏付ける重要な証拠になります。

また、修理前の損傷状態を撮影した写真も有効な資料です。修理後は損傷の程度が分かりにくくなるため、事故直後の状態を記録しておくことが大切です。

これらの資料がそろっていれば、事故によって車の価値が下がったことを具体的に示せます。

査定書や鑑定書を取得して価値の下落を証明する

評価損を認めてもらうためには、事故によって車の市場価値が下がったことを客観的に証明する必要があります。

その際に有効なのが、中古車販売店の査定書や、日本自動車査定協会などの鑑定書です。

これらの資料には、事故による価値の下落額が具体的な金額として記載されます。

第三者による客観的な評価であるため、保険会社との交渉や裁判でも重要な証拠として扱われます。

特に、事故減価額証明書は評価損を裏付ける有力な資料です。

保険会社が評価損の支払いを認めない場合でも、このような証明書を提出することで、評価損が認められる可能性が高まります。

保険会社の提示額をそのまま受け入れない

保険会社から評価損の金額が提示された場合でも、その内容をすぐに受け入れる必要はありません。

提示された金額が必ずしも適正とは限らず、本来よりも低い金額になっていることもあります。

保険会社は、修理費や事故状況をもとに評価損の有無や金額を判断しますが、評価損を認めない、または低い金額を提示するケースも少なくありません。

そのため、提示された内容が妥当かどうかを、修理内容や査定書などの資料と照らし合わせて確認することが重要です。

提示額に納得できない場合は、査定書や鑑定書などの資料を提出して再検討を求められます。十分な証拠があれば、評価損の金額が修正される可能性があります。

示談成立前に評価損を請求する

評価損は、示談が成立する前に請求しておくことが重要です。いったん示談が成立すると、その後に評価損の請求を追加することは原則としてできません。

示談とは、事故による損害について当事者双方が合意し、紛争を終結させる手続きです。

示談書には「本件事故に関して、今後一切の請求を行わない」といった清算条項が含まれるのが一般的であり、署名後は新たな損害の請求が難しくなります。

そのため、修理費や代車費用だけでなく、評価損が発生している可能性も含めて確認したうえで示談交渉を進める必要があります。

交通事故に強い弁護士へ相談する

評価損を認めてもらう可能性を少しでも高めたい方は、交通事故に強い弁護士へ相談することを検討しましょう。

弁護士であれば、過去の裁判例やこれまでの経験をもとに、評価損が認められる可能性や適正な金額を判断できます。

評価損が認められにくい事故であっても、証拠の整理や主張の組み立てによって、認められる可能性を高めることが可能です。

また、保険会社との交渉も代理して進めてもらえるため、個人で対応するよりも有利に解決できる場合があります。

費用が心配な方は、加入している自動車保険に弁護士費用特約が付いていないか確認しておきましょう。

特約が利用できれば、弁護士費用の多くを保険で補償できるため、費用負担を気にせず相談や依頼ができます。

保険会社が評価損を認めない理由

保険会社が評価損を認めない理由について紹介します。

  • 評価損は自動的に支払われる損害ではないため
  • 修理で原状回復したと判断するため

評価損は自動的に支払われる損害ではないため

評価損は、修理費のように明確な金額が発生する損害とは異なり、「修復歴によって車の価値がどれだけ下がったか」を個別に判断する必要があります。

また、評価損は法律で一律の基準が定められているわけではなく、裁判例や個別事情に基づいて判断されます。

このような理由から、保険会社は評価損の支払いに慎重な姿勢をとる傾向があり、請求してもすぐに認めるとは限らないのです。

修理で原状回復したと判断するため

原状回復とは、事故前と同じ性能や外観に戻っている状態のことです。

現在の修理技術は非常に高く、部品交換や板金修理によって見た目や機能をほぼ事故前と同じ状態まで回復できます。

そのため、保険会社は「修理が完了している以上、追加の損害は発生していない」と判断することも少なくありません。

評価損に関するよくある質問

評価損に関するよくある質問を紹介します。

  • 10対0の物損事故なら必ず評価損は認められる?
  • 保険会社が評価損を認めない場合の根拠は?
  • 評価損を勝ち取るにはどうすればいい?
  • もらい事故の場合は評価損を請求できる?
  • 修理しないで買い替えた場合でも評価損は請求できる?

10対0の物損事故なら必ず評価損は認められる?

過失割合が10対0の事故であっても、必ずしも評価損が認められるとは限りません。

相手方に全ての過失がある場合でも、評価損が発生しているかどうかは別の基準で判断されます。

そのため、10対0の事故であっても、修復歴や市場価値の低下を客観的に証明することが重要です。

保険会社が評価損を認めない場合の根拠は?

保険会社が評価損を認めない場合は、「市場価値の低下が客観的に確認できない」という理由を挙げることが多いです。

修理によって外観や性能が回復している場合は、追加の損害が発生していないと判断されるためです。

また、車の年式が古い場合や走行距離が長い場合は、事故による価値の下落が小さいと評価されることがあります。

もともとの市場価値が低い車では、評価損が発生していないと判断されやすいでしょう。

評価損を勝ち取るにはどうすればいい?

評価損を認めてもらうためには、車の価値が下がったことを客観的な資料で証明することが重要です。

修理をしただけでは自動的に認められるわけではなく、価値の下落を裏付ける根拠が求められます。

具体的には、修理見積書や修理明細書を保存し、どの部分にどの程度の損傷があったのかを明確にしておきましょう。

骨格部分の修理が含まれている場合は、評価損が認められる可能性が高まります。

また、日本自動車査定協会などが発行する事故減価額証明書を取得すると、市場価値の下落を客観的に示す資料として有効です。

もらい事故の場合は評価損を請求できる?

もらい事故であっても、一定の条件を満たしていれば評価損を請求できます。もらい事故とは、過失割合が10対0で、被害者に過失がない事故のことです。

この場合、事故によって車の価値が下がったと認められれば、その損害も相手方に請求できます。

修理しないで買い替えた場合でも評価損は請求できる?

修理をせずに買い替えた場合でも、評価損を請求することは可能です。

ただし、評価損は「修理したものの、修復歴によって価値が下がった損害」を指すため、修理を行っていない場合は認められにくい傾向があります。

修理をせずに買い替えた場合は、評価損ではなく「車両の時価額」を基準として損害額が算定されるのが一般的です。

事故によって車の修理費が時価額を上回る場合は、経済的全損と判断され、事故時点の車両時価額が賠償されます。

まとめ

評価損は、事故によって車の市場価値が下がった場合に認められる損害ですが、すべての事故で自動的に認められるわけではありません。

骨格部分の損傷や車の年式、修理内容などによって判断が分かれるため、適正な評価損を請求するには客観的な証拠が重要です。

保険会社が評価損を認めない場合でも、査定書や修理資料などをもとに交渉することで、認められる可能性があります。

適正な評価損を請求したい場合は、交通事故に強い弁護士への相談がおすすめです。

弁護士であれば、裁判例や実務を踏まえて評価損が認められる可能性を判断し、保険会社との交渉も代理してもらえます。

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