交通事故を起こしたとき、「点数がどのくらいで免停になるのか」「回避や軽減の余地はあるのか」と不安に感じる方は多いでしょう。
免停になるかどうかは、単純に点数だけで決まるものではありません。違反内容や前歴の有無、事故の状況によって判断が分かれます。
状況次第では、回避や軽減を検討できる余地もありますので、どの段階で何をすべきかを知っておくことが重要です。
本記事では、交通事故における免停の仕組みや回避・軽減を目指す具体的な方法を解説します。あわせて、免停になりやすいケースや弁護士に相談するメリットも紹介しますので、参考にしてください。
・免停を回避・軽減できる方法は、意見の聴取で誠実に事情を説明する、運転免許停止処分者講習を受講する、早めに弁護士へ相談する
・免停を回避しやすいケースは、一発免停に該当しない、やむを得ない事情がある、前歴がなく長期間無事故・無違反であるなど
・免停の回避が難しいケースは、短期間に複数の違反を重ねている、悪質な運転をしているなど
・免停回避のために弁護士へ依頼するメリットは、意見の聴取・聴聞で専門的なサポートを受けられる、警察・行政対応の負担を減らせる
免停とは?
免停とは、正式には「運転免許停止処分」と呼ばれる行政処分です。一定の違反点数に達した場合に、定められた期間、運転が禁止されます。
免停は、事故や違反に対する単なる罰ではありません。運転者に一定期間の反省を促し、再発防止を図ることを目的とした制度です。
そのため、罰金や懲役といった刑事処分、損害賠償を伴う民事責任とは別に科されます。
交通事故を起こした場合、刑事・民事の手続きが進む一方で、点数制度に基づいて免停などの行政処分も検討されます。
「罰金を支払ったから処分は終わり」とはならず、後日あらためて免停の通知が届くケースも少なくありません。
免停になると、処分期間中は原則として一切運転できなくなります。
免許停止と免許取消の違い
免許停止は一定期間の運転禁止にとどまるのに対し、免許取消は免許そのものを失う処分です。
免許停止の場合、処分期間が満了すれば、あらためて免許を取得し直す必要はありません。講習を受講することで停止期間が短縮される場合もあり、比較的回復の余地がある処分といえます。
一方、免許取消は、運転免許が無効となる厳しい処分です。取消後は欠格期間が経過するまで再取得が認められず、期間終了後に学科試験や技能試験を受ける必要があります。
停止処分のように、一定期間が過ぎれば自動的に運転できる状態へ戻るわけではありません。
免停になる点数と停止期間の目安
免停になるかどうかは累積した違反点数によって判断されます。免停の点数と期間には一定の目安がありますが、前歴の有無によって処分は大きく変わります。
まずは、どの程度の点数で免停になるのか、その全体像を把握しておきましょう。
- 免停になる点数と免停期間
- 前歴がある場合は停止期間が長くなりやすい
- 無事故・無違反を続けることで処分が軽くなる場合がある
- 累積点数の確認方法
免停になる点数と免停期間
免停は「累積点数」と「前歴の回数」によって、停止期間が細かく区分されます。一定の点数を超えると免停では済まず、免許取消となるため注意が必要です。
まずは、免停が科される範囲に絞って整理した表を確認しましょう。
| 累積点数 | 前歴0回 | 前歴1回 | 前歴2回 | 前歴3回 | 前歴4回以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2点 | 処分なし | 処分なし | 停止90日 | 停止120日 | 停止150日 |
| 3点 | 処分なし | 処分なし | 停止120日 | 停止150日 | 停止180日 |
| 4点 | 処分なし | 停止60日 | 停止150日 | 取消1年 | 取消1年 |
| 5点 | 処分なし | 停止60日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消1年 |
| 6点 | 停止30日 | 停止90日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消1年 |
| 7点 | 停止30日 | 停止90日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消1年 |
| 8点 | 停止30日 | 停止120日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消1年 |
| 9点 | 停止60日 | 停止120日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消1年 |
| 10~11点 | 停止60日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消2年 | 取消2年 |
| 12~14点 | 停止90日 | 取消1年 | 取消1年 | 取消2年 | 取消2年 |
参考元:警察庁|行政処分基準点数
このように、点数がそれほど高くなくても、前歴が2回以上ある場合は免停では済まないケースがあります。特に6点以上になると、前歴の影響が強く表れやすくなります。
なお、累積点数が15点以上になると、前歴の有無にかかわらず免許取消が原則です。免停の回避や軽減を目指すのであれば、点数が確定する前段階での対応が重要になります。
前歴がある場合は停止期間が長くなりやすい
前歴がある場合、免停の停止期間は同じ点数でも確実に長くなります。前歴とは、過去3年以内に免停や免許取消などの行政処分を受けた履歴のことです。
例えば、前歴がない場合は30日の免停で済む点数でも、前歴が1回あるだけで60日や90日に延びることがあります。
さらに前歴が2回以上あると、点数自体はそれほど高くなくても、免停ではなく免許取消が選択されるケースも珍しくありません。
このように、前歴は今回の事故や違反の重さとは別枠で評価され、処分を一段階引き上げる要因として扱われます。
そのため、「今回の事故は軽微だから大丈夫だろう」と考えるのは危険です。前歴が残っている状態で事故や違反を起こすと、想定以上に重い行政処分を受ける可能性があります。
無事故・無違反を続けることで処分が軽くなる場合がある
無事故・無違反の期間が長い場合、免停処分が軽くなる可能性があります。点数制度は違反や事故だけでなく、その前後の運転状況も踏まえて評価されるためです。
具体的には、長期間にわたって無事故・無違反を維持している場合、「常習性が低い」「反省状況が良好」と判断されやすくなります。
その結果、免停の区分に該当していても、意見の聴取などの場で情状として考慮され、最も短い停止期間が選択されることがあります。
また、過去に前歴があったとしても、その後一定期間、違反や事故を起こしていなければ、前歴としてカウントされなくなることも少なくありません。
これにより、前歴なしの扱いとなり、停止期間が短くなることもあります。ただし、無事故・無違反であれば必ず処分が軽減されるわけではありませんので、注意しましょう。
累積点数の確認方法
累積点数は、最寄りの警察署や運転免許センターで確認できます。運転免許証を提示すれば、現在の点数や前歴の有無を教えてもらえます。
事故や違反を起こした直後であれば、点数がまだ反映されていない場合もあるため、時期を空けて再度確認することも大切です。
また、通知書が届いて初めて点数を知るケースもありますが、その段階では処分内容がほぼ固まっていることもあります。
免停の可能性が少しでもある場合は、通知を待たずに自分から確認しておくほうが安全です。
免停を回避・軽減できる方法
免停は通知を受けてから対応しても遅い場合があります。処分が検討される前後の段階で、どのように立ち回るかによって、回避や軽減の余地が変わるためです。
免停は、点数だけで機械的に決まるものではありません。事故の経緯や過失の程度、反省状況、生活への影響など、個別事情が考慮される場面もあります。
免停を避けたい、あるいは停止期間をできる限り短くしたい場合に取るべき具体的な方法を解説します。
- 意見の聴取で誠実に事情を説明する
- 運転免許停止処分者講習を受講して停止期間の短縮を図る
- 違反者講習の対象かどうかを確認する
- 免停30日を猶予・軽減できる条件を知っておく
- 早めに弁護士へ相談して対応方針を整理する
意見の聴取で誠実に事情を説明する
意見の聴取は免停を回避・軽減するうえで重要な機会です。この場でどのような事情を、どのように伝えるかによって、処分内容が左右されることがあります。
意見の聴取とは、免停などの行政処分を行う前に、運転者本人の意見を聞くための手続きです。
交通事故の経緯や反省状況、日常生活への影響などを説明する機会が与えられます。形式的なものと考えがちですが、実際には処分区分を判断する材料として扱われます。
この場では、感情的に不満を述べるのではなく、事実関係を整理したうえで誠実に説明する姿勢が重要です。
事故に至った経緯や再発防止策、運転への向き合い方を具体的に伝えることで、情状を考慮してもらえる可能性が高まります。
ただし、何をどこまで主張すべきかを誤ると、かえって不利に働くこともあります。
免停の回避や軽減を本気で考える場合は、事前に内容を整理し、必要に応じて専門家へ相談しておくと安心でしょう。
運転免許停止処分者講習を受講して停止期間の短縮を図る
免停になった場合でも、運転免許停止処分者講習を受講することで、停止期間が短縮される可能性があります。
免停を完全に回避できなくても、影響を最小限に抑える手段として知っておくべき制度です。
運転免許停止処分者講習は、免停処分を受けた方を対象に実施される講習で、受講内容や時間は停止期間によって異なります。
講習を受けるかどうかは任意ですが、受講した場合は、定められた日数分、免停期間が短くなります。
例えば、30日の免停であれば講習によって全期間が短縮され、実質的に運転できない期間が大幅に減ることも少なくありません。
60日や90日の免停でも、一定日数の短縮が認められます。ただし、すべての免停が対象になるわけではなく、点数や前歴によっては講習を受けられない場合もあります。
違反者講習の対象かどうかを確認する
違反者講習は、比較的軽微な違反で累積点数が基準内にある運転者を対象とした制度です。
講習を受講すれば、免停などの行政処分を受けずに済み、点数も一定期間でリセットされます。仕事や生活への影響を抑えられることは大きなメリットです。
ただし、すべてのケースが対象になるわけではありません。事故を伴う違反や、点数が基準を超えている場合、前歴がある場合は対象外となることがあります。
自分が該当するかどうかは、通知書の内容や警察署での確認が必要です。
免停30日を猶予・軽減できる条件を知っておく
30日の免停が予定されている場合、一定の条件を満たせば処分が猶予されたり、実質的に免停を回避できたりすることがあります。
短期間の免停であっても、生活への影響は大きいため、制度を正しく理解しておくことが重要です。
30日の免停は、主に前歴がなく、累積点数が6点から8点程度の場合に多く見られます。
この場合、違反者講習や処分者講習の対象となることで、免停の執行が猶予される、あるいは停止期間が短縮されるケースがあります。
早めに弁護士へ相談して対応方針を整理する
免停の回避や軽減を考える場合は、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することが重要です。
行政処分は手続きの流れが決まっており、対応が遅れると主張できる機会そのものを失ってしまうためです。
交通事故に関する免停は、点数だけで自動的に決まるものではなく、事故状況や過失の程度、前歴、反省状況などが総合的に判断されます。
弁護士に相談すれば、これらの事情をどのように整理し、どの段階で主張すべきかを明確にできます。
意見の聴取や講習制度を見据えた対応方針を立てられることは、大きなメリットといえるでしょう。
また、警察や行政とのやり取りに不安を感じている場合でも、弁護士が間に入ることで精神的な負担を軽減できます。
説明すべき内容や注意点が整理されるため、不利な発言をしてしまうリスクも抑えられます。
免停を回避しやすいケース
すべての交通事故や違反が同じように免停へ直結するわけではありません。事故や違反の内容、これまでの運転状況によっては、免停を回避しやすいと判断されるケースもあります。
自分の状況がどのケースに近いのかを整理し、主張できる事情があるかを早めに確認しておくことが大切です。
- 一発免停に該当しない可能性がある場合
- やむを得ない事情がある場合
- 事故や不注意の程度が極めて軽微と評価される場合
- 前歴がなく長期間無事故・無違反である場合
一発免停に該当しない可能性がある場合
事故や違反があったとしても、一発免停に該当しないケースであれば、免停を回避できる余地は残されています。
一発免停は、特定の重大違反や重い事故点数が付く場合に限られるため、すべての事故が直ちに対象になるわけではありません。
例えば、人身事故であっても、加害者に過去3年間の行政処分歴がなく、被害者のケガの治療期間が15日未満と判断された場合は、事故点数が付かず、免許の停止や取消しが行われません。
「人身事故=必ず免停」ではありませんので、事故後は、点数の内訳や適用基準を確認し、本当に免停対象となるのかを冷静に見極めることが大切です。
やむを得ない事情がある場合
事故や違反に至った経緯にやむを得ない事情が認められる場合、免停を回避しやすくなることがあります。
行政処分では結果だけでなく、その状況下でどのような判断を迫られていたかも考慮されるためです。
例えば、地震や台風などの災害時に、落下してきたがれきや倒木を避けようとして急ハンドルを切り、結果的に接触事故が起きたケースもあります。
このように、通常の運転状況とは異なる突発的な危険が原因となっている場合は、運転者の責任が一律に重く評価されるとは限りません。
もちろん、事故当時の状況を客観的に説明できる資料や、合理的な理由付けが必要になります。
事故や不注意の程度が極めて軽微と評価される場合
結論として、違反点数がほとんどたまっておらず、事故や不注意の程度が低いと評価される場合は、免停を回避できる可能性があります。
前歴がない場合、免停は原則として累積6点から科されるため、1~5点程度に収まる事故であれば、免停に至らないケースも少なくありません。
例えば、次のような事故は、違反や過失は認められるものの、危険性が比較的低いと判断されやすい典型例です。
- 一時停止の見落としや安全確認不足により、低速で接触した物損事故
- 人身事故であっても、打撲や軽いむち打ちなどにとどまり、治療期間が15日未満と判断されるケース
- 前方不注意やわき見運転による追突事故、または軽い接触事故
このような場合、付加される違反点数が1~5点程度に収まれば、違反者講習の対象となったり、行政処分そのものが科されなかったりする可能性があります。
もっとも、違反点数がすでに累積している場合や、過去に免停などの前歴がある場合は事情が異なります。
事故や不注意の程度が極めて軽微であっても、免停に該当する可能性があるため注意が必要です。
前歴がなく長期間無事故・無違反である場合
長く安全運転を続けてきた運転者は、「一時的な不注意による事故」と受け止められやすく、意見の聴取などの場で情状として考慮されることがあります。
その結果、付加される点数が免停基準に達していたとしても、最も軽い処分区分が選択されたり、免停に至らず講習対応にとどまったりする可能性も少なくありません。
また、前歴がないということは、それ自体が大きな評価要素になります。
過去に免停や免許取消を受けた履歴がない場合、点数制度上も処分が加重されにくく、免停の分岐点で有利に働くことがあります。
免停の回避が難しいケース
事故の状況によっては、免停の回避が難しいケースもあります。特に、弁護士などの専門家によるサポートを受けずに対応している場合は、処分がそのまま確定しやすくなります。
自分の状況が免停を回避しにくいケースに当たるかどうかを見極め、早い段階で現実的な対応方針を立てることが重要です。
- 違反点数が一度の事故で大きく付いている場合
- 短期間に複数の違反を重ねている場合
- 違反態様が悪質と評価されやすい場合
違反点数が一度の事故で大きく付いている場合
前歴がない場合、免停は原則として6点から科されます。そのため、一度の事故で6点前後にとどまる場合であれば、事故状況や情状によっては免停を回避できる余地があります。
一方で、1回の事故で12点や13点といった高い点数が付く場合は、回避が難しいでしょう。
このようなケースに多いのは、被害が重い人身事故であったり、速度超過や信号無視などの明確な違反を伴っていたりする場合です。
単なる不注意とは評価されにくく、事故の重大性や危険性、運転態様の悪質性が強く意識されます。
その結果、警察や行政も慎重かつ厳格に判断し、免停を前提とした処分が選択されやすくなります。
短期間に複数の違反を重ねている場合
結論として、短期間に複数の違反や事故を重ねている場合は、免停の回避が難しくなります。
個々の違反が軽微であっても、立て続けに起きていると、常習性が高いと評価されやすいためです。
例えば、数か月の間に追突事故と速度超過、さらに一時不停止といった違反が続いた場合、それぞれの点数は大きくなくても、累積としては免停基準に達しやすくなります。
このような状況では、「たまたま重なった不注意」とは見られにくく、運転姿勢そのものに問題があると判断されがちです。
また、短期間での違反は、反省や改善の機会が十分に取られていないと評価される要因にもなります。その結果、意見の聴取などで事情を説明しても、処分区分が見直されにくい傾向があります。
違反態様が悪質と評価されやすい場合
運転態様そのものが悪質と評価される場合は、免停の回避が難しくなります。
このようなケースでは、点数の大小よりも、運転行為が持つ危険性や社会的悪影響が強く意識されるためです。
代表的なのが、いわゆる煽り運転です。車間距離を極端に詰める、幅寄せや急ブレーキを繰り返す、執拗に追い回すといった行為は、他車に重大な危険を及ぼす運転と評価されます。
これらが事故につながった場合、単なる違反ではなく、強い悪質性を伴う行為として扱われやすくなります。
また、飲酒運転や酒気帯び運転、無免許運転なども、結果の軽重にかかわらず悪質と判断される典型例です。
たとえ事故の被害が比較的軽微であっても、「運転してはいけない状態で運転した」ということが重く見られ、免停を前提とした厳格な処分が選択されやすくなります。
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免停回避のために弁護士へ依頼するメリット
免停を回避・軽減したい場合、弁護士への相談は欠かせません。
自分一人で対応しようとしても、行政処分の仕組みや評価基準に関する専門知識が不足しており、どのように立ち回ればよいのか判断が難しくなりがちです。
意見の聴取への対応や主張すべき事情の整理、警察や行政とのやり取りなど、場面ごとに求められる対応は異なります。弁護士に依頼すれば、どのようなメリットがあるのか紹介します。
- 意見の聴取・聴聞で専門的なサポートを受けられる
- 処分軽減につながる事情を整理して適切に主張できる
- 意見書や資料を通じて処分軽減を狙える
- 点数評価や処分区分の妥当性をチェックできる
- 人身事故・重過失では刑事と行政を一体で対応できる
- 警察・行政対応の負担を減らし手続きを正確に進められる
意見の聴取・聴聞で専門的なサポートを受けられる
意見の聴取や聴聞では、事故の経緯や過失の程度、反省状況、生活への影響などを説明します。
しかし、何をどこまで話すべきか、どの点を強調すべきかは、一般の方には判断が難しい部分です。説明の仕方次第では、本来伝えたかった事情が正しく評価されないこともあります。
弁護士が関与すれば、処分の判断に影響しやすいポイントを整理したうえで、主張の組み立てをサポートしてもらえます。
感情的な説明や不要な発言を避け、事実関係を的確に伝えられることは大きなメリットです。
処分軽減につながる事情を整理して適切に主張できる
免停の回避や軽減を目指すには、処分軽減につながる事情を正しく整理し、適切に主張することが重要です。
ただ事情を並べるだけでは、行政処分の判断材料として十分に評価されないこともあります。
例えば、事故に至った経緯や過失の程度、再発防止の取り組み、仕事や生活への影響などは、評価され得る事情です。
しかし、どの点が処分判断に影響しやすいのかを理解していなければ、重要なポイントが伝わらないまま終わってしまう可能性があります。
弁護士に依頼すれば、事故状況や点数評価を踏まえたうえで、主張すべき事情を取捨選択して整理してもらえます。
感情論ではなく、行政が重視する観点に沿って説明できるため、処分軽減につながる可能性が高まるでしょう。
意見書や資料を通じて処分軽減を狙える
意見書や資料を適切に提出できるかどうかは、免停の回避・軽減に大きく影響します。
口頭での説明だけでは伝えきれない事情も、書面や客観資料を通じて補足することで、処分判断に反映されやすくなるためです。
例えば、事故状況を整理した意見書や反省文、再発防止策をまとめた書面、仕事上の影響を示す資料などは、情状を判断する材料として活用されます。
ただし、内容が抽象的であったり、処分判断と関係の薄い事情が多かったりすると、十分な評価につながりません。
弁護士に依頼すれば、どの資料が処分軽減に結び付きやすいかを見極めたうえで、意見書の内容を整理してもらえます。
事実関係を中心に、行政が重視する観点に沿って構成されるため、主張の説得力が高まります。
点数評価や処分区分の妥当性をチェックできる
弁護士に依頼することで、違反点数の付け方や処分区分が妥当かどうかを確認できます。
点数や処分内容は基準に基づいて決められますが、事故状況の評価次第で判断が分かれる場面もあるためです。
交通事故では、違反点数と事故点数がどのように加算されたのかが重要になります。
過失の程度や事故態様の評価に誤りがあれば、本来より重い点数が付いている可能性も否定できません。しかし、一般の方がその妥当性を自力で見極めるのは簡単ではありません。
弁護士が関与すれば、警察の認定内容や点数計算の前提を確認し、基準に照らして不合理なことがないかを検討してもらえます。
必要に応じて、評価の見直しを求める対応を検討できることもメリットです。
人身事故・重過失では刑事と行政を一体で対応できる
人身事故や過失が重い事故では、刑事手続きと行政処分を切り離して考えることはできません。
両者は別の手続きではあるものの、事実認定や評価が相互に影響するため、全体を見据えた対応が重要です。
人身事故の場合、刑事責任としての捜査や処分が進む一方で、同じ事故を前提に免停などの行政処分も検討されます。
刑事手続きでの説明内容や認定結果が、そのまま行政処分の判断材料として用いられることも少なくありません。
そのため、刑事と行政を別々に対応してしまうと、主張に一貫性がなくなり、不利に働くおそれがあります。
弁護士に依頼すれば、刑事と行政の両方を見据えたうえで、説明内容や対応方針を整理することが可能です。
どの点をどの手続きで主張すべきかが明確になるため、不要な発言や矛盾した説明を避けられます。
警察・行政対応の負担を減らし手続きを正確に進められる
弁護士に依頼することで、警察や行政とのやり取りに伴う負担を大きく減らせます。
免停に関する手続きは期限や提出物が多く、内容も専門的なため、慣れていないと対応だけで大きなストレスです。
実際には、警察からの問い合わせへの対応、意見の聴取に向けた準備、書面の作成や提出など、細かな対応が重なります。
これらを自己判断で進めると、説明が不十分になったり、不要な発言をしてしまったりすることも少なくありません。
弁護士が関与すれば、どの場面で何をすべきかが整理され、必要な対応を的確に進められます。
警察や行政とのやり取りも見通しを持って進められるため、精神的な負担が軽減されることは大きなメリットです。
免停を回避するときによくある質問
免停を回避するときによくある質問を紹介します。
- 30日・60日の免停は回避できる?
- 免停期間を短縮する方法は?
- 免停はいつから運転できなくなる?
- 1日だけ免停になることはある?
- 免停中に運転するとバレる?
30日・60日の免停は回避できる?
30日や60日の免停は、状況次第で回避や軽減を検討できる余地があります。特に、前歴がなく、点数が免停基準ぎりぎりの場合は、回避しやすいでしょう。
例えば、30日の免停は、前歴なしで累積6~8点程度の場合に多く見られます。
このケースでは、違反者講習の対象となったり、意見の聴取で情状が考慮されたりすることで、免停に至らない扱いとなることも少なくありません。
60日の免停についても、前歴の有無や事故内容によっては、停止期間の短縮が検討される場合があります。
免停期間を短縮する方法は?
免停になった場合でも、制度を正しく利用すれば停止期間を短縮できる可能性があります。代表的なのが、運転免許停止処分者講習の受講です。
停止期間に応じた講習を受けることで、定められた日数分、免停期間が短縮されます。特に30日や60日の免停では、講習による短縮効果が大きく、実際に運転できない期間を大幅に減らせるケースもあります。
また、意見の聴取の段階で情状が考慮され、最も短い停止期間が選択されることも少なくありません。事故後の対応や反省状況、生活への影響などを適切に説明できるかどうかがポイントです。
免停はいつから運転できなくなる?
免停は違反や事故を起こした日からすぐに始まるわけではありません。原則として、警察から運転免許停止処分通知書が届き、そこに記載された停止開始日から運転できなくなります。
交通事故や違反の直後は、点数が確定していない段階であることが多く、しばらくは通常どおり運転することが可能です。
しかし、処分が確定すると通知が送付され、指定された日から免停が開始されます。その日以降に運転すると、無免許運転として扱われるため注意が必要です。
1日だけ免停になることはある?
形式上の免停期間は1日ではありませんが、講習を受講した結果、実質的に1日だけ免停となるケースはあります。
免停は、前歴がない場合でも原則30日以上の停止期間が定められています。
ただし、運転免許停止処分者講習を受講し、優秀な成績を収めた場合は、停止期間を大幅に短縮することが可能です。
例えば、30日の免停であれば、最大29日間の短縮が認められることがあります。
この場合、免停の開始日から講習を受講するまでの1日だけが実質的な停止期間となり、講習を受けた翌日から運転が再開できる扱いになります。
免停中に運転するとバレる?
免停中に運転すると発覚する可能性は高く、リスクは非常に大きいです。免停は行政処分ですが、停止期間中に運転すると無免許運転として扱われ、刑事責任が問われます。
発覚のきっかけは、交通検問や職務質問だけではありません。
軽微な接触事故や駐車違反の確認、オービスの作動など、日常的な場面でも免停中であることが判明する可能性があります。
警察のシステムでは免許状態が即時に確認できるため、「少しだけなら大丈夫」と考えるのは危険です。
まとめ
免停は、事故や違反の内容、前歴、点数の付き方によって異なります。前歴がない場合では6点から免停となりますが、点数が低ければ回避や軽減することが可能です。
一方で、一度の事故で高い違反点数が付く場合や、悪質と評価される運転がある場合は、免停の回避が難しくなります。
また、免停になった場合でも、講習制度を利用すれば停止期間を短縮できることがあります。
免停を避けたい、影響を抑えたいと考えるのであれば、早めに状況を整理し、必要に応じて弁護士へ相談することが重要です。
大切な人を守りたい。交通事故慰謝料に強い弁護士を探す
事故後の対応、示談交渉や慰謝料など賠償金の算定など、役に立つ情報満載。交通事故に強い優秀な弁護士を数多く紹介しています。