治療費の打ち切りに納得いかないときの対処法|リスクやNG行動を紹介

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交通事故の治療を続けている中で、保険会社から突然「そろそろ治療費を打ち切ります」と言われ、納得できずに戸惑う方は少なくありません。

まだ痛みや違和感が残っているにもかかわらず、治療の継続が認められないと、不安や不満を感じるのは当然です。

治療費の打ち切りは、保険会社の都合だけで一方的に決まるものではありません。

しかし、打診の理由や仕組みを正しく理解していないと、本来続けるべき治療を中断してしまい、後から不利な状況になるおそれもあります。

本記事では、治療費の打ち切りを打診されやすいケースや、納得できないときの具体的な対処法を解説します。

あわせて、応じてしまった場合のリスクや、やってはいけないNG行動、弁護士へ相談するメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

本記事の結論

・治療費の打ち切りが打診されるケースは、医師が症状固定と判断したとき、治療内容が保存療法中心になったときなど
・治療費の打ち切りに納得できないときの対処法は、医師に意見書や診断書の作成を依頼する、打ち切りの理由と根拠を保険会社に確認する、弁護士に相談するなど
・治療費の打ち切りに納得できないまま応じた場合のリスクは、今後の治療が自己負担になる、治療の必要性を後から主張しにくくなるなど

目次

治療費の打ち切りは納得できない!打診される7つのケース

治療費の打ち切りは、被害者の回復状況や治療内容、保険会社の判断基準などをもとに打診されることが一般的です。

しかし、まだ痛みが残っていても、一定の条件が重なると、保険会社から打ち切りを提案されるケースがあります。

治療費の打ち切りを打診されやすい7つのケースを紹介します。自分の状況がどれに当てはまるかを確認しながら、判断の参考にしてください。

  • 1.通院期間が一定期間を超えたとき
  • 2.医師が症状固定と判断したとき
  • 3.画像検査などで異常が見当たらないとき
  • 4.むち打ちなど軽傷と判断されやすいケガのとき
  • 5.治療内容が保存療法中心になっているとき
  • 6.改善傾向があると判断されたとき
  • 7.通院頻度が少なくなっているとき

1.通院期間が一定期間を超えたとき

治療期間がある程度の期間を超えると、保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがあります。

これは、通院が長期化すると、保険会社側が医学的に必要な治療は一通り行われたと判断しやすくなるためです。

特に、むち打ちや打撲などのケガでは、一定期間を過ぎると、これ以上の治療効果が限定的と見なされる傾向があります。

その結果、まだ痛みが残っていても、通院期間を理由に打ち切りの話が出ることがあります。

ただし、通院期間だけで治療の必要性が決まるわけではありません。症状や回復状況によっては、継続治療が必要なケースもあります。

2.医師が症状固定と判断したとき

主治医が症状固定と判断した場合、保険会社から治療費の打ち切りを打診されます。症状固定とは、これ以上治療を続けても、症状の大きな改善が見込めない状態のことです。

主治医から症状固定と判断されると、一般的には治療費の支払いは終了となり、次は後遺症に関する問題へと移ります。

そのため、治療の段階から、後遺障害の有無や等級認定を見据えた対応が必要になるケースもあります。

ただし、症状固定の判断は、あくまで医師による医学的判断が前提です。保険会社の意向だけで、一方的に決められるものではありません。

3.画像検査などで異常が見当たらないとき

レントゲンやMRIなどの画像検査で、明確な異常が見当たらない場合、保険会社から治療費の打ち切りを打診されやすくなります。

画像上で異常が確認できないと、医学的に治療の必要性が低いと判断されることがあるためです。

特に、むち打ちや神経症状などは、画像に異常が写らないケースも少なくありません。

その場合でも、痛みやしびれといった自覚症状が続くことはありますが、客観的な所見が乏しいことを理由に、治療の継続が認められにくくなる傾向があります。

4.むち打ちなど軽傷と判断されやすいケガのとき

むち打ちや打撲、捻挫などは、外見上の異常が分かりにくく、軽傷と判断されやすいケガです。

そのため、保険会社から早い段階で治療費の打ち切りを打診されるケースがあります。

これらのケガは、画像検査で異常が見つかりにくいことも多く、客観的な証拠が乏しいと見なされがちです。

その結果、まだ痛みや違和感が残っていても、「そろそろ治療は十分ではないか」と判断されることがあります。

しかし、むち打ちなどは、症状が長引くことも珍しくありません。痛みやしびれ、頭痛などが続いている場合は、軽傷と決めつけず、症状の経過を医師にしっかり伝えることが重要です。

5.治療内容が保存療法中心になっているとき

治療内容が、湿布や痛み止め、電気治療、リハビリなどの保存療法中心になっている場合、保険会社から治療費の打ち切りを打診されやすくなります。

大きな治療方針の変更がなく、同じ内容の治療が続いていると、「これ以上の改善は見込みにくい」と判断されることがあるためです。

保存療法は、症状の緩和や回復のために重要な治療です。しかし、外科的治療や積極的な処置と比べて、治療効果が客観的に分かりにくいこともあります。

その結果、保険会社側が治療の必要性を低く評価するケースもあります。

ただし、保存療法であっても、医学的に必要な治療であることに変わりはありません。

症状の変化や治療による影響を、主治医に具体的に伝え、治療の必要性を記録として残してもらうことが重要です。

6.改善傾向があると判断されたとき

症状に改善が見られると、保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがあります。

一定程度よくなっていると判断されると、「これ以上の治療は不要ではないか」と評価されやすくなるためです。

通院のたびに「前より楽になった」「痛みが減ってきた」と伝えていると、保険会社側は回復が進んでいると受け取ることがあります。

その結果、まだ完治していなくても、治療の終了を前提とした判断につながるケースもあります。

改善しているからといって、治療が不要になったとは限りません。

日常生活で支障が残っている場合や、症状の波がある場合は、その点も含めて医師に正確に伝えることが重要です。

7.通院頻度が少なくなっているとき

通院の頻度が減っている場合、保険会社から症状は落ち着いてきていると判断され、治療費の打ち切りを打診されることがあります。

通院間隔が空いていると、治療の必要性が低下していると見なされやすくなるためです。

仕事や家庭の都合で通院回数が減っているだけでも、保険会社側は回復傾向と受け取ることがあります。

その結果、実際には痛みが続いていても、「通院していない=治ってきている」と判断されるケースもあります。

通院頻度が下がっている事情がある場合は、その理由や現在の症状を医師にしっかり伝えておくことが重要です。

治療の必要性が正しく記録されていないと、打ち切りの判断につながりやすくなります。

治療費の打ち切りに納得できないときの対処法

治療費の打ち切りを打診されても、そのまま受け入れる必要はありません。重要なのは、感情的に反応するのではなく、医学的・客観的な根拠をもとに対応することです。

適切な対応を取ることで、治療の継続が認められたり、不利な状況を避けられたりするケースもあります。

治療費の打ち切りに納得できないときの対処法を紹介します。

  • 主治医に治療の必要性や今後の方針を相談する
  • 医師に意見書や診断書の作成を依頼する
  • 医師の判断を保険会社に正式に伝える
  • 打ち切りの理由と根拠を保険会社に確認する
  • 早めに交通事故に詳しい弁護士へ相談する
  • 後遺障害等級認定を検討する

主治医に治療の必要性や今後の方針を相談する

治療費の打ち切りを打診された場合、まず行うべきなのは、主治医に現在の症状と今後の治療方針について相談することです。

保険会社の判断よりも、医学的な判断が優先されるべきだからです。

まだ痛みやしびれ、日常生活への支障が残っている場合は、その内容を具体的に伝えましょう。

「どの動作で痛むのか」「仕事や家事にどのような影響が出ているのか」といった情報は、治療の必要性を判断するうえで重要です。

治療の継続が必要と考えられる場合は、その理由や見通しについても確認しておきましょう。医師の見解を把握しておくことで、後の対応や交渉を進めやすくなります。

医師に意見書や診断書の作成を依頼する

治療の継続が必要だと考えられる場合は、主治医に意見書や診断書の作成を依頼することが重要です。

口頭での説明だけでは、保険会社に治療の必要性が十分に伝わらないことがあるためです。

意見書や診断書には、現在の症状、治療の必要性、今後の見通しなどを具体的に記載してもらいます。

医学的な書面として提出することで、治療継続の根拠が明確になり、保険会社の判断に影響を与えるケースもあります。

作成を依頼する際は、治療がまだ必要である理由や治療を中断した場合のリスクについても記載してもらえるかを確認しましょう。

書面として残すことで、後の交渉や判断材料として活用しやすくなります。

医師の判断を保険会社に正式に伝える

主治医の判断を、そのまま口頭で伝えるだけでは、保険会社に十分に反映されないことがあります。そのため、医師の意見は、書面などの形で正式に伝えることが重要です。

診断書や意見書を保険会社に提出することで、治療継続の必要性について、医学的な根拠をもって説明できます。

担当者個人の判断ではなく、医師の専門的な見解として扱われるため、打ち切りの判断が見直されるケースもあります。

また、提出した書面の控えは必ず手元に保管しておきましょう。後のやり取りで認識のズレが生じた場合でも、証拠として確認できるため、対応を進めやすくなります。

打ち切りの理由と根拠を保険会社に確認する

治療費の打ち切りを打診された場合は、その理由と根拠を具体的に確認することが重要です。

あいまいな説明のまま受け入れてしまうと、本来継続すべき治療まで終了してしまうおそれがあります。

「なぜ今のタイミングで打ち切りなのか」「どの資料や判断を根拠にしているのか」といったことを、はっきりと確認しましょう。

書面やメールなど、記録に残る形で説明を求めることも有効です。

理由や根拠を確認することで、医師の判断と保険会社の判断にズレがあるかどうかも見えやすくなります。

納得できない場合は、そのまま受け入れず、次の対応につなげることが重要です。

早めに交通事故に詳しい弁護士へ相談する

治療費の打ち切りに納得できない場合は、早めに交通事故に詳しい弁護士へ相談することも重要な選択肢です。

専門家の視点が入ることで、打ち切りが妥当かどうかを客観的に判断してもらえます。

弁護士に相談すれば、医師の意見や診断書の内容を踏まえたうえで、保険会社の判断に問題がないかを整理できます。

治療継続の必要性がある場合は、法的・実務的な観点から、適切な伝え方や対応方針についてアドバイスを受けられることもメリットの一つです。

また、本人が直接交渉するよりも、弁護士が介入することで、保険会社の対応姿勢が変わるケースもあります。

治療費の打ち切りを一方的に受け入れてしまう前に、専門家の意見を確認しておくと安心です。

後遺障害等級認定を検討する

治療費の打ち切りを打診された場合は、後遺障害等級認定を見据えた対応も検討しておくことが重要です。

症状固定と判断されるタイミングでは、後遺症が残っているかどうかが、今後の補償に大きく影響します。

後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益など、後遺症に対する補償を受けることになります。

そのため、治療の打ち切りと同時に、「後遺症として残る可能性があるか」を医師と確認しておくことが大切です。

適切な等級認定を受けるためには、症状の経過や検査結果、日常生活への支障などを、診療録や書面に正しく残しておく必要があります。

打ち切りの段階から、後遺障害を見据えた準備を進めておくことで、後の手続きがスムーズになります。

治療費の打ち切りに納得できないまま応じた場合のリスク

治療費の打ち切りに納得できないまま応じてしまうと、後から不利な状況に陥るおそれがあります。

治療の途中で打ち切りを受け入れることで、補償や回復の面で大きな影響が出るケースも少なくありません。

治療費の打ち切りに応じた場合に生じやすいリスクを紹介します。

  • 治療の継続費用が自己負担になる
  • 症状が残るおそれがある
  • 治療の必要性を後から主張しにくくなる

治療の継続費用が自己負担になる

治療費の打ち切りに応じると、それ以降の治療費は原則として自己負担になります。

まだ治療が必要な状態であっても、保険会社からの支払いが止まるため、通院を続ける場合は、自分で費用を支払うことが必要です。

治療が長引くと、通院費や施術費の負担が積み重なり、経済的な負担が大きくなります。その結果、費用の問題から、必要な治療を途中でやめてしまうケースも少なくありません。

本来は保険でカバーされるべき治療であっても、打ち切りを受け入れたことで自己負担になってしまうことは、大きなリスクといえます。

症状が残るおそれがある

治療費の打ち切りに応じて通院を中断すると、十分な治療を受けないまま症状が残ってしまうおそれがあります。

痛みやしびれが軽減していても、完全に回復していない段階で治療をやめると、後から症状が悪化することも少なくありません。

特に、むち打ちや神経症状などは、時間が経ってから症状が強くなることもあります。

一時的に楽になったからといって治療を終了してしまうと、適切なタイミングでの治療機会を逃してしまう可能性があります。

治療の必要性を後から主張しにくくなる

治療費の打ち切りに応じてしまうと、後から「本当は治療が必要だった」と主張することが難しくなる傾向があります。

打ち切りを受け入れた事実が、治療は終了して問題ない状態だったと受け取られることがあるためです。

後になって症状が悪化した場合でも、その時点で治療を終えていると判断され、事故との因果関係を争われるケースもあります。

その結果、追加の治療費や補償を認めてもらいにくくなる可能性があります。

治療の必要性を適切に主張するためには、打ち切りの段階で、医師の判断や治療の継続が必要であることを、記録として残しておくことが重要です。

治療費の打ち切りに納得いかないときにやってはいけないNG行動

治療費の打ち切りに納得できない状況では、不安や焦りから、誤った対応を取ってしまうこともあります。

しかし、対応を誤ると、かえって自分に不利な状況を招くおそれがあります。

  • 保険会社の説明をうのみにしてしまう
  • 痛みや症状を我慢して正しく伝えなくなる
  • 医師に相談せずに通院をやめてしまう
  • 感情的な行動をとってしまう
  • 状況を整理しないまま示談交渉を進めてしまう

保険会社の説明をうのみにしてしまう

保険会社の説明をそのまま信じてしまうことは、リスクの高い対応です。打ち切りの理由や判断基準が、必ずしも医学的・法的に妥当とは限らないためです。

「もう治療は十分です」「これ以上は認められません」と言われると、従うしかないと感じてしまう方もいます。しかし、その判断が、医師の見解と一致しているとは限りません。

説明を受けた場合は、その内容がどのような根拠に基づいているのかを確認しましょう。納得できない場合は、医師や専門家の意見も踏まえたうえで判断することが重要です。

痛みや症状を我慢して正しく伝えなくなる

痛みや違和感があっても、「これくらいなら大丈夫」と我慢してしまうと、実際の症状が正しく伝わらなくなります。

その結果、医師や保険会社に「症状は軽い」「回復している」と受け取られやすくなるため、注意が必要です。

診察時に症状を正確に伝えないと、診療録にも実態と異なる内容が残ってしまうことがあります。これは、治療の必要性や後遺症の評価に影響する可能性があります。

小さな痛みや違和感であっても、日常生活への影響やつらさを具体的に伝えることが重要です。我慢せず、事実として正確に共有しましょう。

医師に相談せずに通院をやめてしまう

医師に相談せず、自分の判断で通院をやめてしまうことは、避けるべき対応です。

通院を中断すると、治療の必要性がなくなったと受け取られやすくなり、後から治療の必要性を主張しにくくなるおそれがあります。

また、診療録が途中で途切れることで、症状の経過や継続治療の必要性を客観的に示しづらくなります。その結果、治療費や後遺障害に関する判断で不利になることも少なくありません。

通院を続けるか迷う場合でも、必ず主治医に相談したうえで判断しましょう。医師の判断を記録として残しておくことが、後のトラブル回避につながります。

感情的な行動をとってしまう

治療費の打ち切りを告げられると、不安や怒りから感情的になってしまうこともあります。

しかし、強い口調で抗議したり、勢いで発言してしまったりすると冷静な話し合いが難しくなり、逆効果です。

感情的な対応は、担当者との関係を悪化させるだけでなく、本来伝えるべき要点が正しく伝わらない原因にもなります。

その結果、話がこじれ対応が形式的になるケースもあります。不満がある場合でも、事実と要望を整理したうえで、落ち着いて伝える姿勢が重要です。

状況を整理しないまま示談交渉を進めてしまう

治療費の打ち切りに納得していない状態で、そのまま示談交渉を進めてしまうことは避けるべきです。

治療の必要性や症状の状況が整理されていないと、不利な条件で示談が成立してしまうおそれがあります。

示談が成立すると、原則としてその内容を後から覆すことは難しいです。

十分な治療を受けていない段階で示談に応じてしまうと、後から症状が悪化しても、追加の補償を求めにくくなる可能性があります。

示談に進む前に、治療状況や医師の判断、打ち切りの妥当性を整理しておくことが重要です。必要に応じて、専門家の意見を取り入れたうえで、慎重に判断しましょう。

治療費の打ち切りに納得いかないときに弁護士へ相談するメリット

治療費の打ち切りは、医学的な判断だけでなく、示談や補償全体にも影響します。

そのため、対応を誤ると、治療費だけでなく、慰謝料や後遺障害の評価にも不利に働くおそれがありますので、専門家の視点を含めて考えることが重要です。

  • 治療費の交渉を任せられる
  • 治療費打ち切りの不当性を専門的に判断してもらえる
  • 示談交渉を有利に進めやすくなる
  • 後遺障害等級認定を見据えた対応ができる

治療費の交渉を任せられる

弁護士に依頼すると、治療費の打ち切りに関する交渉を、本人に代わって進めてもらえます。

保険会社とのやり取りを自分で続ける必要がなくなり、精神的な負担が大きく軽減されます。

医師の意見書や診断書をもとに、医学的・実務的な根拠を整理したうえで交渉が行われるため、感情論ではなく、筋の通った主張が可能です。

本人が直接伝えるよりも、内容が正確に伝わりやすくなることも特徴です。

また、弁護士が窓口になることで、保険会社側の対応姿勢が変わるケースもあります。

連絡や交渉がスムーズになり、治療に専念しやすくなる点も大きなメリットといえるでしょう。

治療費打ち切りの不当性を専門的に判断してもらえる

治療費の打ち切りが妥当かどうかは、医学的な観点だけでなく、交通事故実務や過去の事例を踏まえて判断する必要があります。

弁護士に相談することで、その打ち切りが適切か、不当といえるかを専門的な視点から整理してもらえることがメリットの一つです。

医師の診断内容や通院状況、症状の経過などを総合的に確認したうえで、保険会社の判断に問題がないかを検討します。

その結果、治療継続が認められる余地があるかどうかを、具体的に把握できます。

示談交渉を有利に進めやすくなる

治療費の打ち切りは、その後の示談交渉にも大きく影響します。

弁護士が関与することで、治療状況や症状の内容を踏まえたうえで、示談条件全体を見据えた交渉を行うことが可能です。

治療が十分でないまま打ち切られている場合、そのことを踏まえて、慰謝料や休業損害、後遺障害の評価などについても、適切な主張が行われます。

治療費だけでなく、最終的な賠償額全体に関わる問題として整理できることが特徴です。

その結果、不利な条件で示談が成立してしまうリスクを下げ、納得できる解決につながりやすくなります。

後遺障害等級認定を見据えた対応ができる

治療費の打ち切りは、後遺障害等級認定にも大きく関係します。

弁護士に相談することで、後遺障害の認定を見据えたタイミングや対応について、専門的なアドバイスを受けることが可能です。

症状固定の時期や、必要な検査、診断書の内容などについても、等級認定を意識した形で整理できます。

適切な準備を進めておくことで、後遺症が正しく評価される可能性が高まります。

治療費の打ち切り段階から、将来を見据えた対応を取れることは、大きなメリットといえるでしょう。

治療費の打ち切りに納得いかないときによくある質問

治療費の打ち切りに納得いかないときによくある質問を紹介します。

  • 医師と保険会社の判断はどちらが優先されるの?
  • 治療費の打ち切りに応じないと示談で不利になる?
  • 治療費の打ち切りまでの期間の目安はどれくらい?

医師と保険会社の判断はどちらが優先されるの?

治療の継続が必要かどうかについては、医学的には医師の判断が基本になります。

症状の有無や治療の必要性は、あくまで医師の診察や医学的見解をもとに判断されるべきものです。

一方で、保険会社は、医師の診断内容や通院状況を踏まえつつ、保険実務の観点から、治療費の支払いを継続するかどうかを判断します。

そのため、医師が治療継続を必要と考えていても、保険会社が打ち切りを打診してくるケースはあります。

このような場合は、医師の意見書や診断書など、医学的根拠を明確にしたうえで、保険会社に正式に伝えることが重要です。

医師の判断を軸に、客観的な資料をそろえることで、打ち切りの判断が見直されることもあります。

治療費の打ち切りに応じないと示談で不利になる?

治療費の打ち切りに応じなかったからといって、それだけで示談が不利になるとは限りません。

治療の継続に医学的な必要性がある場合は、そのことを正しく主張することが重要です。

ただし、根拠がないまま打ち切りに反対していると、治療の必要性が乏しいのに引き延ばしていると受け取られるおそれもあります。

その結果、示談交渉で不利な評価を受けるケースも考えられます。

重要なのは、主治医の判断や診断書など、客観的な根拠をもとに対応することです。

医学的な裏付けがあれば、治療費の打ち切りに応じなくても、示談で直ちに不利になるわけではありません。

治療費の打ち切りまでの期間の目安はどれくらい?

治療費の打ち切りまでの期間に、明確な一律の基準はありません。ケガの内容や症状の程度、回復状況によって判断されます。

実務上は、むち打ちなどの比較的軽いケガでは、3か月〜6か月前後で打ち切りを打診されるケースが多く見られます。

一方で、骨折や手術を伴うケガなどでは、より長期間の治療が認められることもあります。

重要なのは、期間だけで判断しないことです。症状が残っている場合は、治療の必要性を医師に確認し、診断書や意見書などの形で記録として残しておくことが大切です。

まとめ

治療費の打ち切りは、被害者の回復状況や治療内容をもとに打診されることが一般的ですが、まだ症状が残っている場合でも、一方的に受け入れる必要はありません。

打ち切りの理由や根拠を正しく理解し、医師の判断を軸に対応することが重要です。

納得できない場合は、主治医への相談や意見書の作成、保険会社への正式な説明の要求など、取るべき対応があります。

早い段階で専門家の視点を取り入れることで、不利な状況を避けやすくなります。

治療費の打ち切りは、その後の示談や後遺障害の評価にも影響します。焦って応じてしまうのではなく、自分の症状と将来を見据えたうえで、冷静に判断しましょう。

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