実況見分を有利に進める方法とは?ポイントや立ち会えない場合、基本的な流れを紹介

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交通事故後に行われる実況見分は、過失割合や損害賠償額に大きく影響する重要な手続きです。

対応の仕方次第で、事故状況の評価や記録内容が変わり、その後の示談交渉や裁判で不利になることもあります。

しかし、実況見分の目的や流れ、押さえるべきポイントを理解していれば、必要以上に不利な扱いを受けるリスクを下げることは可能です。

本記事では、実況見分を有利に進めるための具体的なポイント、立ち会えない場合の対応、弁護士へ相談するメリットを解説します。

事故後の対応に不安を感じている方は、参考にしてください。

本記事の結論

・実況見分とは、交通事故の発生状況を警察官が現場で確認し、事故当時の状況を客観的に記録する手続き
・実況見分を有利に進める方法は、事故当時の状況をまとめておく、事実ベースで説明する、相手の主張に流されない、必ず実況見分に立ち会うなど
・実況見分に立ち会えない場合は、正当な理由を伝えて日程変更を依頼する、実況見分後に調書の内容を必ず確認する
・実況見分を有利に進めるために弁護士へ相談するメリットは、事故状況や争点を事前に整理できる、伝えるべき内容・伝え方を助言してもらえる

目次

実況見分とは?目的や流れ

実況見分とは、交通事故の発生状況を警察官が現場で確認し、事故当時の状況を客観的に記録する手続きです。

現場の状況や当事者の説明をもとに、事故の態様を明らかにし、過失割合の判断や刑事・民事手続きの基礎資料として使われます。

事故直後は記憶があいまいになりやすく、時間の経過とともに現場状況も変わるため、早い段階で実況見分を行い、証拠として残すことが重要です。

実況見分の目的

実況見分の主な目的は、事故当時の状況を客観的な記録として残すことです。当事者の記憶や主張だけでなく、現場の位置関係や痕跡などをもとに、事故の態様を明らかにします。

具体的には、車両や自転車、歩行者の位置関係、進行方向、ブレーキ痕、信号や標識の状況、道路幅や見通しなどが確認されます。

実況見分の結果は、過失割合の判断や、保険会社との示談交渉、裁判での証拠として使われるのが一般的です。そのため、どのような内容が記録されるかは、その後の手続きに直結します。

実況見分の基本的な流れ

実況見分は、原則として事故現場で行われ、警察官が当事者から話を聞きながら進めます。

事故から一定期間が経過している場合でも、可能な限り現場で実施されるのが一般的です。

まず、警察官が当事者それぞれから事故当時の状況について説明を受けます。進行方向や停止位置、衝突のタイミングなどを、現場で確認しながら整理します。

次に行うのが、車両の位置や道路状況、信号や標識の有無などの測定・記録です。必要に応じて、図面の作成や写真撮影も行われます。

最後に、当事者の説明と現場状況をもとに、実況見分調書の内容がまとめられて、この内容が、後の手続きで重要な資料になります。

実況見分調書とは?

実況見分調書とは、実況見分で確認された内容を警察が書面にまとめた記録です。事故当時の状況を客観的に示す資料として作成されます。

調書には、事故発生日時や場所、当事者の説明、車両や人の位置関係、道路状況などが記載されます。

実況見分調書は、刑事手続きだけでなく、民事の示談交渉や裁判でも扱われる重要な証拠です。

そのため、記載内容が事実と合っているかどうかが、その後の過失割合や賠償額に影響することがあります。

実況見分と現場検証の違い

実況見分と現場検証は、どちらも事故現場を確認する手続きですが、目的と位置づけが異なります。

実況見分は、主に人身事故で行われ、事故当時の状況を詳しく記録することを目的とします。

一方、現場検証は、物損事故を中心に実施される確認作業です。事故現場の状況を把握することは共通していますが、実況見分ほど詳細な調書が作成されないケースもあります。

実況見分を有利に進める9つの方法・ポイント

実況見分を有利に進めるためには、当日の対応だけでなく、事前準備が重要です。

警察は中立の立場で進めますが、説明内容や証拠の出し方によって、調書に反映される情報量や精度が変わります。

実況見分で押さえておきたい具体的な9つの方法・ポイントを解説します。

  • 1.事故当時の状況を時系列でまとめておく
  • 2.現場の写真や動画を事前に準備しておく
  • 3.推測ではなく、事実ベースで説明する
  • 4.相手の主張に流されない
  • 5.目撃者を探し、連絡先を確保しておく
  • 6.事実と異なる記載があればその場で修正を求める
  • 7.必ず実況見分に立ち会う
  • 8.内容に納得できない場合は安易に署名しない
  • 9.実況見分調書の内容をしっかり確認する

1.事故当時の状況を時系列でまとめておく

実況見分を有利に進めるためには、事故当時の状況を時系列で整理しておくことが重要です。

事故直前の行動、衝突した瞬間、事故後の動きまでを順番に書き出しておくと、説明が整理されます。信号の色や速度感、相手車両との位置関係なども、思い出せる範囲でまとめておきましょう。

頭の中で断片的に覚えている情報を、そのまま説明すると、警察官に正確に伝わらないことがあります。

説明があいまいになったり、話の内容が途中で変わったりすると、供述の信用性が低く評価されがちです。

結果として、事故状況の判断で不利に扱われる可能性があることには注意が必要です。

2.現場の写真や動画を事前に準備しておく

実況見分を有利に進めるためには、現場の写真や動画を事前に準備しておくことが大切です。事故当時の状況を視覚的に示せる資料があると、説明内容の裏付けになります。

衝突位置や車両の停止場所、道路幅、見通しの悪さなどは、言葉だけでは正確に伝わりにくい情報です。写真や動画があれば、警察官も状況を把握しやすくなります。

事故直後に撮影したものが理想ですが、難しい場合は、後日あらためて現場を撮影しても構いません。その際は、信号や標識、周囲の建物など、位置関係が分かるように撮ることが重要です。

3.推測ではなく、事実ベースで説明する

実況見分では、自分に有利に見せようとして推測や憶測を交えて話すことは避けるべきです。事実と推測が混ざると、説明全体の信用性が下がるおそれがあります。

「おそらく」「〜だと思う」といった表現が多くなると、事故状況があいまいに受け取られやすくなります。実際に見たこと、確認できたことを中心に説明する姿勢が重要です。

分からない部分がある場合は、無理に断定せず、そのように伝える方が評価は下がりにくくなります。事実ベースの説明を徹底することで、実況見分調書にも正確な内容が反映されやすくなります。

4.相手の主張に流されない

実況見分では、相手方の説明をその場で聞くことになります。その内容に引きずられて、自分の認識を変えてしまうと、事実と異なる供述になるおそれがあります。

相手が強く主張していたとしても、その場の雰囲気に合わせて同意する必要はありません。自分が実際に見聞きした事実と違うことがあれば、はっきりと伝えることが大切です。

曖昧な返答や同調は、後から修正しにくくなります。落ち着いて、自分の立場と事実関係を説明する姿勢が、結果として不利を避けることにつながります。

5.目撃者を探し、連絡先を確保しておく

実況見分を有利に進めるうえで、第三者である目撃者の存在は重要です。当事者同士の主張が食い違う場合、目撃者の証言が事故状況を補強する材料になります。

事故直後に周囲にいた人や、店舗の従業員、近隣住民などに心当たりがあれば、可能な範囲で連絡先を確認しておきましょう。

氏名や電話番号を把握しておくと、後から警察に伝えやすくなります。

防犯カメラやドライブレコーダーの映像が残っている場合は、目撃者や映像の存在を警察に伝えることで、実況見分やその後の調査に反映される可能性があります。

6.事実と異なる記載があればその場で修正を求める

実況見分では、警察官が内容を整理しながら調書を作成します。その過程で、説明の意図と異なる表現になることもあります。

事実と違う記載や、誤解を招きそうな表現に気づいた場合は、その場で修正を求めることが大切です。遠慮して黙ってしまうと、その内容が正式な記録として残ってしまいます。

後日になって訂正を求めるのは簡単ではありません。実況見分中は集中して内容を確認し、少しでも違和感があれば、その時点で伝える姿勢が重要です。

7.必ず実況見分に立ち会う

実況見分は、可能な限り本人が立ち会うべき手続きです。立ち会わない場合、自分の認識や主張が十分に反映されないおそれがあります。

現場で直接説明することで、位置関係や視界の状況など、言葉だけでは伝わりにくいことを補足することが可能です。立ち会いによって、警察官の理解も深まりやすくなります。

やむを得ない事情がない限り、実況見分には出席する判断が望ましいです。結果として、事故状況がより正確に記録される可能性が高まります。

8.内容に納得できない場合は安易に署名しない

実況見分の最後に、内容確認として署名を求められることがあります。しかし、内容に納得できないまま署名するのは避けるべきです。

署名をすると、その内容を認めたものとして扱われるのが一般的です。後から「違っていた」と主張しても、訂正が認められにくくなります。

記載内容に疑問がある場合は、その場で修正を求めるか、いったん保留にしたい意思を伝えましょう。

内容を十分に確認したうえで判断する姿勢が、不利な結果を防ぐことにつながります。

9.実況見分調書の内容をしっかり確認する

実況見分調書は、その後の示談交渉や裁判で重要な資料として使われます。そのため、作成された内容をそのまま放置するのは危険です。

立ち会い時だけでなく、後日あらためて調書を確認し、自分の説明どおりに記載されているかをチェックしましょう。

表現の違いによって、事故状況の受け取られ方が変わることもあります。

事実と異なる点や誤解を招きそうな部分があれば、早めに対応を検討することが大切です。必要に応じて、専門家に内容を確認してもらう判断も有効です。

実況見分に立ち会えない場合はどうする?

やむを得ない事情により、実況見分に立ち会えないケースもあります。仕事や体調、入院などの理由で出席が難しい場合でも、何もしなくてよいわけではありません。

実況見分に立ち会えない場合に取るべき対応について解説します。

  • 正当な理由を伝えて日程変更を依頼する
  • 弁護士など代理人に立ち会ってもらう
  • 実況見分後に調書の内容を必ず確認する

正当な理由を伝えて日程変更を依頼する

実況見分に立ち会えない場合は、まず正当な理由を警察に伝え、日程変更を依頼しましょう。

仕事の都合や体調不良、入院など、やむを得ない事情がある場合は調整してもらえることがあります。

連絡をせずに欠席すると、本人不在のまま実況見分が進められることが多く、その結果、自分の説明が十分に反映されないまま調書が作成されてしまいます。

立ち会いが難しいと分かった時点で、早めに警察へ連絡することが大切です。事情を具体的に伝えることで、柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。

弁護士など代理人に立ち会ってもらう

どうしても本人が実況見分に立ち会えない場合は、弁護士などの代理人に立ち会ってもらう方法があります。

代理人が同席すれば、事故状況に関する主張や注意点を代わりに伝えてもらえます。

特に過失割合で争いが予想されるケースでは、法律の視点から補足説明をしてもらえることがメリットです。

警察官の説明内容や記載の方向性に問題がないかも、その場で確認してもらえます。

代理人の立ち会いが認められるかどうかは事案によって異なります。そのため、事前に警察や弁護士へ相談し、対応可能かを確認しておくことが重要です。

実況見分後に調書の内容を必ず確認する

実況見分に立ち会えなかった場合でも、調書の内容確認は欠かせません。本人不在で進められた分、認識と異なる記載が含まれている可能性があります。

実況見分調書は、後日取り寄せて確認することが可能です。記載内容が事実と合っているか、表現が不利になっていないかを丁寧にチェックしましょう。

問題が見つかった場合は、早めに対応を検討する必要があります。専門家に内容を確認してもらうことで、今後の示談交渉や手続きに備えやすくなります。

実況見分を有利に進めるために事前に弁護士へ相談するメリット

実況見分は警察主導で進められますが、内容次第で過失割合や示談条件に影響します。事前に弁護士へ相談しておくと、伝えるべき事実や注意点を整理したうえで当日に臨めます。

特に主張が食い違いやすい事故や、過失割合で争いになりやすいケースでは、準備の差が結果に表れやすくなるでしょう。

事前相談によって得られる具体的なメリットを解説します。

  • 事故状況や争点を事前に整理してもらえる
  • 過失割合で不利になりやすいポイントを把握できる
  • 実況見分で伝えるべき内容・伝え方を助言してもらえる
  • 弁護士が実況見分に同席・立ち会ってくれる場合がある

事故状況や争点を事前に整理してもらえる

事前に弁護士へ相談しておくと、事故状況や争点を冷静な視点で整理してもらえます。事故直後は動揺や不安が強く、重要な事実とそうでない情報が混ざりやすい状態です。

そのまま実況見分に臨むと、説明が散漫になり、本来伝えるべきことが十分に反映されないおそれがあります。

弁護士は、過失割合の判断に影響しやすいポイントや、警察が重視しやすい事実関係を整理します。

どの場面を重点的に説明すべきか、逆に無理に触れる必要がないことはどこかなどを把握していることが特徴です。

感情に引きずられず、事実に基づいて説明できることがメリットといえます。

過失割合で不利になりやすいポイントを把握できる

事故類型ごとに、どの事実が判断に影響しやすいかはある程度決まっています。

たとえば、進入タイミングや停止位置、視認状況などは、過失割合の調整要素になりやすい項目です。

これらを理解しないまま説明すると、意図せず不利な受け取られ方をすることがあります。

弁護士は、過去の裁判例や実務の傾向を踏まえ、注意すべきことを整理します。どこを慎重に説明すべきか、どの表現は避けた方がよいかといった助言も受けられることがメリットです。

実況見分で伝えるべき内容・伝え方を助言してもらえる

実況見分では、何を伝えるかだけでなく、どのように伝えるかも重要です。弁護士に事前相談しておくと、警察に伝えるべき内容と、適切な伝え方について具体的な助言を受けられます。

事故状況の説明では、事実関係を中心に簡潔に話すことがポイントです。

一方で、伝え方を誤ると、意図とは異なる受け取られ方をすることもありますが、弁護士は、そのようなズレが生じないように修正できます。

また、相手方の主張にどう対応するかについても助言が得られます。感情的になりやすい場面での受け答えや、あいまいな質問への対応方法を知っておくと、不利な立ち回りを避けられるでしょう。

弁護士が実況見分に同席・立ち会ってくれる場合がある

事故の内容や争点によっては、弁護士が実況見分に同席・立ち会ってくれることがあります。

本人だけでは対応が難しい場面でも、専門家がそばにいることで心理的な負担は軽くなります。

例えば、説明内容が事実とずれていないか、警察官からの質問に対してどこまで答えるべきかなど、対応に迷う場面でも冷静に対処できることが大きなメリットです。

すべてのケースで同席が認められるわけではありませんが、可能性がある場合は事前に相談しておくと安心です。

準備と支援体制を整えておくことで、実況見分への不安を和らげられます。

実況見分を有利に進める方法に関するよくある質問

実況見分を有利に進める方法に関するよくある質問について紹介します。

  • 実況見分にかかる時間は?
  • 実況見分調書は取り寄せることができる?
  • 実況見分の基本的な流れは?
  • 交通事故では必ず実況見分が行われるの?

実況見分にかかる時間は?

実況見分にかかる時間は、事故の規模や状況によって異なりますが、一般的には30分から1時間程度を目安としましょう。

物損事故よりも、人身事故の方が確認項目が多く、時間が長くなる傾向があります。

現場の広さや交通量、当事者双方の説明内容によっても所要時間は前後します。

事故状況が複雑な場合や、位置関係の確認に時間を要するケースでは、1時間を超えることも少なくありません。

実況見分調書は取り寄せることができる?

実況見分調書は、一定の手続きを踏めば取り寄せることが可能です。警察署や検察庁に申請し、必要書類を提出することで開示されます。

人身事故の場合、捜査が進行中の段階では開示されないこともありますが、手続きが進んだ後で閲覧や謄写が認められるケースがあります。

調書の内容は、示談交渉や裁判で重要な資料です。取り寄せた際は、事実と異なる記載や誤解を招く表現がないか、丁寧に確認することが大切です。

実況見分の基本的な流れは?

実況見分の一般的な流れは、以下のとおりです。

  • 事故現場に集合し、警察官から手続きの説明を受ける
  • 当事者それぞれが、事故当時の状況を説明する
  • 車両や人の位置関係、進行方向を現場で確認する
  • 道路幅、信号、標識、見通しなどの周辺状況を確認する
  • 必要に応じて、測定や写真撮影、図面の作成が行われる
  • 確認内容をもとに、実況見分調書の作成が進められる

あらかじめ流れを理解しておくと、当日のやり取りを落ち着いて進めやすくなります。

交通事故では必ず実況見分が行われるの?

交通事故が発生した場合でも、必ず実況見分が行われるわけではありません。実況見分は、主に人身事故で実施される手続きです。

物損事故の場合は、実況見分ではなく現場検証のみで終わるケースもあります。ケガの有無や事故の内容によって、警察の対応は変わります。

また、人身事故であっても、事故状況が明確で争点が少ない場合は、簡易的な確認で進むことも少なくありません。

まとめ

実況見分は、交通事故の状況を客観的に記録し、その後の過失割合や示談交渉に影響する重要な手続きです。

対応を誤ると、事実と異なる内容が調書に残り、不利な判断につながるおそれがあります。

有利に進めるためには、事故状況を時系列で整理し、事実ベースで説明する姿勢が欠かせません。写真や動画の準備、調書内容の確認など、事前と事後の対応も重要です。

実況見分は一度きりの対応になることが多いため、準備と理解が結果を左右します。落ち着いて対応し、必要に応じて専門家の力を借りる判断も検討しましょう。

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